子育てと運動の関係「アクティブ育児(アク育)」

親子一緒にアクティブに子どもを育てよう

このコーナーはアクティブ育児に関する専門家の意見やデータを紹介したり、アクティブ育児を実践する会員ママどうしの交流を通して「アクティブ育児」を紹介していくコーナーです。
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第4回 子どもの環境変化と遊びの重要性 〜家族で取り組むアク育〜

教えて下さった方は… 山梨大学准教授 中村和彦

山梨大学教育人間科学部学部長・同大学院教育学研究科研究科長。山梨大学教育学部卒業。筑波大学大学院体育研究科修了。筑波大学体育センター準研究員、山梨大学教育学部助手・講師・准教授を経て、平成23年より山梨大学教育人間科学部教授。専門は、発育発達学・保健体育科教育学。文部科学省中央教育審議会健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会委員・日本体育協会ジュニアスポーツ指導員部会部会長・日本オリンピック委員会(JOC)ゴールドプラン専門委員会委員などを歴任。著書に『運動神経がよくなる「からだ遊び」』(PHP研究所)など多数。

子どもが外で遊ばなくなったのはなぜ?子どもの遊びと環境の変化

子どもが外で遊ばなくなり、子どもの体力や運動能力の低下が問題視されています。こうした問題は、子どもには一切の責任がありません。全て大人側の責任なのです。30〜40年前の日本では、子ども達は皆、元気に遊び回っていました。当時は、空き地や野はらなど子ども達が遊べる空間がたくさんありましたし、道路も遊び場になっていました。今は、そうした空き地や野はらが少なくなり、道路でも遊べません。大人が子どもの遊び場を横取りしているのです。

車の通行のために「道路は危ないので遊んではいけません」という標語があるのは日本ぐらいではないでしょうか?私がよく訪れる南欧の国々では、子どもが道路で遊んでいたら、車を通してはいけないと言われます。日本とは真逆です。高度経済成長など様々な要因がありますが、現代の日本社会は大人中心の文化になってしまいました。そして、スペースが狭く事故につながる可能性があるからと、街角の公園ではキャッチボールもできないし、自転車にも乗ることができません。子どもの遊びを制限するような禁止事項が増えていくばかりです。こうした社会的な環境の変化が、子どもから遊びの機会を奪っているのです。

体を動かすのは、楽しい?それとも辛い?競技型スポーツの落とし穴と遊びの重要性

子どもは遊ばなくなったけれども、幼少期からスポーツ教室に通って運動をすれば問題ないと思われるかもしれません。けれど、習い事としての運動は、競技性がとても強くなっています。勝敗や記録更新のために、スキルアップしていくことが求められ、「体を動かすことは辛く、苦しい」という感覚が育ってしまいがちです。大人になってから運動を続けている人を対象にした研究では、「子どものころにスポーツを経験している人が必ずしも運動を続けているわけではない」、ということがわかっています。大人になって体を動かす習慣を続けているのは、子どものころに「遊び込んだ人」なのです。

本来、体を動かすことは面白く、楽しいことです。しかしながら、子どもの頃に思いっきり遊ぶことで、体を動かすことは心地よいという感覚を養っていないと、大人になって運動するのが億劫になってしまうのです。こうした実状を踏まえて、海外では国家レベルで様々な施策に取り組んでいる国々があります。たとえば、オーストラリアでは「アクティブ・アフタースクール・プログラム」を実施し、放課後の学校でプレイ・デリバラーという大人が子ども達に遊びや、遊び方を教えるのですが、子どもが自分達で遊びはじめたらその様子を見守るだけです。子ども達はルールややり方を自分たちで工夫しながら、遊びにのめり込んでいくことができるのです。

生活すべてが遊び 24時間子どもと関わることが遊びという感覚で

では、「14時〜17時までは遊びの時間と決めましょう」とすればよいのでしょうか?それは違います。生活のなかでお母さんが子どもと関わることそのものが、遊びなのです。お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげますね。赤ちゃんはお母さんの心臓の鼓動を聞き、温かみを感じながら安心感を得て、心地よく眠りにつきます。お母さんは優しい目で赤ちゃんを見守る。それが遊びの原点です。食事をすること、うんちをすること、これらもすべて遊びです。「心地よい」という感覚を得られることが遊びなのです。

特に幼少期は、運動能力とか持久力などを考える必要はありません。まず、原点は面白いということ。親が子どもと関わることに幸せを感じ、心地よいという感覚を持ちながら生活をしていれば、子どもも自然に体を動かすこと、しっかり食べること、睡眠をしっかり取ることに心地よさを感じ、元気に育っていくのです。いまは遊びの時間、運動の時間などと時間割のようにスケジュールを細かく分けることは幼少期の子どもにとって望ましいことではありません。生活全般が遊びであり、その面白さや幸せを共有してあげることが大事なのです。

運動・食・睡眠・排せつで一つのサイクル 親が子ども達のためにやるべきことは?

楽しく体を動かしていたら、おいしくご飯が食べられます。いっぱい食べれば眠くなります。ぐっすり睡眠をとって、朝気持ち良く起きたらお腹がすいています。朝ごはんをしっかり食べれば、きちんと排せつもできます。そのように体も心も心地よい状態であれば、1日気持ち良く生活できます。子どもの頃から、心地よいという感覚をもって生活をしていれば、大人になっても体や心に良い習慣を持ち続けていけるのです。
運動・食・睡眠・排せつの中で、運動だけが生理的欲求ではありません。ですから、お母さんやお父さんが意図的に子ども達と遊ぶ機会をたくさん作ってあげて、体を動かすことが心地よいという感覚を育んであげることが、将来の子どもの良い生活習慣の連鎖につながっていくのです。お金をかけてスポーツをしたり、トレーニングをする必要はありません。スイミングスクールに通えなくても、親子で公園の噴水で水遊びをするだけでも十分なのです。お母さんやお父さんが生活の中に心地よさを取り戻し、それを子どもたちと一緒に味わってほしいと思います。

家族みんなで今日からやってみよう!

中村先生が提案する「からだが元気になる10か条」

  • 昼間に一度は外で遊ぼう
  • 親子でからだを動かそう
  • 休みの日には、外で一緒に遊ぼう
  • 朝ごはんを食べよう
  • 楽しい食卓を演出しよう
  • 加工食品類は、ひかえめに
  • テレビをみる時間を決めよう
  • ゲームや漫画は、ルールを決めて使おう
  • 夜型生活から抜けだそう
  • 一日一回。家族との対話を

子どもがお母さんと一緒に体を動かして遊ぶ機会をたくさん作ってあげるようにしてください!

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