トップページ  >  女性と子どもの健康コーナー ここからげんき  >  赤ちゃんを迎えたいあなたに!妊活・不妊対策を始めよう  >  治療最前線の名医に聞く!不妊治療 Q&A  >  原因のさぐり方  >  二人目不妊にならないようにするには?

治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

原因のさぐり方

2015.08.28二人目不妊にならないようにするには?

答えてくださった先生は・・・
桂川浩先生
桂川レディースクリニック院長/医学博士
かつらがわ・ひろし
1986年、愛媛大学医学部卒業。京都大学医学部婦人科産科学教室、国立姫路病院産婦人科、京都大学付属病院を経て、大津市民病院産婦人科勤務。途中、米国オハイオ州立大学医学部に留学。1996年、京都大学にて生殖免疫学の分野で博士号を取得。より質の高い医療を目指して、2002年6月に桂川レディースクリニックを開業。2014年には、不妊専門施設「ラーゴ」を開設。不妊症・不育症で悩む方に寄り添った診療で、地域から厚い信頼を得ている。また妊娠後はお隣の産科・婦人科棟にて出産できるため、妊娠後に別の医療機関に移る必要がなく、出産まで一貫したサポートを受けられる。
二人目不妊には、卵子のエイジングと精子の状態が大きく関係している

「そろそろ二人目がほしいなあ」と思い、子作りをはじめてみたものの、「なかなか授からない・・・」と悩んでいる“二人目不妊”が増えているといわれます。
一人目の妊娠時より女性の年齢が高くなっていること、仕事などのストレスで夫の精子の状態が悪くなっていることなどが原因として多いようです。
二人目不妊の原因や治療方法、予防策について、桂川院長に詳しくお話しを伺いました。

女性の年齢とAMHの値に応じて、治療ステップを考える

二人目不妊の原因は、女性が年齢を重ねたことによる「卵子のエイジング」と、「精子の状態がよくない」ことの2つが考えられる

「第一子のときは普通に妊娠できたのに、二人目を作ろうと思ってもなかなか妊娠できない」という声をよく聞きます。

原因としてまず考えられるのは、第一子妊娠時より女性の年齢が高くなっていることが挙げられます。

卵子(卵子の元となる原始卵胞)はお母さんの胎内にいるときに作られ、以降は新しい卵子が作られることはありません。

なにもしなくても毎月1000個の卵子が消滅していき、同時に卵子自体の老化も進みます。

 

最近よく知られるようになってきましたが、卵巣の中にどれくらい卵子の元が残っているかを測るAMHの値は、31歳以下では6.21あったものが、34-35歳では4.75、38-39歳では3.18と、どんどん低下していきます。

第二子を考えたときの年齢が35歳より若ければ、28歳でも34歳でもあまり妊娠率は変わりません。

 

しかし妊娠率は35歳以降3%ずつ数値が下がっていきますから、35歳を超え、年齢が高くなればなるほど、それだけ妊娠が難しくなっていきます。

そして卵子自体のエイジングも進みますから、染色体異常が増えることで、受精率・着床率とも低下していきます。

 

また悲しいことですが、年齢が高くなるに従い流産率も上がっていき、35歳では20%程度だったものが、40歳では40%にもなります。

 

一方の男性の側の原因としては、年齢が高くなることで仕事のストレスが増えたり、飲酒や喫煙などの影響により、精子の数や動きが悪くなっていることが考えられます。

 

喫煙はDNAを傷つけますし、飲酒は精子の運動率を低下させます(特に毎日飲んでいる場合)。

その他にも、サウナなどで精巣を温めすぎると、精子にはよくない影響があるといわれます。

 

患者さんから、「一人目のときは何も問題がなく妊娠できたのに、どうして今は精子の状態がよくないんですか?」という質問をよく受けます。

本来は精子の状態が良くないのだけれど、一人目のときは、たまたま良かったということがあるかもしれません。

精子はおよそ75日後には新鮮なものがまた生み出されますので、およそ2カ月間、禁酒・禁煙などをすることで多少は状態がよくなることもあります。

しかし喫煙や飲酒といったファクターを取り除いたとしても、精子の数値が劇的に改善することは少なく、男性の場合も、加齢やストレスの影響が大きいと考えられています。

二人目不妊の場合も、一人目不妊と同じように、年齢とAMHを参考に、白紙の状態から治療プランを立てていく

お一人目を自然妊娠されている場合、少し手助けをするだけで妊娠できるケースは多くみられます。

しかし前述の通り、卵子のエイジングが進んでいたり、精子の状態がよくないなどの原因がある場合には、治療のステップ(考え方)は一人目不妊の場合と基本的に同じです。

女性が35歳以上で、半年間性交渉をもっても妊娠しない場合には、なるべく早く不妊治療を行っているクリニックで相談をしてほしいですね。

基礎的な検査を受けても大きな原因が見つからなかった場合の、一般的な治療の進め方は以下の通りです。

 

・35歳未満(AMH 4.0以上)ならタイミングと人工授精をそれぞれ3~6回ずつ行い、それでも妊娠しなければ体外受精へと進みます。

・35~39歳(AMH 2.0~4.0)なら、まず人工授精を3~4回程度試してみて、妊娠しなければ体外受精へ移ります。

・40~44歳(AMH 1.0~2.0)なら、残された時間がほとんどありませんから、タイミング療法はスキップして、毎月体外受精か人工授精を行っていきます。

※AMHが2より低い場合には、40~44歳の進め方に準じます。

また女性の年齢に依らず、精子の状態があまりよくないことで、タイミング療法や人工授精を試してもなかなか妊娠しない場合には、少しでも早く体外受精などの高度不妊治療に進むことが大切だとお話ししています。
0828img1_2

治療は、夫婦の歩調を合わせることが大切。治療すると決めたら、少しでも早くスタートすることで、負担も軽く、妊娠までの期間も短くなる

妊娠するためにご夫婦でできる努力としては、まず禁煙が挙げられます。

そして、当たり前ですが規則正しい生活と食事を心がけ、お酒を飲み過ぎないことも大切です。

 

また特に女性の場合、太りすぎ・痩せすぎはホルモンバランスを崩す原因にもなりますので、体重を適正に保つことも重要かもしれません。

第一子のときは特に異常はなかったのに、二人目不妊で受診したらPCOS(多嚢胞性症候群)だったという患者さんもいらっしゃいます。

太ったことで、PCOSを発症したものと考えられます。

この場合には、まずダイエットをして体脂肪を減らすことが大前提となります。

 

さらに男性の場合には、禁欲しすぎないことも重要です。

古い精子は活性酸素を出す原因になりますので、溜めすぎず、1日おきくらいに射精するようにこころがけてください。

 

二人目不妊の場合、男性の側は「すでに一人いるし、そんなに焦らなくて大丈夫じゃない?」と、治療に消極的なケースをよく拝見します。

治療をするかどうかはご夫婦の意志で決まりますから、お二人の歩調をあわせていただくことがとても大切です。

不妊は病気ではないので、場合によっては“治療をしない”、あるいは“ステップダウン”という選択肢もあり得ます。

夫婦で話し合って「やっぱり治療を受けよう!」となったら、1日でも早く、検査と治療をスタートしてほしいですね。

 

早く治療を開始すればするほど、妊娠までの期間は短くなり、費用も抑えられ、軽い治療ですみます。

「もしかして?」「そんなはずでは?」と思ったときがタイミングかもしれません。

私たちと一緒に、一歩ずつ夢を実現していきましょう。
0828img2_2
取材・文/渡邉優希

先生に会える病院はこちら
施設名 桂川レディースクリニック(カツラガワレディースクリニック)
診療科目 産科・婦人科・麻酔科・不妊治療
電話 077-511-4135
所在地 〒520-0834
滋賀県大津市御殿浜21-8
最寄駅 京阪電車石坂線「瓦ヶ浜駅」より徒歩5分、JR石山駅よりバス「御殿ヶ浜」停すぐ(所要時間およそ5分)
URL http://www.katsuragawa-lc.com/

治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

  • 原因のさぐり方
  • タイミング・ステップアップ
  • パートナーのこと
  • 治療に使う薬のこと
  • かけるお金のこと
  • 心のケア
  • 治療の痛み
  • 治療がうまく進まない
  • 最新治療

コーナー協力:メルクセローノ株式会社

不妊治療Q&A一覧へ

妊活・不妊対策を始めようへ

ご利用にあたっての注意・お願い

本コーナーに掲載する情報は、健康をテーマに、日々の暮らしのヒントとなる情報の提供を目的としているものであり、治療・診療行為を意図するものではありません。また、内容の正確性や、何らかの医療効果が得られることを保証するものではありません。
このことを充分ご認識の上、あくまで参考情報として本コーナーをご利用いただき、必要に応じ適切な医療機関の診察を受けるようお願いします。
本コーナーに掲載された情報、それに基づく行為により、何らかの不都合、不利益が発生し、また、損害を被った場合でも株式会社ベネッセコーポレーションは責任を負いかねますので予めご了承ください。