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治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

かけるお金のこと

2015.06.18お金の問題で治療をあきらめる人は多いけど、 不妊治療、お金のかけどころはココ!

答えてくださった先生は・・・
林博先生
恵愛生殖医療クリニック 志木 院長/医学博士
はやし・ひろし
1997年、東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学付属病院・生殖内分泌外来チーフを経て、2011年4月、恵愛病院生殖医療センターを開設し、同年にセンター長就任。2016年1月に恵愛生殖医療クリニック 志木に移転し、院長就任。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医。日本生殖医学会・生殖医療専門医。日本産科婦人科内視鏡学会・技術認定医。日本内視鏡外科学会・技術認定医。日本不妊カウンセリング学会・認定不妊カウンセラー。日本周産期・新生児医学会・周産期(母体・胎児)専門医。日本で唯ひとりの「生殖医療」「内視鏡」「周産期」すべての分野の専門医として、高度で複合的な不妊・不育治療を行っている。
少しでも早く治療を始めることで、お金の問題も軽減される

タイミングをとってもなかなか妊娠しない場合、人工授精、そして体外受精へとステップアップを考えます。
人工授精の場合は、2万円前後なので家計のやりくりでなんとか費用を捻出できますが、体外受精・顕微授精となると、まとまった費用が必要となり、お金の問題に直面することが多いのではないでしょうか。
そこで、治療効果を高めるためのお金の使い方や、体外受精の料金体系、助成制度の活用方法などについて、恵愛生殖医療クリニック 志木の林院長にお話を伺いました。

成功報酬制と定額制で、お金にまつわる心配をクリアに!

体外受精では、“成功報酬制”を導入。授かった人には「幸せのお裾分け」で、少し多めに費用を負担していただく

体外受精は、不妊治療の中では成功率がもっとも高い治療法ですが、凍結胚移植での妊娠率は、比較的妊娠しやすい35歳以下の場合でも、当クリニックでは60%くらい、全国平均で50%程度です。

40歳過ぎの場合は、10%以下になります。

つまり不妊治療は、半分以上の方は成果に結びつかない治療なのです。

その他の治療、たとえば子宮筋腫の手術でしたら99%以上の確率で成功するわけですから、その差は歴然としています。

 

こうした事実を踏まえ、当院ではうまくいかなかった方の負担を少なくし、赤ちゃんを授かった方には少し多めに負担をしていただく料金体系、“成功報酬制”を導入しています。

体外受精の治療開始時には必要最低限の実費だけをいただき、治療が成功したとき(※)には成功報酬をいただくというシステムです。

 

この料金体系では、1回目の体外受精で妊娠された場合には、他のクリニックより若干費用が高く感じられるかもしれません。

しかしこれは、ちょっとだけ先に幸せになった人が、他のがんばっている仲間を助けていると考えていただくといいかもしれません。

幸せのお裾分けですよね。

反対に、体外受精が3回目以降での妊娠の場合では、当クリニックのほうがコストは低くなります。

治療がうまくいかないと、どうしても精神的に落ち込んでしまいます。その際に、費用負担だけでも軽減できないか?と考えました。この考え方は、今では多くの患者さんに受け入れていただだけているようです。

※治療が成功したときとは、流産の心配が低くなる妊娠9週以降で胎児心拍を確認、その他の異常が認められない場合を指します。

超音波エコー検査や血液検査は、採卵まで何度行っても費用は同じ。顕微授精も個数にかかわらず費用は一律という“定額制”を採用

体外受精の費用は分かりにくく、検査や診療費用も複雑なことが多いですが、当クリニックでは検査と治療費の“定額制”も導入しています。

“定額制”の導入は、費用に透明性をもたせるという目的と、治療に入る前にお金についての心配をクリアにしていただきたいという考えがベースにあります。

 

採卵時までの超音波エコー検査や血液検査は、何度行っても料金セットに含まれていますから定額です。

さらには注射針の使用本数や麻酔の量なども、多くかかったとしても追加料金はいただきません。

 

また顕微授精では、何個受精させても料金は同じです。

これは「お金がないから、受精は○個だけにしておきます」という事態を避けたためで、最善を尽くして成果を出していきたいという思いがこもっています。

こうした定額制は採卵にも適用され、卵が採れなかった場合は費用をいただきません。

 

また卵が何個採れても、培養料金は個数にかかわらず同じです。

上記以外の定額制のメリットとしては、通院ごとのお会計が必要なく、時間の節約になります。

最初の受診時に採卵までの料金を先払いしていただくと、その後の受診時にはお会計なしで、すぐにお帰りいただけます。

待ち時間というのは案外大きなストレスになりますから、お会計を待たずに帰れるというのは患者さんにも好評なようです。

不妊治療の助成金は、採卵周期では15万円、凍結胚移植では7万5000円。採卵周期で申請したほうが助成される金額は多くなる

平成28年4月から、助成制度が大きく変わります。

助成を受けられる回数については、40歳未満は通算6回まで、40歳以上は通算3回までとなり、43歳以上は助成自体が受けられなくなります。

平成27年度までは年齢制限はありませんでしたから、国も“なるべく早く治療を始めてほしい”というメッセージを発しているのでしょう。

 

自治体により助成内容は異なりますが、埼玉県を含む多くの自治体の場合は、採卵周期では15万円、凍結胚移植周期では7万5000円の助成が受けられます。

したがって、たとえば3回助成を受けるなら、採卵周期で3回申請をした方が受け取れる助成金は多くなります。

40歳未満であれば、年度による回数制限はありませんし(通算では6回まで)、卵の質が良いうちに治療を受けることで、治療の成功率も高くなり、助成金も多く受け取れるということになります。

なるべく早い時期に、妊娠率の高い治療法へ進んでほしい

働きながら治療をすることで授かりにくいということはない。経済的に安定するし、治療のあれこれを引きずらなくて済むという面も

当クリニックで体外受精の治療を受けている方は、仕事をしながらの患者さんも多いようです。

「仕事をやめないと、赤ちゃんは授からないのでは?」と考える方がいるようですが、そんなことはありません。

働くことで経済的にも安定しますし、仕事をしていると治療のあれこれを引きずらなくて済むという面があります。

 

また、卵を育てるためのホルモンの薬(リコンビナントFSH製剤)はペン型でほとんど痛みもなく、簡単に自己注射が可能です。

自宅での自己注射をしていただければ、採卵までの通院回数は3回くらいで済み、物理的にも仕事との両立は十分可能です。

 

もちろん貯蓄がある場合は治療に専念していただいても構いませんが、あまり時間がありすぎると、考えなくてもいいことまで考えて不安になってしまいがちですから、趣味など何かうちこめるものをもつことをおすすめしています。

治療のことは、病院にいる時間以外は忘れてしまうくらいがちょうどいいかもしれません。

とにかくリフレッシュが大切ですよ。

人工授精を5~6回以上続けるより、体外に挑戦した方が妊娠率は高い。時期を逃さず、早めに体外受精へのステップアップを決断してほしい

タイミング法から人工授精にステップアップし、人工授精で妊娠できる方の多くは5~6回めくらいまでに妊娠されます。

人工授精の治療費は平均で2万円前後ですから、体外受精に比べれば安いですが、それでも回数をかさねていくとその費用はバカになりません。

人工授精を5~6回以上続けても妊娠しない場合、妊娠率はあがりませんから、ズルズルと人工授精を続けるより、思い切って体外受精に進んだほうがいいですね。

特に35歳以上の方は、人工授精を3回くらい試しても妊娠できなかった場合、なるべく早く体外受精へのステップアップをすることをおすすめしています。
すでにご存じの方も多いと思いますが、妊娠できるかどうかは、結局は卵子の質に左右されます。

当クリニックで35歳未満の方に凍結胚移植を行った場合、1回目に70%以上の方が妊娠されます。

不妊治療の中では、体外受精がいちばん妊娠率の高い治療法ですから、少しでも早い時期に、体外受精へ進んでほしいと思います。

 

なかには間違った知識により、体外受精をすることに抵抗感をもつ方もいます。

しかし、体外受精や顕微授精をしたからといって、赤ちゃんに異常が生じるということは基本的にありません。

それよりも、年齢が上がることによる赤ちゃんの染色体異常のほうがよほど影響が大きいですし、時期を逃すことで治療の費用もかさみます。

体外受精への間違った思い込みを捨てて、少しでも早くステップアップの決断をしてほしいですね。

 

繰り返しになりますが、35歳までに治療を始めていただければ、ほとんどの方が妊娠可能です。

妊娠にはタイムリミットがありますので、赤ちゃんが欲しくなったら、まずは基本的な検査を受け、自分のカラダの状態を知ることから始めてください。

なるべく早く治療を始めることで、お金もあまりかからず妊娠することができます。

赤ちゃんを考えている方は、なるべく早めに、一度検査にいらしてください。一緒に最善の方法を考えていきましょう。

取材・文/渡邉優希

施設名 恵愛生殖医療クリニック 志木(ケイアイセイショクイリョウクリニック シキ)
URL http://www.tenderlovingcare.jp/

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