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治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

最新治療

2015.03.09ミトコンドリアの活性化って?

答えてくださった先生は・・・
森本義晴先生
HORACグランフロント大阪クリニック院長/IVF JAPAN CEO
もりもと・よしはる
1951年生まれ。関西医科大学卒。同大学院修了。専門は生殖超微形態学。日本IVF学会理事長、日本生殖心理学会理事長、日本受精着床学会常務理事、ASPIRE(Asia Pacific Initiative on Reproductionアジア太平洋生殖医学会)元理事長。聖マリアンナ医科大学客員教授、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、Pochon CHA University客員教授、関西医科大学非常勤講師、京都大学医学部保健学科非常勤講師、三重大学非常勤講師。世界最大の不妊治療専門機関IVF JAPANを率いる。統合医療の実践とミトコンドリア研究を基に卵子の質改善の先端的治療に取り組んでいる。2014年12月に世界で初めての卵子のアンチエイジングをテーマにした不妊センターを設立。
自己治癒力を高めてミトコンドリアを活性化。卵子を強くする!

年々、不妊治療を受ける患者さんの年齢が上がってきているといわれます。
必然的に卵子の老化が進んでいるケースも多くなっており、卵子を若返らせるべく森本先生が着目したのが“ミトコンドリア”だそうです。
どうしてミトコンドリアを活性化すると、卵子が強く元気になるのか。
日本の生殖医療を牽引してきた森本院長に、妊娠力アップの秘訣である、ミトコンドリアの活性化についてお話しを伺いました。

不妊症は“ミトコンドリア病!?”

ミトコンドリアが劣化するとエネルギーを作らなくなり、卵子も弱くなって妊娠しにくくなってしまう

なかなか妊娠しない場合、よく「卵子が弱いから」という言い方をします。

卵子が弱いという意味には2つあり、卵子の「核」が弱い場合と、「細胞質」が弱い場合です。

核が弱いのは、染色体(DNA)に関係しますから、着床前診断などで染色体に異常のないものを選ぶしかない。

 

しかし細胞質が弱い場合には、ミトコンドリアを元気にすることで、卵子自体を強くすることができるのです。

卵子の中には10~20万個のミトコンドリアがあり、成熟するとき、精子と出会うとき、胚分割をするとき、着床するときにもミトコンドリアが作用していることがわかっています。

子宮内膜に存在するミトコンドリアも、着床の際には重要な働きをします。

 

不妊症とは、ミトコンドリアが劣化してうまく働かなくなってしまった“ミトコンドリア病”だと私は考えています。

だから当院では独自に研究を重ね、ミトコンドリアを徹底的に活性化することで卵子を強くし、妊娠率を高める取り組みをしています。

ミトコンドリアの活性化のために、L-カルニチンやメラトニンを投与。低出力レーザーや受胎鍼、独自に考案したミトコンウォーク、食事療法なども行う

卵子の中にあるミトコンドリアを活性化するために、L-カルニチンやメラトニンが有効だということが分かっています。

この2つの物質を投与して活性酸素(細胞を劣化させる物質)を除去したり、ミトコンドリアを元気にしていきます。

 

また母体に対するアプローチとして、受胎鍼や受胎気功、低出力レーザー、独自に編み出したミトコンウォーク(運動療法)なども取り入れ、体内の活性酸素を減らしていきます。

ミトコンウォークは、1回30分のエクササイズを週に3日行うことで、1カ月でAMH(卵巣の中にどれくらいの卵子が残ってるかがわかるホルモン値)が2~3歳若返るとされています(人により効果は異なります)。

クリニック内にはミトコンウォークができるスタジオがあり、診察の待ち時間には、毎回30分のレッスンを受けていただいています。
エクササイズルーム
また血中の活性酸素量をみながら、生殖栄養カウンセラーが、体内の活性酸素を減らすための食事指導もしています。

 

たとえば玉ねぎも、“カットしてから1時間ほど置いておくと活性酸素を抑える効果が高まる”ことなど、具体的な指導をしています。

さらには、「HORAC農園」で収穫された無農薬野菜を食べてもらうことでも、活性酸素を除去してミトコンドリアを元気にしています。

この自家農園は、生物機能工学研究所の矢野原良民教授の水耕栽培を実践するもので、収穫された野菜は、妊娠体質を作るためには大切なミネラルやタンパク質を豊富に含んでいます。

太陽の恵みをたっぷり受けて育った「太陽野菜」を、たった2週間で育てることができることでも世界から注目を集めています。

ストレスを受けると、脳と肝臓で大量の活性酸素が生み出されてしまう

心理療法で、心のストレスを取り除き、自己治癒力を高めてゆく

20年間で200万人の患者を治療し、体外受精に取り組んできましたが、母体の受け入れ体勢ができていないと妊娠に結びつかないし、ストレスを軽減していかないと活性酸素は体内から減っていきません。

そこで、先ほどご紹介したようなミトコンドリアの活性化プログラムに加えて、さまざまな心理療法も並行して実施しています。

当クリニックを訪れる患者さんは、過去にさまざまな不妊治療を繰り返してきた方が多いので、大きなストレスを抱えて来院されます。

言葉は良くないですが、ストレスまみれで心が不安定になり、不妊治療どころではない方が多いんですよ。

 

そこで不妊治療に入る前にまず、過去の不妊治療などにより蓄積した精神的なストレスを解放するため、心理カウンセリングや、ATレッスンなどの「抗ストレス療法」を受けていただきます。

ATレッスンは、眠っている古い脳、俗にいう“は虫類脳”に対して、自己催眠で働きかける心理療法(自律訓練法)です。

心身をゆるめて「気持ち良い」と感じることで、身体に本来備わっている自己治癒力を活性化させていきます。
カウンセリングルーム

将来的には、卵子の素となる細胞から元気なミトコンドリアを取り出し、自分の卵子の細胞質への移植も行っていきたい

現在はまだ研究段階ですが、将来的には、卵子の素となる細胞から染色体に傷のないミトコンドリアを採り出し、自分の卵子(細胞質)への移植も手がけていきたいと考えています。

自分自身のミトコンドリアを使うので安心ですし、倫理的な問題もありません。

早く臨床段階にもっていき、患者さんの卵子を強く、元気にできたらと思います。

 

最後にみなさんにお願いしたいのは、夜な夜なネットで不妊治療について検索したり、不妊治療をしている人のブログを読みまくったりする習慣をやめてほしいということです。

治療などについて不安に思って、インターネットに救いを求めてしまうのだと思いますが、他の方の体験談からストレスを受けると、脳や肝臓で大量の活性酸素が生み出されていまいます。

ネットの情報で不安になるくらいなら、ぜひ外へ出かけて運動やウォーキングをしてください。

不妊に悩んでおられる方の多くは運動不足で、体を動かすのは駅へ向かうときに歩くのみ・・・という方もたくさんいらっしゃいます。

ミトコンドリアを元気にして妊娠力を高めるには、適度な運動をすることが大切です。

部屋の中に閉じこもらず、積極的に外へ出て体を動かしていきましょう!
受付
取材・文/渡邉優希 撮影/加藤タカミツ

施設名 HORACグランフロント大阪クリニック
URL http://www.ivfhorac.com/

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