トップページ  >  女性と子どもの健康コーナー ここからげんき  >  赤ちゃんを迎えたいあなたに!妊活・不妊対策を始めよう  >  治療最前線の名医に聞く!不妊治療 Q&A  >  治療の痛み  >  卵管造影検査にともなう痛みについて教えて!

治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

治療の痛み

2015.08.13卵管造影検査にともなう痛みについて教えて!

答えてくださった先生は・・・
渋井幸裕先生
キネマARTクリニック院長/医学博士
しぶい・ゆきひろ
1994年、東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院・体外受精グループにて研究、診察に従事する。2003年、キネマアートクリニックを開院。東邦大学大森病院客員講師。日本生殖医療心理カウンセリング学会幹事長、日本女性心身医学会幹事。院内は細やかな気遣いにあふれ、診療では患者さんの気持ちや意志を最優先にした治療を行っている。
卵管の検査、痛みには心理的な影響も。不安なことは医師に相談を!

ネット上には、「卵管造影検査は痛い」という恐怖感をあおるような口コミがあふれています。
でも実は「えっ、もう終わったの?ぜんぜん平気でした・・・」という人の方が多いのかもしれません。
卵管の検査とはどういうもので、どんな手順で行われるのか。
痛みへのケアはどうしているのかなどについて、患者さんの気持ちに寄り添う治療で信頼が厚い渋井院長に詳しくお話を伺いました。

検査に対して不安感があると、痛みを感じやすいことも

卵管の通りを調べる場合、ファーストチョイスは通水検査。その結果、“少しあやしいかも”という場合には卵管造影をする

卵管の検査は、自然妊娠では精子と卵子が出会うための場所、“卵管”の通過性を調べるとても重要な検査となります。

また体外受精の場合でも、着床率を下げる原因になる“卵管に水が溜まっていないか”などを調べるために行うこともあります。卵管の検査には、「卵管通水検査」と「卵管造影検査」の2種類があります。

 

当クリニックでは炭酸ガスを注入する「通気検査」は行っておらず、卵管の検査をする場合のファーストチョイスは、生理的食塩水を使う「通水検査」になります。

どうしていきなり卵管造影をしないかといえば、やはり卵管造影では少量ですが被ばくが避けられないこと、そしてなかには造影剤にアレルギー※を起こす可能性のある方がいるためで、通水検査を行った結果、通過性が不透明であった場合のみ卵管造影を行っています。

 

検査は、妊娠している可能性の少ない、月経終了直後(月経7日目頃の出血がおさまるくらいのタイミング)に行われます。

また卵管の検査は、クラミジア感染症の抗体が陰性である場合に行われます。

これは、クラミジアに感染している場合は、卵管などに溜まった菌を腹腔内に拡散してしまう恐れがあるためで、抗体が陰性かどうかを、卵管の検査を行う前に血液検査で確認します。

※造影剤にはヨードが含まれるため、ヨードアレルギーの方は卵管造影検査が受けられません。卵管造影を行う場合は、事前に甲状腺の数値を確認することで、検査が行えるか否かを判断しています。

 

検査は、膣の洗浄 → バルーンを膨らませる → 水(造影剤)の注入 という3ステップ。子宮にかかる“圧”が痛みの原因なので、なるべく痛みがでないよう慎重に進める

検査の手順は3ステップになります。

①膣内を消毒する

②子宮内でバルーンを膨らませてチューブを固定する

③子宮口を手で押さえて(つまんで)、生理的食塩水、または造影剤をもれないように注入する

 

痛みを感じやすいのは②のバルーンを膨らませるときの“圧”と、③の水(造影剤)を注入するときの“圧”になります。

どちらも子宮にかかる“圧”が痛みの原因になるのですが、②については、バルーンを膨らませる際の液体(1~2cc)を、患者さんの様子をみながら少しずついれることで痛みを減らすことができます。

 

③については、10~20秒ほどかけてゆっくり水(造影剤)を注入していくことで痛みの軽減をはかります。

痛みに不安のある場合は、痛み止めの座薬を使うこともできます。

痛み止めを使うことで患者さんの安心感につながり、痛みを感じにくくなるという側面もありますので、遠慮なくオーダーしてほしいと思います。

同じ人でも、日によって痛い、痛くないなどの感じ方が違うことも。クリニックや検査に慣れてくると痛くない!?

また不思議なことですが、同じ通水検査でも、日によって痛みの感じ方が違うという現象が起こります。

通水検査をするのは通院し始めたばかり(各種検査を始めたばかり)の頃なので、クリニックの雰囲気に慣れていなかったり、検査自体に恐れがあったりして、不安感が先に立っていると痛みを感じやすいということがあるのかもしれません。

治療が進んだ頃に再び通水検査をすることがあるのですが、その時には「ぜんぜん痛くなかった」とおっしゃる方が多いのです。

検査で何をするかが分かっているし、ドクターとの信頼関係ができているからかもしれません。

 

一方で、卵管がつまっていたり、狭まりがあると痛みを感じやすいというのは確かです。

しかしその場合であっても、「最終的には通りましたよ」などのお声がけをして、安心していただけるようにしています。

もし痛みがあった場合でも、検査後、半日から1日で痛みは消えてしまいます。

 

万が一、1日を超えても痛い場合には細菌による炎症(腹膜炎など)が疑われますので、すみやかに受診していただく必要があります。

こうした炎症を防ぐために、検査後は抗生剤を服用してもらっています。

 

いずれにしても、卵管の検査に対して“痛いに違いない”という思い込みがあったり、“何をされるんだろう”という不安感があったりすると痛みが増してしまう傾向があります。

検査前の説明の際に、遠慮なくどんどん質問していただき、不明点をクリアにしてから検査に臨んでほしいと思います。
0813img1

治療ばかりではなく、普段の生活も大切にしてほしい

卵管の検査をすると、半年間は妊娠しやすいゴールデンタイム!?検査をしたからというより、適切なアドバイスを受けた結果かも

いろいろなところで「通水検査(卵管造影)を受けたあと半年間は、妊娠しやすいゴールデンタイム」だという噂を耳にします。

もちろん、卵管が詰まり気味だった方が、検査を受けることで通りやすくなるということはありえると思います。

しかし残念ながら、通水検査(卵管造影)をすることで妊娠率が高まるという明らかなデータはありません。

 

一方で、通院することで適切なタイミングで性交渉を持つようになったり、あまり問題のなかった方が半年の間に妊娠したりという可能性はあります。

こうした事例からも、赤ちゃんがなかなかできなくて悩んでおられる場合は、検査を受けてトラブルの有無を確認すると同時に、性交渉のタイミング指導を受けるなど、私たち専門家に早めにご相談をしていただきたいと思います。

不妊治療だけでなく、普段の生活も大切にしてほしい。考えられる最大限のことはクリニックがするので、外に出たら治療のことは忘れてしまうくらいで!

不妊治療をしていると、普段の生活でも常に治療のことを考えてしまったり、ネットで夜な夜な情報を検索したりしがちです。

しかしこうした行動はストレスを生んでしまい、逆効果になりかねません。

不妊治療を始めると、どうしても時間的な制約が出てきますから、日常生活に占める割合も高くなります。

 

だからこそ、治療以外の時間、つまり普段の生活も大切にしてほしいと思いますね。

私たちスタッフは、患者さんとは上下関係ではなく、人と人としての対等なおつきあいを大切にしたいと考えています。

治療では、うまくいかないこともあると思いますが、考えられる最大限のことはクリニックがさせていただきますので、クリニックを出たら治療のことは忘れてしまってください。

つらさも喜びも分かち合って、一緒にがんばっていきましょう。
0813img2
取材・文/渡邉優希

施設名 キネマARTクリニック(キネマアートクリニック)
URL http://www.cinema-art.com/

治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

  • 原因のさぐり方
  • タイミング・ステップアップ
  • パートナーのこと
  • 治療に使う薬のこと
  • かけるお金のこと
  • 心のケア
  • 治療の痛み
  • 治療がうまく進まない
  • 最新治療

不妊治療Q&A一覧へ

妊活・不妊対策を始めようへ

ご利用にあたっての注意・お願い

本コーナーに掲載する情報は、健康をテーマに、日々の暮らしのヒントとなる情報の提供を目的としているものであり、治療・診療行為を意図するものではありません。また、内容の正確性や、何らかの医療効果が得られることを保証するものではありません。
このことを充分ご認識の上、あくまで参考情報として本コーナーをご利用いただき、必要に応じ適切な医療機関の診察を受けるようお願いします。
本コーナーに掲載された情報、それに基づく行為により、何らかの不都合、不利益が発生し、また、損害を被った場合でも株式会社ベネッセコーポレーションは責任を負いかねますので予めご了承ください。