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治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

パートナーのこと

2015.04.10パートナーへの働きかけ方は?

答えてくださった先生は・・・
近澤幸嗣郎先生
ちかざわレディスクリニック院長/医学博士
ちかざわ・こうしろう
1977年、秋田大学医学部卒業。卒業後は自治医科大学産婦人科入局。同時に漢方医学を学ぶ。助手を経て、昭和61年医学博士の学位を取得。体外受精を研究するため、オーストラリアへ留学する。帰国後、自治医科大学講師を務める。 1993年1月、ちかざわレディスクリニックを開業。診療のかたわら、不妊に関する本も執筆。『まんが二人の不妊症〈PART2〉』など、日々進歩をつづける不妊治療について実例をまじえて分かりやすく解説している。
客観的データや有名人の治療体験などを伝えつつ、プライドの尊重を!

子どもを授かるためには夫婦の協力が不可欠ですが、なかには夫が不妊治療に消極的なケースや、男性側に不妊原因があることが分かり、治療が中断されてしまうケースもあります。
どのようにしたら夫が治療などに前向きに取り組んでくれるのか。
パートナーへの働きかけ方や男性心理の理解の仕方について、不妊治療で20年以上のキャリアを持つ近澤院長にお話を伺いました。

夫を追い詰めすぎず、お互いの信頼を大切に

夫が治療に対して他人事のような場合は、今の年齢での妊娠率など具体的なデータをあげて論理的に説得をすると協力を得られやすいかもしれません

結婚して間もない患者さんからよく聞くのは、「できればタイミング法などで自然に授かりたい」、「夫が、“焦らなくてもそのうちできるよ”と言って不妊治療に乗り気じゃない」というお声です。

しかし不妊に悩むカップルは、結婚するのが遅かったり、子どもを望むタイミングを後ろ倒しにしていたり、当院を受診された時点で、38~40歳前後となっている方がほとんどです。

40歳前後になると妊娠率は5~10%程度ですから、“自然に”と望まれても、既に40歳前後での妊娠率は数%なのです。

35歳くらいから妊娠率は急激に下がっていきますから、「1日でも早く必要な検査を受けて、治療を始めていただきたい」とお話ししています。

 

もしご主人が「そのうちできるよ」と言ってどこか他人事で治療に協力してくれない場合は、現年齢での妊娠率などのデータを挙げるなど、具体的に説明をするといいかもしれません。

案外、男性はこうした生殖の現実について知らないことが多いので、論理的に、数値をあげて伝えることが重要かもしれません。

説明会や初診などは夫婦そろって医師の説明を聞くことで2人の置かれている現実を直視でき、その後の協力体制を築きやすい

妻が説明しても、なかなか夫が重い腰を上げない場合は、クリニック主催の説明会に参加したり、クリニックの予約をとって一緒に受診してみるのも一つの手です。

当クリニックでは、初診時、カップルで受診される方と女性がひとりでいらっしゃる方の割合は半々です。

 

男性が同席されない理由は、 “仕事が忙しい”“不妊治療のクリニックには足を運びにくい”“自分にはたぶん原因がないから行く必要がない”などさまざまだと思います。

しかしその後の経過を見ると、初診時にご主人も一緒にいらしたカップルのほうが、協力体制が得られやすいという印象があります。

妻が不妊治療の必要性を説明してもいまいち響いていないと感じたら、一度、なんとか病院に連れてきていただけたらと思います。

医師が「普通の妊娠となんら変わりはないですよ」「1日も早く治療を始めることが妊娠の可能性を高めます」などと説明することで、男性は現実に目を向け、治療の必要性や、治療を受ける女性の大変さなどについて、目が開かれる機会になるかもしれません。

 

また不妊カウンセラーなどによる、専門のカウンセリングに足を運んでみるのも一つの手です。

35歳を超えての治療だと、体外受精や顕微授精へのステップアップが必要な人がとても多いですので、結婚したら早めに子どものことを話し合うことが大切です。
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男性はとてもデリケート。ストレートに“協力して!”ではなく“あの有名人カップルも何度もトライしたみたいだよ”などやんわりと伝える

最近は、有名人がテレビ番組や雑誌などで、自身の不妊治療などの体験を話している姿をよく目にします。

生まれついての無精子症だったけれど何度かの手術を経て子どもに恵まれた。とか、ご主人が乏精子症で顕微授精をしたとか、体外受精に10回以上トライしてようやく授かった。とか、いろいろな苦労話が思い浮かびます。

男性は女性以上に自分の体のことについてはデリケートですから、「今日は排卵日だから早く帰ってきて!」と言われると、帰りたくなくなってしまいます。

男性としては、「俺はロボットじゃない!」と叫びたくなるのだそうです。

子供がほしい気持ちと、行為は別だと考えてしまうようで、ましてや男性側に原因があると分かった場合、自尊心が保てなくなって治療から逃げてしまうことも・・・・・・。

 

そこで「有名人や著名人にも不妊で悩んでいるカップルはいっぱいいて、何度もトライしてようやく授かったみたいだよ」「どの夫婦も危機を乗り越えてがんばったみたいだよ。私たちもがんばってみようよ」などのように、有名人などの例をあげて話してみると良いですね。

決して不妊治療をすることは珍しいことではなく、世の中には悩んでいる人が大勢いることを分かってもらいましょう。

女性にとっては、男性に原因があってもなくても、“治療で大変な思いをするのは女性の私なのに・・・・・・”とやりきれない思いを抱える場合もあると思いますが、ナイーブな男性心理を分かってあげてください。

 

あまり“子ども、子ども”と男性を追い詰めすぎず、夫婦の時間を楽しむことも忘れないようにしてください。

夫婦の信頼関係を確かなものにすることが、最終的には治療への協力体制にもつながっていくのではないでしょうか。
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取材・文/渡邉優希

施設名 ちかざわレディスクリニック
URL http://www.mirai-med.org/

治療最前線の名医に聞く! 不妊治療Q&A

  • 原因のさぐり方
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コーナー協力:メルクセローノ株式会社

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