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赤ちゃんを迎えるための検査・治療Stepガイド

不妊の原因って?原因や可能性を調べるための検査について教えて!

検査について

  • 女性編
  • 男性編

女性が受ける検査には、全員が受ける「スクリーニング検査」」と、異常が見つかった場合に受ける「精密検査」があります。スクリーニング検査には以下のようなものがあり、月経周期に合わせて行う検査と、周期とは関係なく行う検査の2種類があります。

基礎検査
問診

医師による問診で聞かれるのは、初潮年齢、最近の月経周期、性生活の様子、過去の妊娠・出産経験、避妊期間の有無、過去の治療歴、既往症などです。あらかじめ問診票に記入する病院が多いので、事前に調べてメモをしておくと慌てないですみます。

内診

子宮と卵巣の形や大きさ、お腹を押したときの痛みの有無を診ます。圧痛は、子宮内膜症の症状の一つとされます。

基礎体温表

初診時に、2~3カ月分の基礎体温表を持参すると診断がスムーズに進みます。毎朝目覚めたら起き上がらずに寝たまま、婦人体温計を舌の下にはさんで検温します。

生理周期にあわせて行う検査

生理周期にあわせて、以下のような検査を行っていきます。

卵胞期(低温期)の検査

生理が終わり、卵巣の中の卵胞(卵子を含んだ袋)が少しずつ成長している、つまり卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されている時期です。通常、生理開始から3~5日目ごろに行われます。

  • 卵胞期「ホルモン検査」
    血液検査により、LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)、プロラクチンなどのホルモン値を調べます。下垂体や卵巣の異常、多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症など、妊娠を妨げるような疾患の有無が分かります。
  • 「経膣超音波エコー検査」
    プローブと呼ばれる細長い形をした超音波エコーを膣内に入れ、卵子が卵巣の中でちゃんと発育しているか計測をします。あわせて卵巣や子宮などの状態を診察します。
  • 「卵管検査(通気・通水)」
    卵管がつまっていないか、正常に通っているかを調べる検査です。子宮口から炭酸ガスや生理的食塩水などの液体を注入。子宮腔から卵管へと通し、腹腔から流れ出ているかどうかを確認します。
  • 「子宮卵管造影検査:HSG」(ヒステロ)
    エックス線に反応して白く写る“造影剤”を子宮の中に注入してレントゲン撮影を行います。この検査により、子宮の奇形や内膜ポリープの有無、卵管の通りがよいか、卵管周囲の癒着がないか、などが分かります。
排卵期の検査

排卵日ごろに行われる検査です。

  • 「ヒューナーテスト」
    検査をする前日の晩、または当日朝に性交渉を行い、精子を膣内に残したまま病院へ向かいます。排卵日頃に子宮から出る液体(子宮頚管粘液)の中に、どのくらいの数の精子がいるか、運動能力がどうかなどを調べます。夫の精子と妻の子宮頚管粘液の相性や、正常に子宮頚管粘液が分泌されているかどうかなども測定します。結果の判定にはばらつきがあるので、何度か実施する場合があります。
  • 排卵期「ホルモン検査」
    血液検査により、下垂体から出される黄体化ホルモン(LH)と、卵胞ホルモンの中でもメインの働きをするエストラジオール(E2)の値を測定します。E2を測定することで、子宮内膜がちゃんとコントロールされているか、子宮頸管粘液が正常に分泌されているかなどが分かります。
  • 「子宮頸管粘液検査」
    排卵日頃には、精子が子宮頸管(子宮の入り口)を通りやすいように子宮頚管から粘液が出されます。この粘液が、妊娠しやすいように変化しているかどうか(生卵の白みのように15センチ以上も糸をひくような形状になっているか)、量は十分かなどをスポイトで吸い取って調べます。
  • 「経膣超音波エコー検査」
    発育卵胞の計測や、子宮内膜の厚みなどの計測を行います。通常、卵胞は18~20mmを超えると排卵します。卵胞の大きさを計ることにより排卵の時期や、排卵せずに卵胞が黄体化していないかなどがわかります。
黄体期(高温期)の検査

妊娠の準備のために黄体が形成されて、この黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、子宮内膜が厚くなる時期です。通常、排卵後7日目ごろに検査を行います。

  • 黄体期「ホルモン検査」
    排卵後は、卵子が出て空になった卵胞が黄体に変化して、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。この黄体ホルモンが、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を変化させるのですが、正常に黄体ホルモンが分泌されているかを血液検査で調べます。
  • 「経膣超音波エコー検査」
    排卵後の卵胞が変化して形成される「黄体」の状態と、子宮内膜の厚みと白濁の状態を観察します。
月経期の検査
  • 月経期「ホルモン検査」
    血液検査により、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)、プロラクチンなどの値を調べます。
  • 「経膣超音波エコー検査」
    卵巣内でこれから育っていく卵子を含む(卵状卵胞)の数を測定します。(実施しない場合もあります)
生理周期に関係なく行う検査
クラミジア抗原抗体検査

クラミジア菌に感染すると、子宮の入り口(子宮頸管)から卵管、腹腔内まで菌が侵入。
卵管が閉塞したり、卵管周囲に癒着が起こります。つまり排卵後の卵子をうまく取り込めなくなってしまうのです。過去にクラミジア菌に感染したことがあるかどうかを血液検査により調べる「抗体検査」と、現在感染しているかを子宮頸管の粘液を採取して調べる「抗原検査」があります。

性病検査

不妊の原因にもなる性病ですが、母体が感染していると妊娠・出産時に赤ちゃんへ感染させてしまう恐れもあります。梅毒、淋病などの性病に感染していないかを調べます。

子宮頸がん、子宮体がん検査

子宮頸がんの検査は全員に対して行われます。
医師が必要だと判断した場合は、子宮体がんの検査も行われます。

甲状腺検査

甲状腺の機能異常は、排卵障害や流産の原因になることもあります。
血液検査により、2種類の甲状腺ホルモン(FT3、FT4)と、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を調べます。

抗ミュラー菅ホルモン検査(AMH)

卵巣内にどれくらいの数の卵子が残っているかを調べる検査です。
血液検査により、AMHの値を調べます。このホルモン値でわかるのは、あくまで卵子の在庫の目安であり、卵の質とは関係がないとされています。

抗精子抗体検査

ヒューナーテストの結果が良くない場合に、行われることが多い検査です。
女性がこの抗体を持っていると、精子の運動率が低下し、受精や着床を阻害する作用があるとされます。血液検査により抗体の有無を調べます。

不妊の原因にはどんなものがあるの?

不妊の原因にはどんなものがあるのか、簡単にご紹介します。
複数の要因が重なっているカップルも多く、原因が分からない場合も20~25%ほど存在します。

排卵因子(25-30%)

卵子の成熟や排卵、黄体形成不全などに障害があるもので、不妊原因のおよそ3割を占めます。ダイエット、ストレス、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、早発性卵巣機能不全などが原因として考えられます。

卵管因子(30-35%)

卵管は、精子と卵子が出会う通り道なので、左右の卵管が両方とも詰まっていると妊娠することができません。クラミジア卵管炎などにより卵管がつまっていたり、狭くなっているもの。骨髄腹膜炎や子宮内膜症などにより、卵管周囲が癒着してしまっているものなどがあります。不妊原因の3割強を占めます。

子宮因子(10-15%)

卵管で受精した受精卵は、子宮内膜に達し着床します。
子宮の奇形や発育不全、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎、アッシャーマン症候群(子宮腔癒着症)などがあると、不妊や不育の原因になる場合があります。不妊原因のおよそ1割を占めます。

男性因子(30-35%)

妊娠するためには、十分な数の、活発に運動している精子が必要です。
精子の形成や成熟が阻害されていたり、射精が正常にできないと不妊の原因になります。男性が原因となっている不妊は3割強におよびます。

その他の要因

子宮頸管や膣、免疫に原因があるもの、子宮内膜症などがあげられます。

<監修>

齊藤英和(さいとう・ひでかず)先生

国立成育医療研究センター/周産期・母性診療センター/副センター長/(併)不妊診療科医長
産婦人科医・医学博士。1979年、山形大学医学部卒業。1981年、南カリフォルニア大学留学。米国第3番目の体外受精児出産に成功。山形大学医学部助教授などを経て、2002年、国立成育医療センター不妊診療科医長に就任。国立の病院で初めての不妊症専門診療科で診療・研究にあたっている。

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