妊娠・出産経験や、女性ホルモンなどから、様々な影響をうける女性のからだ。その体調変化や不調も、からだからのサインかもしれません。ママ世代の女性必読の健康情報、ぜひチェックしてみて。

 

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女性ホルモンがゆらぐ更年期は、心もゆれ動く。
気分がふさぐときは、まず婦人科へ。

  • 女性ホルモンがゆらぐ更年期には、抑うつ状態になりやすい
  • 親の介護など、突然のライフイベントが抑うつ状態を招くことも
  • このあとの人生をどう生きていくのか、自分と向きあってみよう
  • 更年期の抑うつ状態は、こんな対処を!

女性ホルモンがゆらぐ更年期には、抑うつ状態になりやすい

更年期に抑うつ状態(症状)に見舞われることがあります。更年期の抑うつ状態には、いくつかの原因が考えられます。
① 女性ホルモンがゆらぐことにより生じるもの。
② 夫との不仲や親の介護など中年期のライフイベントが関係する、心の問題に起因するもの。
③ ①と②があわさったもの。
などです。

①女性ホルモンがゆらぐと、心もゆれ動く


女性には、抑うつ状態に陥りやすい時期が3つあるとされています。
それは「生理前」、「出産後」、「更年期」で、女性ホルモンがゆらぐ時期には、心も落ち着かず、ゆれ動くことを意味します。
更年期障害には、典型的なホットフラッシュや発汗の異常がなくても、気分の変調や抑うつ気分が前面にでてくるものもあります。
閉経まで数年という時期に、理由もなく落ち込んだり、漠然とした将来への不安に襲われたり、以前の快活だった自分がウソのように心が沈んだり、どうしてもやる気が起こらないときには、“更年期の抑うつ状態”かもしれません。
“女性ホルモンがゆらいでいるから、心も不安定になっているのかも・・・”と理由がわかるだけで、心がちょっぴりラクになります。更年期に気持ちがふさぐときは、更年期診療を得意としている婦人科の門をたたいてみましょう。

親の介護など、突然のライフイベントが抑うつ状態を招くことも

②更年期には、深刻なライフイベントも生じやすい


少し前に“ミッドライフ・クライシス(中年の危機)”という言葉がよく取りざたされました。40代に入り、今まで漠然と感じていた“人生の影”がいよいよ正体を現し、目の前に突きつけられる状況とでもいうのでしょうか。
たとえば、夫婦仲の悪さが決定的になる、突然親の介護をすることになった、子どもが自立して家を出て行ってしまった、職場の中での自分の将来が見えてしまった、などです。こうしたライフイベントは更年期に重なることも多く、抑うつ状態を引き起こす原因となっているかもしれません。

③女性ホルモンのゆらぎと、深刻なライフイベントのダブルパンチ!という場合も・・・


そして、ベースに女性ホルモンのゆらぎによる心のゆれ動きがあり、そこに深刻なライフイベントが重なって、抑うつ状態に陥っている人も少なくありません。
更年期の気分の落ち込みは、まず婦人科を受診!更年期に気分がふさいだり、漠然とした不安感に襲われていたりする場合、まずは婦人科を受診しましょう。もし近くにあれば、更年期診療に力を入れている婦人科がベストです。
女性ホルモンの値を測ってみるのも良いでしょう。エストロゲンはストレスに耐える力に関係しています。卵巣機能の低下と一致した気分に関する症状の発現は、更年期障害の一症状かおしれません。その場合、ホルモン補充療法(HRT)を行うことで抑うつ状態が改善され、突然のライフイベントを乗り越える力がわいてくる人も大勢います。
HRTを行ってもよくならない場合や、“死にたい・・・”という自殺念慮がある場合、うつ病の診断基準を満たすような場合は、心療内科を紹介してもらい受診することが必要です。

このあとの人生をどう生きていくのか、自分と向きあってみよう

更年期には、人生の後半をどう生きていくのか、考えてみることも大切かもしれません。 今までは、自分にとって不必要な人間関係なども距離を置くことができずに、我慢して付き合ってきたかもしれません。でも人生の残された時間、自分にとって必要のない人に気を使って過ごすのはバカらしいのではないでしょうか。人間関係も物も、必要ないものを減らしていくこと。それが“更年期”という時期なのかもしれません。
また、これまで病気知らずで健康に過ごしてきた人も、いちど立ち止まって自分の健康について見直してみることが大切です。 閉経を迎えると、女性の体を守っていたエストロゲンの恩恵を受けられなくなるため生活習慣病などさまざまな病気になりやすくなります。「私だけは病気にならない」「うちはがん家系じゃないから」などと思い込まず、自分のカラダと向き合ってみましょう。 更年期に気分が落ち込むのは、ひょっとしたら“一度立ち止まって、自分の人生や健康と向き合ってみようよ”という大きなメッセージなのかもしれません。

更年期の抑うつ状態は、こんな対処を!

  • 婦人科で女性ホルモンの値を測ってみて、更年期に突入していたらHRTなどを試してみよう
  • 女突然のライフイベントに見舞われた場合は、医師やカウンセラーに助けを求め、話を聞いてもらおう
  • 人生後半をどう生きていくのか、じっくり考えてみよう

飯田橋レディースクリニック院長 岡野浩哉

文/医療ライター 渡邉由希
イラスト/丸山誠司

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