妊娠・出産経験や、女性ホルモンなどから、様々な影響をうける女性のからだ。その体調変化や不調も、からだからのサインかもしれません。ママ世代の女性必読の健康情報、ぜひチェックしてみて。

 

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女性ホルモンが出なくなる前が肝心!?
プレ更年期からトライしたい4つのこと

  • 長寿だけれど、日本人女性の“健康寿命”は長くない!?
  • 守り神の女性ホルモンがなくなる閉経後は、機能低下の嵐が・・・
  • プレ更年期には、閉経後に備えて自分のリスクを知ろう!
  • プレ更年期からトライしたい4つのこと

長寿だけれど、日本人女性の“健康寿命”は長くない!?

“健康寿命”とは、健康上の問題がない状態で、日常生活を送れる期間のこと。日本人女性の場合、平均寿命(86歳)と健康寿命の間におよそ10〜13年の差があると言われています。つまり、介護や医療を必要とする期間が平均で10年もあるのです。この期間をなんとか短くしたいですよね。
いつまでも、健康で元気に過ごすためには、プレ更年期(30代後半〜40代前半ごろ)から、自分の体を見直すことが大切です。
以下の図から分かるのは、女性の健康は「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンによって大きく影響されているということ。男性とは異なる、女性特有の健康問題が存在します。そのため、“女性には女性のケア”が必要なのです。
エストロゲンが分泌されている思春期から更年期頃までは、月経痛やPMS、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫など、女性特有の疾患に気をつける必要があります。
一方、エストロゲンの分泌が低下・停止する更年期・閉経期以降は、肥満や骨粗鬆症、脂質異常症、糖尿病、高血圧、動脈硬化症、認知症などの病気に対して気をつける必要があります。こうした生活習慣病のスタートは、男性よりおよそ10年遅れてやってきますが、“私は大丈夫”と思っていると一気に嵐に襲われることになりかねませんので、早め早めの対策が重要です。

守り神の女性ホルモンがなくなる閉経後は、機能低下の嵐が・・・

エストロゲン(女性ホルモン)は、子宮や卵巣ばかりではなく、実は女性の体のあらゆる部分に作用しています。たとえば脳機能や自律神経、心臓や血管、皮膚、骨の健康、脂質や糖質の代謝、動脈硬化の予防などに関わっています。 エストロゲンが、脳の神経伝達物質の働きをよくしていたり、血管の老化を防いでいたりするのです。エストロゲンって偉大ですね。
そのため閉経を迎えると、生殖機能が失われるだけでなく、エストロゲンがあることで守られていた、さまざまな器官の機能低下も始まります。
  • 脳機能/自律神経・・・認知症、自律神経が乱れる
  • 心臓/血管・・・動脈硬化症、高血圧
  • 皮膚・・・肌の乾燥、腟の萎縮・乾燥による性交痛
  • 骨・・・骨粗鬆症
  • 代謝異常・・・肥満、脂質異常、糖尿病など
ざっと挙げただけでも、こんな感じです。
なかでも差し迫る課題は体重問題です。エストロゲンの分泌が停止する閉経以降に体重が増加して肥満傾向になる女性は多いのですが、実際のデータでもそれは証明されています。閉経を挟む40代から50代にかけて、BMIが著しく増加する人が増えるのです。ご存じのように、肥満はあらゆる生活習慣病の原因になります。
これを阻止するためには、プレ更年期のころから、食生活の改善や定期的な運動習慣をもつしかありません。50代以降の美と健康のために、今のうちから少しずつ生活習慣の見直しをしていきましょう。

プレ更年期には、閉経後に備えて自分のリスクを知ろう!

自分は、どんな健康リスクをもっているのか、考えたことはありますか? それを知るひとつの手がかりが、ご両親の病気歴を知ることです。いわゆる“家族歴”というものですね。 たとえばご両親のうちどちらかが、心筋梗塞や脳卒中、骨粗鬆症、がんなどの既往歴があれば注意が必要です。特にこれらの病気を若い頃に発症していた場合は、大いに用心したほうがいいかもしれません。
ご両親は、あなたがかかるかもしれない病気を、身をもって教えてくれています。 自分に起こるかも知れない健康リスクを知って、気になる症状があれば医師に相談したり、その疾患を予防するために生活習慣を見直したり、具体的なアクションを起こしていきましょう。
もしご両親が以下のような疾患にかかっていたら、今から予防・改善できることには以下のようなものがあります。
  • 高血圧・・・塩分制限、運動をする
  • 脂質異常症・・・高カロリー食や動物脂肪は控える、運動をする
  • 糖尿病・・・高カロリー食を控える、運動をする、肥満を改善する
  • 肥満・・・高カロリー食を控える、運動をする
  • 認知症・・・食事は野菜から口にし、糖質は控えめに。定期的に運動して血行を良くする。
そして、あらゆる項目に共通することとして、「喫煙はやめる」「飲酒は適量にする」があります。また、生活習慣病の予防には、伝統的な日本食がお勧めです。自分の健康リスクを知って、改善できる点は改善し、いつまでも健康でいたいですね。

プレ更年期からトライしたい4つのこと

  • 自分の健康リスクを知ろう!
     (両親は、どんな病気をしている?)
  • 喫煙習慣や偏った食生活は、改善しよう!
  • 受けられる検診は受けておこう!
  • 心配な症状は放置せず、お医者さんに相談しよう!

東大病院産婦人科 平池修

文/医療ライター 渡邉由希
イラスト/二階堂ひとみ

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