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トリコモナス腟炎(腟トリコモナス症)
トリコモナス原虫の感染により起こるもので、腟の感染症のうちでも頻度の高いものです。女性の50%は一度は感染するといわれます。
症状
症状は、黄緑色か薄い膿性のおりものが増え、しばしば腟や大小陰唇のかゆみや痛みを伴います。また、腟の粘膜や子宮頚部が赤く腫れ、性交痛や軽度の出血がみられることもあります。もし、この感染が尿道にまで広がると尿道炎や膀胱炎を起こすこともあります。感染が卵管にまで及ぶと不妊症の原因にもなります。
トリコモナス原虫の感染は、主として性行為によって起こりますが、ぬれたタオルや湿った布、トイレのシートなどからも感染することがあります。成熟女性では頻度の高い疾患で難治性のものもみられます。それはトリコモナス原虫がセックスパートナーの尿路、性器にも侵入し、これが再感染・再発の原因となるからです。女性に感染すると症状がありますが男性は一般に無症状です。
診断と治療
おりものをスライドガラスの上にとり、それを顕微鏡(400倍)で見て動き回っているトリコモナス原虫を見つけることで容易に診断できます。
治療は、普通、抗トリコモナス薬を7~10日間服用します。さらに治療の効果をあげるために10~14日間あわせて腟内に腟錠を挿入します。
妊婦がトリコモナス原虫に感染しても、胎児に影響があったり・出産のとき新生児にうつることはありません。妊婦の場合は腟錠の挿入のみで行われることもあります。
治療に際しては性行為で感染するので、セックスパートナーも経口薬を服用することが再発の予防上大切です。性行為での感染を心配される場合はコンドームを使用することもよいでしょう。また家族への感染予防のためには、下着などの洗濯を別にすることも必要です。
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