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妊娠中からの対策で防ごう「産後うつ」(1)

安藤 智子 先生

監修:安藤 智子 先生

あんどう・さとこ 筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授。臨床心理士。博士(人文科学)。2007年お茶の水女子大学人間科学研究科人間発達学専攻博士課程修了。東京慈恵会医科大学附属病院精神神経科非常勤臨床心理士などを経て、現在、埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター臨床心理士(非常勤)も務める。

妊娠・出産をきっかけに「うつ」になることは珍しくありません。妊娠中から産後の新生活を思い描き、できるだけ準備をしておけば、うつになるリスクを下げ、またうつになっても、長引かせないでしのげるでしょう。

「うつ」のサインは“楽しい”と思えなくなること

出産直後に気分が不安定になり、涙もろくなったりすることがよくあります。これは「マタニティーブルーズ(マタニティーブルー)」と呼ばれる一時的な症状です。通常は産後2~3日に症状が現れ、2週間以内で自然に回復します。

一方、「産後うつ」は、産後4週間を過ぎたころに、症状が出てきます。気分が落ち込んだり、イライラしたり、これまで好きだったものが楽しめず、時には死にたいという気持ちが出てくることもあります。思考力が落ちて考えがまとまらなくなるので、料理のメニューを考えられなくなったり、夕食の買い物を選べなくなったりするのも特徴です。また、赤ちゃんが泣いたときにどうすればよいかわからず、途方にくれることも「うつ」のサインのひとつです。

うつのサインは心と体に現れる

産後の生活を思い描き、サポーターを確保する

「うつ」をやわらげて、長引かせないための一番の方法は、人と一緒に育児をすること、人に頼ることです。里帰り出産をして自宅に戻った直後は、赤ちゃんと2人きりで1日誰とも話さなかったという日が増えるかもしれません。1人で外出することもままならず、不自由な感じがすると思います。

産後のうつには、妊娠中からの予防が大切です。まずは産後1カ月程度、できればすぐそばでサポートしてくれる家族や親類などがいないか探してみましょう。また、一緒に育児をしていく夫には、妊娠中から両親教室などに積極的に参加してもらい、パパになる自覚を高めてもらいます。分娩に立ち会ってもらうのも、「本当に大変な時に一緒にいて支えてもらった」という、得難い経験になるでしょう。その後の育児につながりますから、夫婦でその可能性を話し合ってみるのもいいでしょう。

産後に体調を崩し育児や家事が困難になってしまう前に、1日でもよいので夫や家族、地域の育児サポーターなどにうまく頼ることも必要です。育児支援の情報を得たい場合には、保健センターへ相談してみましょう。家事や育児の援助者を派遣する「産後家庭支援サービス」(※)も利用できます。自治体によっては、産前から家庭サポート事業を行うところもあります。

※名称・利用期間・料金は、自治体や所得により異なります。

おなかの赤ちゃんに話しかけている夫

胎児も25週ごろには聴覚の発達により音が聞こえるようになり、記憶も残ると言われています。妊娠中からおなかにいる赤ちゃんに話しかけてもらうと、赤ちゃんもパパの声になじむことができるでしょう。出産後も、お風呂に入れたり、家事をしたりというように、育児や家事を夫婦で一緒にできるとよいですね。しかし、中には仕事が忙しくて子育てに参加できないというパパも。たとえ手助けができなくても、「今日はどうだった?」「がんばったね」「よく面倒をみてくれてありがとう」と妻をねぎらったり感謝の気持ちを伝えたり、一日のことを聞く時間をもつことこそが、ママの心の支えとなります。

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