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えっ、治せるの!?この片頭痛をなんとかしたい!(1)

大和田 潔 先生

監修:大和田 潔 先生

おおわだ・きよし 医学博士。秋葉原駅クリニック院長。福島県立医科大学卒業後、束京医科歯科大学神経内科へ。武蔵野赤十字病院、青山病院などを経て現職。東京医科歯科大学臨床教授、総合内科専門医、神経内科専門医、日本頭痛学会専門医。

春は頭痛の季節。気象性の頭痛に加え、環境が変わる人も多く、ストレスや生活リズムの乱れによる頭痛が頻発します。そこに月経周期にまつわる頭痛も加わり、「もうイヤ!」と悲鳴を上げる女性がたくさん。今月は多くの女性が悩む “片頭痛”について、その発生メカニズムと、最新の治療情報をお届けします。

女性の片頭痛は、ライフステージごとに変化する

女性は、男性よりも片頭痛に悩みやすいという特性があります。同じ痛みのようでも、小児から更年期まで大きな変化に富むライフステージが進んでいくに従い、片頭痛の内容は変化していきます。ここでは、片頭痛に悩む女性がたどりやすい、症状の変化をご紹介します。

【初潮から14歳頃まで】

月経周期に関係した片頭痛が始まる

片頭痛は、初潮を迎える12歳頃から増加し始め、14歳ごろには“魔の14歳片頭痛”と呼びたいほど、頭痛症状の悪化が一度悪化します。これは月経周期による片頭痛に加え、友人関係や高校受験などの要因が加わるためです。メンタル面の病気を気にしながら、片頭痛の治療をすることが重要です。

【学生時代から社会人へ】

仕事は待ってくれない!鎮痛薬を多用する人も

18歳頃には片頭痛はいったん落ち着き、学生時代は月経時の片頭痛が主となり少し一段落します。
卒業して社会人になるとまた悪化。月経周期による片頭痛に加え、生活リズムの乱れ、ストレスなどによる片頭痛が加わり、「仕事を休めない!」と鎮痛薬を多用するように・・・。結果、鎮痛剤を連用する薬物乱用による片頭痛が激増していきます。

【20代後半〜40代前半】

家事、育児、仕事・・・片頭痛が悪化しやすい時期

結婚後は、自分の事だけで無く家事も増え片頭痛を悪化させる要因が増えます。しかし妊娠すると片頭痛の頻度は減少し、全く無くなる人も。つかの間の平穏が訪れます。
出産後は、授乳による睡眠の分断、ホルモンの影響により、頭痛が再発して悪化。子育て中は、旦那さんは夜遅く帰ってきて、お弁当や行事などで早起きが必要に。行事も目白押しで忙しくなると同時に、睡眠不足になりやすくなります。
月経による片頭痛も悪化しやすい年頃なので、頭痛の頻度が加速度的に増加します。片頭痛は、音や光などの外界の刺激に過敏になり、いつもはかわいい子どもの声すらも、つらく感じることも。片頭痛の頻度を減らさないと、自分を責めたり追い詰めてしまったりすることになりかねません。

【更年期、そして閉経へ】

片頭痛が去っても、頭痛に伴う症状が残る!?

閉経を迎えると片頭痛は次第に減っていきます。しかし鎮痛剤の連用を続けたまま更年期へと突入する人も多く、もともとは片頭痛の合併症だったはずの、肩こり、めまい感、不眠など、“もやもや”した症状が続く状態になります。頭痛は弱いけれど連日で、時には朝から痛むといったものに変化します。これは片頭痛に伴う症状(随伴症状)の方が「頭痛の痛みよりも目立つ状態」ともいえます。

①12歳の女の子(小学生)が、②大学生、③社会人1年目、④出産して子どもを連れている姿へと成長していくイラスト。(4つの姿を描く)

■女性に多い頭痛① 月経関連片頭痛

女性の片頭痛には、月経周期が影響

お腹を手で押さえながら、頭の痛みも訴えて辛そうにしている女性。吹き出しで「月経中の頭痛は月経痛じゃないの?」と言っている。

毎月、月経がくる前に頭がズキズキ痛くなり、月経が始まると、おなかが痛む月経痛に加えて頭も痛くなるという人が多いのではないでしょうか。これを「月経関連片頭痛」と呼びます。排卵期と月経の間、月経の前後は、エストロゲン(女性ホルモン)が減るため、片頭痛が起こりやすくなります。

月経中の頭痛は、月経痛の一種じゃない!

月経が始まると、腹痛に加えて、頭が痛くなる人が多くみられます(月経前2日ぐらいから、月経後7日ぐらいまで)。この頭痛を「痛み止めが効く生理痛(腹痛)と同類の痛み」と思い込んでいる人が多く、市販の鎮痛薬を飲み、効かなくても我慢してしまっている人がたくさんいます。
月経時の頭の痛さは立派な「片頭痛」です。痛み止めが増えてしまったり、効かなくなったり、寝込むようになったりした時には片頭痛用の薬が必要です。痛み止めが効く腹痛とは別の対処をすることが必要です。

■女性に多い頭痛② 薬物乱用片頭痛

鎮痛剤の多用は、薬物乱用頭痛を引き起こす

片頭痛がつらいからといって、育児や仕事は待ってくれません。そのため市販の鎮痛薬を飲んで、かろうじてやり過ごさざるを得ないというのもうなづけます。けれど、鎮痛剤の連用には落とし穴が。
鎮痛剤の中でも、「痛み止め+カフェイン+中枢抑制薬」が含まれる“複合解熱鎮痛薬”は、飲み始めの最初の頃は、切れ味が良い痛み止めです。長期間連用するようになると、薬切れで痛みが再発するという「薬物乱用頭痛」におちいります。飲んでも頭痛は治りにくく、かといって痛み止めを止めるともっと痛いという逃げ場の無い負のスパイラルにおちいっていきます。

薬物乱用で「脳血管と脳の異常」が加速する!

片頭痛は、脳血管の拡張と周囲の炎症が、脳の三叉神経を介して悪化する痛みといわれています。片頭痛による繰り返しの強い痛みは、脳の様々なシステムに異常をもたらします。痛み(刺激)や光や音など外界の刺激に過敏になることも良くあります。
鎮痛薬に含まれるカフェインや中枢抑制薬が途切れると、この刺激への脳の過敏性を悪化させます。鎮痛薬が効いているときには、痛みがかろうじて抑えられているものの、薬切れで痛みが出るようになります。さらに脳が痛みに過敏になると、痛み止めを多量に飲んでも効かなくなっていきます。
痛み止めも効かない、かといって止めるともっと痛い。これが薬物乱用頭痛です。鎮痛剤を月に10回以上飲んでいる人は、薬物乱用頭痛を起こしている可能性があります。

■女性に多い頭痛③ 授乳期の片頭痛

出産後のホルモンと、睡眠不足が原因

出産するとそれまでホルモンを作っていた胎盤が失われ、体内のホルモン環境が激変。子宮を収縮させ、母乳の分泌を促し、赤ちゃんへの愛情を増進するオキシトシンとプロラクチンというホルモンに主役が切り替わります。こうしたホルモン環境の変化が、片頭痛を再発・悪化させます。また2〜3時間おきの授乳でまとまった睡眠がとれず、睡眠リズムの崩れにつながることも要因のひとつです。

【コラム】どうして、春は片頭痛が起きやすいの?

春の天気は高気圧と低気圧がめまぐるしく行き交います。低気圧がやって来ると、しばらくは外部の気圧に比べて体内の気圧は高いまま。すると脳の血管が拡張したりむくんだりして周囲の神経を刺激し、片頭痛を起こします(このように天候の変化により症状が悪化することを「気象病」と呼びます)。急に冷え込むと頭痛や神経痛が悪化する人も。
毎年春になると悩まされる花粉症も、副鼻腔の炎症やヒスタミンの影響で、片頭痛を悪化させる要因になります。

次のページではいよいよ、片頭痛の治療についてご紹介します!

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