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産後の発症に気をつけて!
リウマチなど膠原病(こうげんびょう)について知ろう(1)

監修:吉田智彦 先生

今野 裕之 先生

よしだ・ともひこ 世田谷リウマチ膠原病クリニック院長。聖マリアンナ医科大学大学院修了。聖マリアンナ医科大学病院リウマチ膠原病アレルギー内科に入局し、リウマチ膠原病の診療にあたりながら、難病治療研究センターで研究に従事する。日産厚生会玉川病院、児玉経堂病院リウマチ内科などで診療後、2006年6月、東京都世田谷区に日本初のリウマチ膠原病の専門施設である「世田谷リウマチ膠原病クリニック」を開業。現在は、同院と長野県坂城町の「東信よしだ内科・リウマチ科」の2施設でリウマチ膠原病診療にあたりながら、学会、講演会、市民公開講座などを通じて、リウマチ膠原病の学術、啓蒙活動も積極的に行っている。

膠原病(こうげんびょう)とは、全身の関節や皮膚、筋肉、内臓などに炎症が見られる病気の総称で、代表的なものに関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群などがあります。出産可能な若い年代の女性に発症することも多く、決して高齢者の病気ではありません。産後に発病する人も多いことから、妊娠中と出産後の過ごし方には気をつける必要があります。予防策や早期発見のポイントなどを専門の先生に伺います。

膠原病って、どんな病気?

関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど、免疫の機能がトラブルを起こす病気の総称

膠原病(こうげんびょう)は、名前の音から高山病と勘違いする人がいますが、両者はまったく関係ありません。
膠原病とは、免疫がトラブルを起こすことで発症する病気の総称です。少し難しい言葉では、「自己免疫疾患」とも呼ばれます。
人体には、異物や病原体などが体に侵入してきた時に、異物と戦って体から排除しようとする“免疫”というシステムが備わっています。この免疫が何らかの理由で暴走し、自分の体を異物(=非自己)と見なして攻撃してしまうことで炎症などが生じます。
攻撃の標的の部位や病態の違いによって病名がつけられており、膠原病には25種類ほどの病気があるとされます。代表的な疾患には、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群などがあります。

それぞれの疾患について、簡単に教えて!

「関節リウマチ」は、免疫が“関節の滑膜・軟骨”を攻撃する

発症のピーク、男女比など

  • 30~50代
  • 男性2:女性8
  • およそ100人に1人の割合で発症
  • 国内におよそ70~100万人の患者がいるとされる

おもな症状

  • 手指、手、足、肘、膝関節の痛み
  • 手指、手、足、肘、膝関節の腫れ
  • 手のこわばり、足底の違和感
  • 関節の変形
  • 微熱、だるさが続く
  • お箸が上手く使えない、ボタンがうまくかけられないなどの症状も

「全身性エリテマトーデス」は、免疫が全身のさまざまな“臓器”を攻撃する

発症のピーク、男女比など

  • 10~40代
  • 男性1:女性9
  • およそ10万人に1人の割合で発症
  • 国内におよそ8万人の患者がいるとされる

おもな症状

  • 腎臓や中枢神経、肺、心臓などに免疫異常が起こる
  • 1週間以上続く37~38度の発熱
  • 関節が腫れて痛む
  • 倦怠感、疲労感、口内炎
  • 頬に赤い発疹が出る
    (蝶型紅斑:鼻を中心として頬に蝶が羽を広げたような紅斑が出る)
  • 脱毛(円形に抜けることが多い)

「シェーグレン症候群」は、免疫が涙腺や唾液腺など“分泌腺”を攻撃する

発症のピーク、男女比など

  • 40~60代
  • 男性1:女性14
  • およそ10万人に1人の割合で発症
  • 国内におよそ10~70万人の患者がいるとされる

おもな症状

ドライアイが治らない時はシェーグレン症候群かも

  • ドライアイ(涙が出ない、目に異物感がある)
  • 目が疲れやすい
  • 目がまぶしさを感じる
  • ドライマウス(だ液が出ない、口が渇く)
  • だ液が出にくいためむし歯になりやすい
  • 味がわかりにくい
  • 鼻が乾く
  • 関節痛
  • 皮疹
  • 倦怠感、だるさ

膠原病の原因は?どんな場合になりやすいの?

発症原因はまだよくわかっていない。
しかし、感染、紫外線、ストレス、女性ホルモンのゆらぎなどが発症のひきがねに

どうして免疫が暴走し、自分の体を攻撃してしまうのかはまだよく分かっていません。しかし膠原病の発症には、遺伝的要因(素因)に、環境的要因(外因)が加わることで発症するとされています。

発症のトリガー(ひきがね)となる外因には、「細菌やウイルスの感染」「紫外線」「ストレス」「手術や外傷」などが挙げられます。
その他の要因には「女性ホルモンのゆらぎ」があり、妊娠や出産、更年期などで女性ホルモンが大きく変動する時期に発症しやすいとされています。この要因があることで、膠原病の患者は圧倒的に女性が多いと考えられています。

性格的に、なりやすい人がいるってホント?

くよくよ悩みやすい人、几帳面すぎる人は関節リウマチになりやすいとされていたが、現代では違う捉え方も…

たとえば関節リウマチの患者さんの性格として、「くよくよしやすい」「抱えているストレスなどを発散できない」「悩みがち」「几帳面すぎる」など“リウマチ気質”というものがよく知られていました。しかしこれは、こういう性格だから病気になったというよりも、関節リウマチという痛みや腫れを伴う病気になったことで、鬱々とした気分になり、こういう性格に傾いていったと表現することもできます。
現在は効果の高い治療薬などが開発され、発症後の予後も非常によくなっています。そのため患者さんの性格も、極端ではなくフラットな方が多い印象を受けます。

SLEの患者さんは、似たタイプが多いの?

色白でぽっちゃりした美人タイプが多い印象

全身性エリテマトーデスは、患者さんに共通した外見的特徴があるのでは?と医療関係者の間では言われています。SLEの患者さんは、色白でぽっちゃりしていて、かわいらしいタイプであることが多く、SLEであることを公表しているアメリカの人気歌手、セリーナ・ゴメスさんも外見的特徴があてはまっています。

頬に赤い発疹(蝶型紅斑)が出るのもSLEの特徴

頬に赤い発疹(蝶型紅斑)が出るのもSLEの特徴

次のページでは、予防のために妊娠中や出産後に気をつけることや起きがちな初期症状、受診の仕方などについてご紹介します。

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