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女性に多い“甲状腺の病気”。
どんな症状があれば疑った方がいいの?(2)

甲状腺にトラブルがあると、どんな症状が現れるの?

甲状腺の機能が亢進しているか、低下しているかで現れる症状が異なります。

(1) 甲状腺の機能が亢進している高ぶっている)場合

甲状腺の働きが必要以上に活発になることでホルモン過剰になり、全身の代謝が高まります。
若い人は代謝が良いので、バセドウ病になるとお腹がよくすく、落ち着きがないので成績が低下する、運動をしていても記録が伸びないなどの現象が起きることがあります。

イライラ 暑がり ドキドキ

  • 首の前(甲状腺)が腫れる
    →首の腫れは比較的若い人に多い
  • 心臓がドキドキする
  • 脈が速くなる(100~120)
  • 不整脈がでることも
    →不整脈は比較的年配の人に多い
  • 手足にちからが入らない
  • 指先がふるえる
  • 暑がりになって汗をたくさんかく
  • 水をたくさん飲む
  • 微熱があるような感じがする
  • 食欲が高まり、よく食べるのにお腹が空く
  • よく食べるのに痩せてくる
    →やせる症状は年配の人に多い
  • 下痢になる
  • 疲れやすい
  • 筋力が弱くなる(物を持った時に力が入らない)
  • 腰痛になる
  • 精神的に不安定で、イライラする
  • 集中して物事が考えられない
  • 爪の先が白くなる
  • 月経の量が少なくなる
  • 月経不順、月経の周期が長くなる、無月経
  • 眼球が飛び出す(飛び出さなくても大きくなって輝いて見えたり、目つきが鋭くなる)

(1) 甲状腺の機能が低下している場合

甲状腺ホルモンが少なくなると、心身の働き全体が低下します。初期の場合は、あまり症状が出ないことも多いので注意が必要です。

声がかすれる むくみ 寒がり

  • 首の前(甲状腺)が腫れる
  • 体がなまりのように重く、だるい
  • 無気力になり、ダラダラと過ごす
  • 脳の働きが落ち、もの忘れをしがち
  • 声がかすれたようになる
  • むくむが全身に現れる
  • むくみがまぶた、唇、口の中の粘膜に現れると、顔がはれぼったい印象になるく
  • 寒がりになり、汗が少なくなる
  • 皮膚がかさかさに乾く、青白くなる
  • 白髪になる、脱毛する
  • 食欲が低下する
  • あまり食べていないのに、体重が増える
  • 便秘がちになる
  • 月経の量が増える

甲状腺の病気って、他の病気と間違われやすいの?

甲状腺のトラブルによって現れる症状の中には、他の病気の症状と間違われやすいものがたくさんあります。たとえば甲状腺機能低下症は、肝機能障害が出る場合もあり、肝臓の治療をしていてもいっこうによくならない場合があります。こうしたケースでは、背景に甲状腺の疾患がないか疑ってみることが大切です。
前項のような症状があり、婦人科や内科、心療内科などを受診しても症状が改善しない場合には、主治医に依頼して甲状腺ホルモンの値を測定したり、甲状腺の専門医を受診したりすることが大切です。

以下に、他の疾患と間違えやすい症状を挙げています。

更年期障害」と間違われやすい症状

  • のぼせ、多汗(バセドウ病)
  • 皮膚がかさかさ(甲状腺機能低下症)
  • 無気力(甲状腺機能低下症)
  • 月経不順/量が増える(甲状腺機能低下症)
  • 動悸がする、脈が速くなる(バセドウ病)

うつ病」と間違われやすい症状

  • 気持ちがふさぐ(甲状腺機能低下症)

認知症」と間違われやすい症状

  • 頭の働きが低下する(甲状腺機能低下症)
  • 記憶力が低下する/もの忘れをする(甲状腺機能低下症)

最近もの忘れが激しいけど認知症?

躁うつ病」や「精神疾患」と間違われやすい症状

  • 興奮しやすい(バセドウ病)
  • すぐにイライラする(バセドウ病)

糖尿病」と間違われやすい症状

  • 血糖値が上がる(バセドウ病)
  • 尿から糖が出てやせる(バセドウ病)

貧血」と間違われやすい症状

  • 爪の変形/スプーン爪(甲状腺機能低下症)
  • 疲れやすい(甲状腺機能低下症)
  • 皮膚が青白くなる(甲状腺機能低下症)

妊娠・出産には影響がないの?

甲状腺の病気があっても、ちゃんと治療をしていれば心配いらない

<不妊について>

“甲状腺の病気になると子どもができにくいのでは?”と誤解をしている人がたくさんいます。もし甲状腺の病気があっても、ちゃんと治療を受けて甲状腺ホルモンの濃度が正常に保たれていれば、不妊の原因になることはありません。

 

<流・早産について>

甲状腺ホルモンの値がとても高くなったり、低くなったりしている場合は、たしかに流・早産のリスクは高まります。しかし適切に薬を使用し、ホルモンの状態が安定していれば、健康の人とかわらず出産することが可能です。
甲状腺の機能が亢進している(バセドウ病)の場合は、妊娠すると4〜5カ月頃に症状が軽くなり、薬の服用を中止できる場合があります。

日常生活で気をつけることは?

機能亢進症(バセドウ病など)の場合は、きちんと食事を摂り、海藻類は控える

甲状腺機能が亢進している場合、代謝の作用が過剰になるので、エネルギー省上皮が過剰なため食べても、食べても太りません。また、たくさん汗をかきます。
そのため、3度の食事をきちんと摂り、水分補給は十分にします。
また甲状腺ホルモンの材料となる、ヨウ素がたくさん含まれている海藻類は食べるのを控えた方が良いとされています。

機能低下症(橋本病など)の場合は、カロリーのとりすぎに気をつける

甲状腺ホルモンの分泌が低下している場合は、海藻類をたくさん食べればいいかというとそうではありません。日本の食生活では海藻類は頻繁に食べますし、もしあまり食べなくても汁物や麺つゆなどの昆布ダシからヨウ素は摂れますから、不足することはまずありません。過剰に摂取するとかえって悪影響を及ぼすこともありますので、意識してたくさん海藻類を食べる必要はありません。
また機能低下症は代謝が低くなるので、あまり量を食べなくても太りやすくなります。カロリーは控えめにして、バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。また便秘がちになる人も多いので、食物繊維を摂ることも大切です。

もし受診する場合は、何科を受診すればいいの?

内科、もしくは内分泌代謝の専門医へ

もし甲状腺の病気を疑う場合は、内科、もしくは内分泌・代謝を扱う科を受診してください。
内分泌代謝の専門医の中には、糖尿病を専門にしている医師も多いですから、甲状腺の専門医は、以下の日本甲状腺学会のホームページより検索することができます。

日本甲状腺学会・認定専門医一覧

治療について簡単に教えて!

甲状腺機能低下症の場合は、薬を服用。亢進症の場合は3種類の治療方法が

まず甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモンが足りない訳ですのでお薬で補います。
一方の亢進症の場合は、抗甲状腺薬というお薬を服用する治療が最も多く採用されています。その他には、放射性ヨウ素(アイソトープ)による治療、手術療法などがあります。

あなたの思い込みは都市伝説かも?
甲状腺疾患 <ホント・ウソQ&A>

Q.甲状腺の病気がある場合、フッ素入りの歯磨きや水道水を摂取しないほうがいいってホント?

A.ウソです。動物実験により調査した研究では、フッ素を摂取することで甲状腺機能が亢進したり、低下したりという報告はありません。

Q.親に甲状腺疾患がある場合、子どもには海藻類を食べさせない方がいいってホント?

A.ウソです。こういう問題を考える時には、リスクとベネフィット(利益)を両方考えることが大切です。
海藻類には子どもの成長には欠かせないミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。他方で、お子さんに甲状腺疾患があるかどうかは検査をすればわかりますから、もし何らかの甲状腺疾患が見つかった場合、海藻類の摂取を控えたほうが良いケースもあります。
疾患の有無を調べず、やみくもに海藻類を食べさせないのはオススメしません。

教えてDr. !

昨年12月に橋本病が発覚しました。
親族に甲状腺の病気の人はいなかったので驚きました。甲状腺ホルモン値は正常で抗サイログロブリン抗体が高いので経過観察中です。

そして今周期は排卵日以降から甲状腺がチクチクし、体もだるくて橋本病が悪化してきたのかなあと思っていたところ、妊娠検査薬で陽性。今は妊娠5w1dです。

甲状腺ホルモンが不足すると赤ちゃんに障害が出たり、流産の危険があったりするから「妊娠したらすぐ連絡するように」と言われていたので、明日甲状腺を診てもらう予定ですがいろいろ不安です。

妊娠を安全に継続するには、健康な人と同じく、特に妊娠初期の流産に注意をする必要があります。橋本病の場合は、甲状腺機能が低下している場合があるので、薬(甲状腺ホルモン剤)を適切に服用し甲状腺機能を正常に保っていれば流・早産を防いで妊娠を安全に継続することができます。
またお子さんの知能や発育も、お母さんがきちんとお薬を服用していれば問題ありません。
日本ではすべての新生児に対し、甲状腺機能のスクリーニング検査が行われます。万が一赤ちゃんの甲状腺の機能低下がみつかった場合、そのまま放っておくと、知能や発育が遅れる恐れがありますので、出生後すぐに治療を開始します。治療をちゃんと受ければ、知能や発育が遅れることはほとんどありませんので安心してください。

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