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梅毒の感染者が急増中!
正しく知って、自分と子どもを感染から守ろう(1)

監修:忽那 賢志 先生

忽那 賢志 先生

くつな・さとし 独立行政法人国立国際医療研究センター・国際感染症センター勤務。2004年、山口大学医学部医学科卒。関門医療センター、市立奈良病院などを経て、2012年から国立国際医療研究センター・国際感染症センターに勤務。テレビや雑誌、インターネットなどのメディアなどで、感染症についての啓発活動を積極的に行っている。趣味はお寺巡りとダニ収集。

梅毒の感染者が急増しています。一般の人への感染も広がっており、“夫としか性交渉を持たないから関係ない”“妊娠初期に検査したから私は大丈夫”などと、楽観視できない状況になっています。20~40代の妊娠・育児期の女性が知っておいたほうがいい、梅毒についての最新情報を特集します。

梅毒の感染者は、本当に急増しているの?

過去5年で感染者は5.5倍に!一般人への感染も広がっている

国立感染症研究所が発表したデータによると、2011年から患者数が急増。2016年までの5年間で梅毒の感染者数は5.5倍になっています。2016年には、42年ぶりに患者数が4000人の大台を突破しています。
以前は、同性間での性的接触による感染が多かったのですが、現在は異性間&一般の人の間での感染が広がっており、“自分には関係のないこと”と無視できない状況下にあります。

年別報告数推移(東京都・過去10年)

年別報告数推移(東京都・過去10年)

※グラフ(図版)は東京都感染症情報センターのHPより引用
こちらは東京都のデータですが、都市部だけでなく全国的に感染者数は増加しています。

梅毒の感染に気づかない人も多いってホント?

患者自体が感染に気づきにくい、医師も見逃しやすいという特徴が

感染者数の増加の背景には、純粋に感染者が増えたことに加え、今まで感染に気づいていなかった人が確定診断を受けたことにより増加しているのでは?とも考えられています。
その理由としては、まず患者さん自体が、梅毒の感染に気づきにくいということがあります。多くの場合、梅毒に感染すると2~3週間後に、陰部に潰瘍ができます。しかし観察しにくい部位であることに加え、痛みがほとんどないことから気づかないまま過ごしている人がたくさんいます。
また医療者の側の理由としては、梅毒を実際に診療したことがない医師が多いため、見逃してしまっている例がたくさんあると考えられています。

梅毒に感染すると、どのように進行するの?

潜伏期は3週間程度。最初は陰部に潰瘍が現れ、しばらくすると症状は消えて次の段間へ

梅毒トレポネーマという細菌に感染すると3週間程度の潜伏期間を経て、以下のような症状が起きてきます。

<早期梅毒 第1期;感染後およそ3週間後>

またヘルペスができちゃった

感染して3週間程度経つと、梅毒が感染(進入)した部位(性器周辺や口腔周辺)に、大豆つぶ大のしこりができます。このしこりがつぶれると潰瘍のような状態になりますが、痛みはほとんどありません。この症状は無治療でも数週間で消失します(梅毒が治ったわけではありません)。

<早期梅毒 第2期;症状消失後およそ4~10週間後>

第1期の症状が一旦消失した後、4~10週間の潜伏期間を経て、手足や足裏を含む全身に紅いぶつぶつが現れます。発熱や倦怠感などの全身症状に加え、泌尿器や中枢神経、筋骨格などにさまざまな症状が生じます。第1期と同じく、無治療でも数週間~数カ月で症状は消失します(梅毒が治ったわけではありません)。

無治療で放置しておくと多くの場合、数年から数十年の潜伏状態(後期潜伏梅毒)を経て、中枢神経系が冒されてさまざまな症状が起きる神経梅毒に進展していきます。

梅毒は、どんなルートで感染するの?予防はどうしたらいいの?

性交渉により粘膜と粘膜が接触することで感染する

感染ルートのほとんどは、性交渉をした際の粘膜接触です。性器と性器だけでなく、性器と口、口と口などのオーラルセックスによる粘膜接触、皮膚の傷への接触などでも感染します。感染力は30%程度で、比較的強めとされています。
またお風呂や温泉での感染を心配する方も多いですが、梅毒の場合は可能性は極めて低いと考えて良いでしょう(淋病はお風呂でも感染する可能性があります)。

粘膜同士の接触を避ける。コンドームは“最初から” “オーラルセックスでも”装着を

予防するためには、粘膜同士の接触を避けることがもっとも大切で、セックスをする場合には最初から装着すること、オーラルセックスをする場合にもコンドームを使用することが大切です。
しかしながら、コンドームを適切に使用したとしても完全に予防することはできません。予防することが難しいことから、感染が広がっているという現状があります。

コンドームをつけても完全に予防できないんだ…

次のページでは、梅毒にかかってしまった場合の治療法や、妊娠・出産との関係などについて詳しくご紹介します。

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