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健康カレンダー

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夜用や長時間用を3日も使っていたら“過多月経”かも。
ガマンせず病院へ!(1)

毎月の生理の量が多くても、他人と比べたり、話をする機会もほとんどないため、2~3日がまんしてやりすごしてしまっている人が多いのではないでしょうか。どういう状態だと過多月経を疑うべきか、どんな病気が隠れている可能性があるかなどを特集します。また婦人科で異常がないと言われても、血液の固まりやすさ(凝固機能)に異常があり、過多月経を生じている場合もあります。2ページ目では、血が止まりにくいことによる過多月経ついても解説していきます。

監修:甲賀 かをり 先生

甲賀かをり 先生

こうが・かをり 東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座准教授。千葉大学医学部卒業。三井記念病院産婦人科、国立霞ヶ浦病院産婦人科、武蔵野赤十字病院産婦人科を経て、豪州プリンスヘンリー研究所・米国イエール大学留学。2014年より現職。女性のQOLと妊孕性を損なう子宮内膜症についても造詣が深く、JECIE(日本内膜症啓発会議)の副実行委員長も務める。

子宮内膜症情報ステーション

★婦人科領域からみた過多月経

どんな状態だと、生理の量が多いと判断できるの?

ナプキンの夜用や長時間用を3日間も使っていたり、
普通サイズが1時間ももたないような場合は、過多月経かも

チェックリストに1つでもあてはまれば、過多月経が疑われます。

  • 夜用や長時間用のナプキンを3日以上使っている
  • 夜用や長時間用のナプキンが2時間もたない
  • 普通サイズのナプキンが1時間もたない
  • タンポンを使用すると1時間程度で漏れてきてしまう
  • タンポンとナプキンを併用しないと心配
  • レバー状の経血が出る
  • 徐々に生理の量が増えてきている
  • 健康診断で「貧血」だと指摘された

昼でも夜用を使っていたんだけど普通じゃなかったのね

生理の量について、女性同士でも話すことはほとんどないため、どうしても自分の状態を客観的に見ることは少ないかもしれません。しかし、上記の項目にあてはまる場合は、明らかに一般的な経血の量より多いことが考えられ、婦人科の受診が必要です。

レバー状の経血は、量が多い証拠

また「どうしてレバー状のかたまりが出ることが、過多月経と関係あるの?」と思うかもしれませんが、経血の量が多いと血液を固めないための因子(つまり血液をサラサラに保つ因子)が間に合わず、固まってしまうのです。つまり、レバー状の経血が出ること=生理の量が多い、ということにほかなりません。

そしてタンポンの使用だけでは間に合わず、ナプキンを併用しないといけない場合も経血量が多い可能性があります。本来、タンポンだけで間に合うように設計されているのに、それでは間に合わないのは過多月経の可能性があります。例を挙げると、コンタクトレンズと眼鏡を併用しているようなイメージかもしれません。

生理の量が、徐々に増えている場合も要注意

また年々、生理の量が増えているような場合、“歳だから”“そろそろ更年期だから”などと考えてしまいがちですが、年齢を重ねたからと言って経血の量が増えることはありません。何か疾患が隠れているかもしれませんので早めに受診することが大切です。

過多月経がある場合、どんな病気が考えられるの?

子宮腺筋症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどが考えられる

30~40代の過多月経の原因として多いのは、子宮腺筋症(せんきんしょう)、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどがあります。これらのような病気があるために過多月経が起こっているものを、器質的過多月経と呼びます。

■子宮腺筋症

子宮内膜(生理の時に剥がれ落ちる部分)によく似た組織が、子宮の筋層内にできてしまう病気です。子宮内膜症の場合は子宮以外の場所(ダグラス窩や卵巣・卵管など)に組織ができ増殖しますが、子宮腺筋症は子宮にできるという違いがあります。酷い生理痛を伴うことが多いのも特徴です。

■子宮筋腫

子宮を形作る筋肉の壁にできる良性のコブで、特に粘膜下筋腫のタイプで過多月経が起こりやすいといわれています。

★子宮筋腫について詳しくはこちら

その他、ポリープや子宮体がんがある場合も、過多月経の原因になるとされています。

婦人科検診を毎年受けているけど、問題なしと言われました

婦人科検診=ほとんどの場合、子宮頸がんを調べるもの。
過多月経がある場合は、検診ではなく婦人科をちゃんと受診して!

「年に1回、必ず婦人科検診を受けているから私は大丈夫」と考えている人は多いかもしれませんが、企業や自治体などで行われる婦人科検診は、主に子宮頸がんの有無を調べるためのもの。もし仮に、経腟超音波検査などをしていたとしても、子宮筋腫やポリープ、子宮腺筋症などを見つけるためには行っていません。
また小さい病変は、検診時の簡単な検査では見つけることは難しいのが現状です。
もし過多月経の症状がある場合は、必ず、婦人科を受診し、「過多月経の症状があるので診てください」と医師に伝えて診てもらいましょう。

過多月経の治療法にはどんなものがあるの?

薬物療法と外科療法がある。
症状や年齢、ご本人の希望などにより治療方法を選択する

過多月経と、その原因となっている子宮腺筋症や子宮筋腫などの治療には、低用量ピルなどを使用する薬物療法と、手術などをする外科療法があります。

■薬物療法

・低用量ピル(卵胞ホルモン黄体ホルモン混合剤)
卵巣ホルモンの分泌を抑えることで、排卵と子宮内膜の増殖を抑制。そのため経血量も減少させることができます。おおむね40代前半まで用いられます。

・子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)
子宮内に小さな器具を挿入し、黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出するシステムのこと。黄体ホルモンが子宮内膜に作用して、経血量を減少させることができます。一度挿入すると、5年間効果が持続します。また血栓症発症のリスクを高めないので40代以降でも安心して使用できます。
2014年より、過多月経と月経困難症に対して保険適用となりました。

★ミレーナについて詳しくはこちら

・トラネキサム酸(トランサミン)
トラネキサム酸って美白の薬?と思われるかもしれませんが、トラネキサム酸には止血の効果があり、子宮内膜の止血機構の異常を改善することができます。

■外科療法

・子宮内膜焼灼術(MEA;マイクロ波子宮内膜アブレーション)
子宮内からマイクロ波を子宮内膜へ照射して、内膜を壊死させる治療法です。治療後は出血量が激減します。MEAは子宮摘出術の代替療法として行われるようになりました。お子さんをもう望まない場合に適用となります。

診察の結果、“特に問題なし”と言われて帰されちゃいました…泣

「○○という治療法があると聞いたんですけど・・・」とドクターに伝えてみよう

もう子どもを望まないので、過多月経にはミレーナがいいって聞いたんですが…

過多月経の治療方法は、最新の診療ガイドラインにも明記されています。しかしながら、医師の中には疾患(原因)が見つからない場合、必要な対処法を行わずに患者さんを帰してしまう場合もあります。
しかし原因のみつからない過多月経であっても(機能性過多月経といいます)、対処法はちゃんとあります。
このページの記事を読んだり、ネットで情報を得たりして、診察を受ける前に情報を得ておきましょう! つまり丸腰で受診をしないことが大切です。「低用量ピルは使えますか?」「ミレーナがいいって聞いたんですが」など、医師と一緒に治療方法を探していくというスタンスで受診をしてみてください。

女性の貧血の原因は、過多月経が多いってホント?

若い女性の貧血は、ほとんどが過多月経が原因。
まずは蛇口を締めることが大切!

貧血と分かると、内科で鉄剤を処方され、しばらく服用して改善されたので終わり!としてしまっている人が多いかもしれません。

若い女性の貧血の原因は、8割が過多月経だといわれています。若い人の場合、鉄剤を服用することで一時的に症状は改善することが多いですが、蛇口(過多月経)を締めないと、貧血は治らず、繰り返すことになります。

健康診断で貧血を指摘されたら、必ず婦人科も受診して、過多月経ではないか、その背後に病気が隠れていないかをチェックしてください。
またもともと血液が薄い(ヘモグロビン値が低い)と、過多月経によって血液が失われても、自覚症状にとぼしい場合もあります。過多月経の自覚症状がある場合には、貧血がないか、血液のチェックもしてみてください。

★貧血について詳しくはこちら

次のページでは、過多月経について婦人科で異常なしと言われたが、実は子どもの頃から鼻血や抜歯後の血が止まりにくい、初潮の頃から生理の量が多かったなどの症状がある場合の原因について詳しく解説します。

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