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健康カレンダー

毎日が忙しく健康に気が回らない方に役立つ簡単な健康維持の情報や、いつも健康に気を使っている方でも知らなかった健康のコツなど、生活の中で役立つ健康情報をご紹介します!

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寝ても疲れがとれない…。
どう睡眠を改善すればいいのか教えて!(1)

監修:白濱龍太郎 先生

白濱龍太郎 先生

しらはま・りゅうたろう 「RESM新横浜」院長。筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大学附属病院を経て、2013年に「RESM新横浜」を開設。“病気を予防し、健康で幸せな人生を送るために”との観点から、睡眠の重要性を説いている。『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』など著書多数。

育児や仕事に追われる30~40代の女性には、「睡眠時間が足りない」「朝起きたときにすっきり感がない」「眠りが浅くて何度も目が覚める」など睡眠にまつわる悩みを抱える人は大勢います。どうしたら良い睡眠をとることができるのか、専門の先生に伺います。

そもそも、睡眠の目的って何?

疲れた脳をリセットし、細胞レベルの傷を修復する

睡眠の目的は体を休めることに加え、昼間にフル稼働した脳をリセットすることがあります。記憶を定着・再構成する、神経細胞を修復する、認知機能を再生するなど、眠っている間は脳のメンテナンスを行っています。
また皮膚や内臓などの器官も、睡眠中に細胞に出来た傷の修復を行っています。

睡眠の質って、どう決まるの?

入眠後のおよそ4時間以内に、深い眠りがとれているかが睡眠の質を決める

眠りには、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2タイプがあり、およそ90~120分おきに繰り返していると言われます。
「レム睡眠」のときは、体は休んでいますが脳は活発に情報処理をしています。
「ノンレム睡眠」は体と脳の両方が休んでいます。ノンレム睡眠は眠りの深さによって3段階に分かれ、いちばん深い眠りを徐波(じょは)睡眠といいます。実はこの徐波睡眠がとても大切で、入眠後の4時間以内に、徐波睡眠がとれているかが睡眠の質を左右します。つまり入眠後4時間以内に徐波睡眠がとれていないと、翌日まで疲れが残ってしまう可能性が高くなります。

認知症の予防には、深い睡眠(徐波睡眠)が必要

えっ、なんで認知症の予防に睡眠が関係するの?と思われた人は多いかもしれません。アルツハイマー型認知症には、アミロイドβというたんぱく質の脳への蓄積が関係しているのでは…とされています。
このアミロイドβは深い眠りをとっている間に脳脊髄液中に排出されることがわかっています。アミロイドβは20代頃から作られているのですが、若い頃は深い睡眠(徐波睡眠)をとれていることが多く、しっかり排出されているので蓄積が進みません。しかし睡眠の質が落ち始める40代頃から、脳内への蓄積が進みやすくなるとされています。
認知症を予防するためにも、深い眠り(徐波睡眠)をとることがとても重要なのです。

深い睡眠は、認知症予防にも

睡眠が足りているか、どうしたらわかるの?

翌日、日中に眠たくないか?ケアレスミスが多くないか?

翌日の日中、仕事や家事のパフォーマンスが高く保てているかがバロメーターになります。つまり、日中に眠気を感じる、仕事や家事があまりはかどらない、ケアレスミスが続いてしまう、集中力が低下している、会議中につい眠ってしまうなどの状態がみられたら、睡眠が足りてない可能性があります。
一方で、誰にとってもお昼の1~3時頃は眠気を覚えやすい時間帯ですので、この時間帯が眠くてもあまり心配はいりません。

必要な睡眠時間って、年代別に変わるの?

年代別に、必要な睡眠時間は異なる
歳をとると睡眠時間は短くなる傾向が

“若い頃はすごくよく寝ていたけど、最近はあまり長く眠れなくて…”と感じる人は多いのではないでしょうか。実は年代によって、必要な睡眠時間は異なります。

  • 6~13歳…9~11時間程度
  • 14~17歳…8~10時間程度
  • 18~64歳…7~9時間程度
  • 65歳以上…7~8時間程度

(全米睡眠財団調べ)

年をとるに従い必要な睡眠時間は短くなっていきます。
また何時頃眠くなって、何時頃起きるかという睡眠相も、ウィメンズパーク世代と、祖父母世代や子ども世代とは異なります。お年寄りが早起きというのは、睡眠時間が短い&睡眠の時間帯の変化(睡眠相の移動)によるものなのです。

仕事に、家事に、育児に…眠る時間が確保できません!

睡眠には絶対量が必要!いちばん削ってはいけないのが睡眠

女性は家事や育児、仕事など何役もこなしていることが多く、睡眠の質うんぬんの前に、絶対量(睡眠時間そのもの)が不足しがちです。やらなければいけないことが山積みなのはわかりますが、睡眠が足りていないと、判断力や体の反応速度、状況の把握能力、記憶力、コミュニケーション能力などあらゆる力が、2~5割程度低下するとされています。
また睡眠不足だと、自律神経や免疫力、内分泌、血流や血圧などあらゆる部分にも影響が及びます。
どのくらい眠ればいいのかは人それぞれです。しかし睡眠が足りてない、疲れがとれないと感じている場合、まずはあと1時間多く眠れるよう工夫してみましょう。
1時間程度なら、眠る前のSNSやゲーム、テレビなど、なにかを削れば必ず捻出できるのではないでしょうか。

睡眠の負債(借金)は返せるけど、貯蓄はできない!

最近、睡眠負債という言葉をよく耳にします。睡眠不足が負債(借金)のように積み上がっている状態を指しています。
たとえば、今週1週間はとても忙しくて睡眠の負債が積み上がっている場合、週末にゆっくり眠ることで借金の返済は可能です。また「今日は早く寝る!」と決めて、早寝することで負債を返すこともできます。
しかし「来週は忙しいから土日にしっかり寝ておこう!」と寝だめをしても、睡眠の貯蓄はできません。あらかじめ寝だめをしておいても、翌週睡眠不足が続けば寝だめの甲斐なく疲れてしまいます。
睡眠不足が続いている場合は、1週間のスパンで負債を解消することが大切です。

睡眠負債は1週間単位で解消しよう

生理前や生理中は、あまり眠れないんですけど、どうしたらいいの?

ストレッチやアロマなど生理前後の時期の対策をする

女性は高温期(黄体期)になると、どうしても眠りが浅くなりがちです。ストレッチやリラックスできるアロマオイルなど、“こうすれば眠りにつきやすい”という自分なりの対策をもっておくといいかもしれません。
またあまりに眠りが浅い場合は、医師に相談して、生理前後のみ、薬を服用してもいいかもしれません。

次のページでは、日常の中ですぐにできる睡眠の改善方法をご紹介します!

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