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大事なことだから、今から考えておきたい!考えよう!親とのこと

酸素を供給する働きをもつ血液中の赤血球や、その中に含まれるヘモグロビンが減少し、体が酸素不足になるのが貧血です。血中のヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血と診断されます。体が酸素不足になると、動悸、息切れ、倦怠感、頭痛、爪の異常などさまざまな症状が起こります。とくに女性に多く、10人に1人が貧血ともいわれています。
日常生活から考えられる原因
1. 偏食やダイエットによる良質なたんぱく質、鉄、ビタミンC不足
体中に酸素を運ぶヘモグロビンは、鉄を含むたんぱく質です。鉄分が不足するとヘモグロビンがうまくつくられなくなり、貧血を引き起こします。また、鉄分の吸収を助けるビタミンCが不足することも貧血の原因になります。良質なたんぱく質や鉄分、ビタミンCの不足は偏食やダイエットによるもので、これが若い女性の貧血を助長する原因のほとんどをしめるといわれています。
2. 妊娠、出産、授乳による母体の鉄分不足
妊娠によって、体内の鉄分は優先的に胎児の発育や胎盤の機能維持に使われますので、妊娠中は貧血を起こしやすくなります。また、授乳期になると赤ちゃんに必要な鉄分は母乳から補給するようになります。そのため、母体に鉄分が不足し、貧血を引き起こすことがあります。産前産後の貧血は、母体にも胎児にも悪影響を与えるので、食生活や鉄剤で早めに改善する必要があります。
3. 生理による出血
通常、生理期間中の出血は約25~60mlといわれ、健康な女性であれば貧血になることはありません。しかし、無理な減量や偏食をしていると、この程度の出血でも貧血を引き起こすことがあります。
4. 継続的な出血と疾患が原因となる貧血
少量の出血でも、それが長く続いて貧血が進行しているケースも少なくありません。主な疾患は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど消化器の疾患や痔核(イボ痔)などです。女性の場合、子宮筋腫や子宮内膜症が原因で起こる過多月経や不正出血も貧血を引き起こします。また、食事から摂取した鉄やビタミンなどの栄養を吸収する胃腸に障害があったり、血液をつくり出す造血の機能に障害が起こると、貧血症状があらわれます。
貧血の症状
1. 顔色が黄色っぽくなり、動悸や息切れが起こる
血液の赤みの源であるヘモグロビンが減ると、顔色が黄色っぽいくすんだ色になり、爪の色も白っぽくなります。また、貧血は体中の酸素が不足した状態です。そのため、動悸や息切れ、めまいや頭痛、全身の倦怠感、疲れがとれにくいなどさまざまな症状があらわれます。さらに悪化すると、爪の中央がへこんでスプーンのようになったり、失神するなどの症状が起こることもあります。
貧血を引き起こす疾患
1. 鉄欠乏性貧血
貧血の中で最も多い疾患です。体に必要な鉄分が不足するために起こります。鉄分の足りない偏った食生活が続いたり、胃潰瘍などの胃腸疾患の出血でも起こります。鉄欠乏性貧血は圧倒的に女性に多いですが、それには無理なダイエットや、生理が大きく関係しています。主な症状として全身の倦怠感や頭痛、めまいや息切れなどがあらわれます。また、唇や爪の色が青白くなったり、爪が反りかえってスプーンのようになることもあります。
2. 巨赤芽球性貧血
正常な血液をつくるために必要なビタミンB12や葉酸が不足して起こる貧血です。胃の切除手術を受けていたり、胃炎が進行して胃が委縮しているとこれらの栄養素が吸収できなくなります。また、妊娠やアルコール中毒、末期がんなどによってもビタミンが大量に消費されて、巨赤芽球性貧血を引き起こすことがあります。全身の倦怠感やめまいなど貧血の症状の他にも、足のしびれや知覚麻痺、食欲不振、下痢などが生じます。
3. 再生不良性貧血
骨髄にある、血液をつくるための造血幹細胞に障害をきたし、赤血球や白血球、血小板のいずれも不足してしまう難病です。動悸、息切れ、倦怠感などの貧血症状の他に、白血球の減少によって体の抵抗力が低下し、気管支炎や肺炎などの感染症にかかりやすくなったり、血小板の減少によって血液が固まりにくくなり、出血が止まらなくなるなどの症状があらわれます。
4. 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性鎮痛剤、ストレスなどが主な原因で起こると考えられています。強い胃酸と消化酵素によって胃や十二指腸の粘膜が局所的に欠損する疾患です。胃潰瘍は食事中から食後にかけてみぞおち周辺に重苦しい痛みが起こりますが、十二指腸潰瘍は早朝や空腹時にみぞおち周辺がシクシクと痛み、食事をとると治まるのが特徴です。潰瘍が悪化すると出血をきたして吐血や下血を起こし、それにともない貧血が起こることがあります。
5. 胃がん
胃がんは、初期はまったくといっていいほど自覚症状がありません。しかし、さらに胃がんが進み、黒褐色の吐血や下血によって大量な出血が起こるようになると、貧血症状があらわれてきます。このような慢性的な出血から、貧血をよく起こす疾患といわれています。みぞおちの痛みや膨満感、食欲不振、吐き気が出てきたころには症状が進行している場合が多いのです。
6. 子宮筋腫
子宮にできる良性の腫瘍で、30~40歳代の女性5人に1人は筋腫があるといわれています。初期の自覚症状はほとんどありませんが、筋腫が大きくなると生理痛が強くなり、経血の増加や期間の長期化がみられ、貧血やめまい、立ちくらみなどを引き起こします。また、筋腫による周囲の臓器の圧迫などによって、頻尿、排尿や排便時の痛み、腰痛などを起こすこともあります。不妊や流産の原因にもなります。
7. 子宮内膜症
本来子宮の内側にしか存在しない子宮内膜に似た細胞組織が、卵管、骨盤腹膜、直腸の表面など、さまざまな臓器に発生する疾患です。最近は10~20歳代の若い世代にも多くみられます。激しい生理痛や下腹部痛が特徴ですが、さらに腰痛や性交痛、排便時の肛門の奥の痛み、生理時の大量出血による貧血、吐き気、嘔吐などの症状がみられます。
8. 慢性腎不全
慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症が進行し、慢性腎不全になると吐き気、皮膚のかゆみ、頭が重い、貧血、食欲不振といった症状があらわれます。また、腎臓でつくられる、赤血球をつくり出すためのホルモンが欠乏して貧血が起こります。腎臓の機能が極度に低下すると、尿毒症を引き起こし、尿量が極端に減り、体がひどくむくみ、嘔吐、不眠、意識障害など、全身にさまざまな症状があらわれます。
9. 白血病
骨髄で異常な白血球細胞が増殖し、正常な白血球をつくることができなくなる疾患です。異常な白血球細胞が増えるために、正常な赤血球や血を止める血小板も減少し、出血しやすくなり、動悸や息切れをともなった極度な貧血症状を引き起こすことがあります。また、正常な白血球の減少によって免疫力が低下し、呼吸器をはじめとするさまざまな感染症にかかりやすくなります。
10. 多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は、免疫機能を持つ形質細胞というリンパ球ががん化して骨髄中に増える疾患です。全身の倦怠感や腰痛などの症状の他に、造血機能に障害をきたすために貧血が起きたり、体の抵抗力が低下して呼吸器系の感染症にかかりやすくなります。また、がん化した細胞が近くの骨をおかすので骨がもろくなり、ちょっとしたはずみで腰椎骨の圧迫骨折を起こし、腰や背中に痛みが出ます。
日常生活でできる予防法
1. 10代はたんぱく質、鉄分、ビタミンCを積極的にとる
10代前半は、成長期のために全身で鉄が必要になります。とくに女子は生理も始まり、鉄が不足しがちです。朝昼晩、1日3食をきちんと食べ、鉄分を豊富に含むレバー、ひじきや煮干し、ほうれんそうや、血や肉をつくる肉類、魚介類、卵、乳製品、大豆製品などのたんぱく質を意識してとりましょう。また、鉄分の吸収を助けるビタミンCもしっかりと摂取しましょう。
2. 20代は栄養バランスに気をつける
働くようになると、日々の忙しさにかまけて、朝食を抜いたり外食やインスタント食品ですますことが多くなります。たんぱく質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミンの栄養素をバランス良く組み合わせた食事をとるように心がけましょう。忙しい朝は、レンジで温めた温野菜やフルーツを入れたヨーグルトなど、手軽なものでもいいので、必ず食べるようにしましょう。
3. 妊娠中は2人分の鉄分をとり、葉酸も多めにとる
妊娠したら、赤ちゃんの発育と母体に必要な2人分の鉄分を確保できるように、いままで以上に食事に気を配る必要があります。鉄分、たんぱく質、ビタミンCを十分にとるとともに、栄養全般のバランスにも気をつけましょう。とくに妊娠中は葉酸が不足しがちなので、注意しましょう。つわりで食が進まないときは、酸味を効かせるなどの工夫をしたり、少量ずつ1日4~5食にわけて食べてみるといいでしょう。
対処法
1. 食生活を改善する
貧血の多くは、偏った食生活が原因です。たんぱく質、鉄分、鉄分の吸収を助けるビタミンCを中心に、バランスの良い食生活を心がけましょう。また、鉄製の鍋やフライパンを使うことも、鉄分補給の助けになります。
2. 市販の薬を使う
一人暮らしをしていたり、仕事などで忙しい毎日を送っていると、食事だけでは必要な栄養素がとれないことも多いことでしょう。そんなときは、市販の鉄剤やビタミン剤の助けを借りることも一つの方法です。
3. 病院で診察を受ける
貧血が続いてつらいときは、主治医や内科医の診察を受けましょう。女性は婦人科も受診の対象になります。また、男性は女性に比べて貧血を起こしにくい体質にも関わらず、貧血が続くようなときは、痔による出血などの疾患の二次的症状や、重篤な疾患が考えられますので、早急に受診しましょう。
鉄分を効率良くとるには
ほうれん草や小松菜、豆類などの野菜に含まれる鉄分は非ヘム鉄といい、体への吸収率は1~6%と非常に少ないのです。一方肉類に含まれているヘム鉄の吸収率は10~20%と、大きな差があります。そのため、鉄分を効率良く摂取するには、(1)ヘム鉄をとる、(2)非ヘム鉄をとるときは、鉄分の吸収を助けるじゃがいも、ブロッコリー、グレープフルーツなどのビタミンCやクエン酸を一緒にとることが大切です。ヘム鉄をとるにはレバーが一番ですが、苦手だという人は牛肉やかつお、いわしなどからとるといいでしょう。

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