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2017.01.25

セカンドオピニオンを受ける前に

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最近、セカンドオピニオンという言葉が浸透してきました。「どのような時にセカンドオピニオンを受けるべきか」や、「注意すべき点」などについて、緩和ケア認定看護師/訪問看護師の落合 実先生にアドバイスしていただきました。
目的を明確にしましょう
患者さんやご家族に「なぜセカンドオピニオンを受けるのか」とお聴きすると、「より良い治療方法を探したいから」と話す方が多いです。しかし、セカンドオピニオンを受けても悩みが解消されないこともあります。

セカンドオピニオンを希望される方の多くは、完全に治すことが難しいがんなどの病気の方や、副作用や後遺症など、リスクのある治療に懸念や不安を抱いている方が多いです。このような場合、「なにを大切にしたいのか」「なんのために治療をするのか」など選択の土台となる「価値観」を持つことが大事です。セカンドオピニオンを受けに行く前に、治療を受ける方や支えるご家族にとって「より良い治療方法とは、どのようになるための治療なのか」を考えましょう。

「より良い治療」は人それぞれで、本人とご家族によっても異なります。例えば家族と長く過ごすための治療がより良いと思えるものかもしれませんし、自費が必要になっても、わずかでも根治の見込みがある治療のことかもしれません。セカンドオピニオンを受ける前に選択の土台となる価値観が明確になるように話し合う機会を持つことをお勧めします。
主治医と縁を切ることではありません。
次に注意して頂きたいことは、セカンドオピニオンを受けることは主治医との縁を断ち切ることではないということです。主治医に相談をせず勝手にセカンドオピニオンを受ける方や、後の報告もせずに主治医と縁が切れてしまう方が多くいます。「主治医を信用していないと思われそうで申し訳ない気持ちがある」ことや、「主治医に止められたり否定されるのではないかと思ってしまう」ためのようです。

自己判断でセカンドオピニオンを受けるのではなく、セカンドオピニオンを希望することと、その理由を主治医に伝え、信頼関係を損なわずにその後も関係性を保つようにしましょう。

ある患者さんの話しです。数年間がんのため大学病院に通院していた患者さんは、新たに抗がん剤の治療を勧められるのですが「もう辛い思いはしたくない」と治療を拒否し、受診をしなくなってしまいました。その後主治医に内緒で、ご家族が探してきたがん治療を行うクリニックに通い始めます。一時的に体調が上向いたこともあったのですが、突然腰や背中の痛みや息苦しさに襲われました。しかし、クリニックには入院施設はありません。ご本人は元々の主治医のいる大学病院には行けないということで、自宅から離れた総合病院に搬送され、数週間後に息を引きとりました。後に、この方の「もう辛い思いはしたくない」という言葉の背景には、家族との時間をもっと大切にしたいという想いがあったことを知りました。

一人の患者さんの治療や療養には、多くの専門職がチームとして関わります。チームは職種だけでなく施設など所属を超えることも多くあります。各専門職や施設がチームとして関わる事は、患者さんやご家族の多様な価値観にあった支援を提供することにもつながります。またセカンドオピニオンを受けるリスクとして、治療を急ぐ必要があった場合に適切なタイミングを逃すことが上げられます。セカンドオピニオンは患者さんの大切な権利ですが、もしセカンドオピニオンを検討する場合は、主治医に対し一方的に縁を切ることや信頼関係を損なうことなく、相談や話し合いを重ねていくことが大切です。

最近、セカンドオピニオンを受けた結果、これまでより悩みこんでしまう方や、最適な治療機会を逃す方にもお会いします。セカンドオピニオンが患者さんやご家族が望む治療や療養を受けるキッカケとなるように、その目的や理由を明確にし、主治医や周囲の関係者と相談し受けるようにしましょう。
ochiai
落合 実 先生
WyL株式会社取締役
緩和ケア認定看護師/訪問看護師。訪問看護師として勤務する傍ら、看護師の転職やキャリア支援、看護介護系事業の自社採用コンサルティング、医療系記事のライターやウェブサイトの管理などを行う。

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