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2016.09.21

母親の更年期障害に振り回されないために

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更年期障害の症状は主に身体的なものですが、そこから精神的な症状に繋がることも多くあります。多くの女性は、更年期障害に対して「辛い病気」「避けて通れない」などの不安を抱えていますが、更年期障害の症状は個人差も大きいものです。

今回は、正しい知識を身につけて、母親のからだとこころの変化を受け入れて対応する方法ついて、べスリクリニックの関本先生と糸井先生にアドバイスしていただきました。
A子さんのケース
A子さんは実家の近くに住む一児の母。月に1回は実家に帰り、子どもを親に会わせたり実家の片付けを手伝ったりしていました。

ただ、最近頭を悩ませているのが実家の母親のこと。一緒に家事をしている最中に「疲れた」と言って居間に引っ込んでしまうのは「年齢のこともあるし、しょうがないか」と思っていましたが、ひと段落して居間に行くと、「どうして放っておくの?気遣ってくれないの?」とハラハラと泣いています。どう声かけしようか悩んでいると、少し経つと「もう知らない!うちに来ないで!」と怒り出してしまいました。帰り際、父親から「最近、母さんは更年期障害なんだ」と聞かされたA子さんでしたが、次からどうしたらいいかは分からないままでした。
更年期の身体について理解しましょう
ほとんどの女性は40〜50代になると、加齢や女性ホルモン(エストロゲン)分泌量の低下によって、発汗やのぼせ、冷えなどの症状を経験します。これらの自律神経失調症状は、卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌量が減少したことで、脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼすことから引き起こされます。また、ホルモンバランスが乱れることで、疲労やストレスに対して弱くなり、感情のコントロールがうまくいかなくなることもあります。

加えて、この時期は、女性にとって様々なストレスを感じやすい時期でもあります。例えば、肉体や容姿の衰え、子離れ、家族の介護や死別、健康への不安など、家庭環境や社会環境による様々なストレスが多くあります。これらのストレスが自律神経失調症状やホルモンバランスの乱れと影響し合うことで、更年期障害の症状を悪化させてしまう一因にもなります。

しかし、様々なストレスと闘っている中でも、「症状の辛さを分かってもらえない」「更年期障害であることを周りに伝えたくない」などの理由から、家族、友人に言い出せず、辛さを一人で抱え込み、孤独感を感じてしまい、落ち込みやイライラなどのネガティブな気分が生じる可能性もあります。
イライラにはゆっくりと丁寧な「言い直し」で対処してみましょう!
人は、ストレスを感じると、極端な見方で物事を捉えしがちです。先のA子さんの母親も、「追ってきてもらえない自分はダメ。役立たず」と極端な捉え方をし、そのラベルをA子さんやそのときの出来事に貼り付けてしまったのでしょう。そこで、母親がこれまでとは違って急にネガティブな話が増えてきたら、「更年期なのかな?」と女性なら誰もが踏む階段の一つであると理解しましょう。

では、どうやって母親のネガティブ思考につきあっていけばいいでしょうか。母親のネガティブな気分に立ち向かうには、反論して立ち向かうのではなく、一歩引いて、まずはその気持ちを受容し、母親も「これでいいのだ」と楽な気持ちになれるような言葉がけを考えてみましょう。例えば、「家事が全部できなくても、役立たずになったりはしないよ。あんまり自分を責めないで」といったように。また、強い感情を伴う言葉を使うようであれば、少しだけ感情を抑えた表現に言い換えてもいいでしょう。私たちが冷静に応じれば、母親も「物事はそれほど黒か白かではない」ということに自然と気付きます。

更年期障害の症状の中でも難しいのがイライラ。身体が思うようにいかなかったりこれまでと違う気持ちになったりするので、自分の中にあるストレスにいら立ってしまうのです。先の事例でも、A子さんの母親のイライラは心身の不調の裏返しであり、ついポロっとこぼれた本音とは別のものでしょう。

それでも、あたかも私たちを怒らせようとしているかのようにイライラをぶつけられることもあるでしょう。そうであっても、背景に症状があることを頭においておき、カッとならないよう気を付けて対応しましょう。「そうなの、うちに来ないでほしいのね」と、一度ゆっくりと丁寧に言い直すと、お互い冷静になって話を進めやすくなります。背景に症状があることを知っていたら、「毎日大変で、疲れてるのよ」「思うようにいかないのが辛いんだね」など、言葉にならない気持ちを代弁してあげるといいでしょう。
besuri9
関本文博 先生
臨床心理士、ベスリクリニック 不安外来担当
精神科・心療内科クリニックにて就労者や休職者の不安治療に従事。認知行動療法や応用行動分析など最先端の心理療法を駆使し、子育てから大人の発達障害まで幅広く社会適応の改善に取り組んでいる。
 
糸井佑紀子 先生
ベスリクリニック 保健師、看護師
医療専門職としてからだとこころの双方からアプローチを目指し、心理療法を学ぶ。医学と心理学を融合させ、健康産業保健分野やクリニックでの健康相談も実施している
慶応義塾大学看護医療学部卒業。

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