がん関連倦怠感は「最近の活動に合致しない、日常生活機能の妨げとなるほどの、がんまたはがん治療に関連した、つらく持続する主観的な感覚で、身体的、感情的かつまたは認知的倦怠感または消耗感」と定義されています(NCCN:National Comprehensive Cancer Network)。この倦怠感はがんの診断前から存在することがあり、積極的な治療中や治療後にも持続することがあります。進行がんや終末期がんの患者さんだけではなく、がんサバイバーの方など治療終了から数か月経過しても倦怠感が出現し、悩んでいる方が多くいるのです。私たち健康な人の疲れと、がん関連倦怠感の違いは、その症状が活動との関係性が弱く休息によっても改善しない点にあります。無症状に見えて、ダラダラと無気力になっている方も、実はがん関連倦怠感が出現しているのかもしれません。