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大事なことだから、今から考えておきたい!考えよう!親とのこと

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介護 親孝行のコト

2017.04.19

親と終活について話す

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「終活」と言う言葉、聞いたことはあっても、詳細やそのメリットなどをご存知ない方も多いかと思います。親の人生の終わり方について、きちんと話を聞きそれを叶えられれば、親子の絆も強くなり、家族にとってもやりきった感が生まれるでしょう。しかし、実践できている親子は少ないものです。

今回は、生前に、親と死について話すことのメリットと、その方法について、べスリクリニックの田中先生と糸井先生にアドバイスしていただきました。
生前に死について話しておくメリット
高度な医療の発達に伴い、日本人の平均寿命は非常に長くなりました。しかし、全ての人が最期まで自分らしく生き続けるとは限らず、身体能力、認知能力が低下しながら余生を過ごす方も増えています。そのような場合、本人だけでなく家族も、精神面や体力面、経済面などで悩むケースが多く見られています。

そこで、機会を見計らいながら、親に、家族や大切な人へ伝えておきたいことを聞いたり、もしもの時にどうするのか、葬儀はどうするのかなどを話し合っておくことで、関係者の負担を軽くすることができます。親が一人暮らしの場合は、銀行通帳や印鑑等は何処にしまってあるのか、財産、相続はどうしたらいいのか等もあらかじめ相談しておくことで、様々なトラブルを避けることができます。

また、親が病気などで突然入院した場合、延命治療等の意向確認が難しくなることもあります。終末期に人工呼吸器や胃ろうを望むかどうかなど、おおよそでよいので方向性を話しあっておくことは、親や家族が望む医療を選択する判断材料になります。親も子も、生前に「最高の終わり方」を考えることは、普段向き合いにくいものです。しかし親にしてみれば、自分の気持ちを整理し本当にやりたいことを明らかにすることは、健康な時からより良く生きて行くための準備となるのです。私たちは生を受けたと同時に、誰もが死を迎えます。どう死を考えるかは、どう生きるかにつながります。ですので避けないで向き合っていくことが大事になります。
話を切り出すタイミングと話の振り方を工夫しましょう
では、終活ついて親との対話は、どのようにすすめていけばいいでしょうか。

都心圏在住、70代の両親が近くに住んでいる、一児の母のAさんを例にあげます。

実家に帰ったある日、父親から「友達が『子供から“終活”を勧められた』と嘆いていたよ。‘自分の葬式や死んだ後のことを考えて’と言われたらかわいそうだよね。まだまだ元気なんだから、親に対して失礼だと思わないか?」と言われ、母親も父親の言うことに頷いていました。Aさんは、終活について気になることもあったので、今後どのように両親と話したらいいのかわからなくなりました。

Aさんの父親の話のように、子どもから「自分の最期について考えておいて」と言われてしまうと、親は悲しく思うかもしれません。親が元気で健康であればあるほど、「そんなものはまだまだ必要ない!」と考えることもあります。無理に話し合おうとすると「お前は、私たちに早く死んで欲しいのか!」と怒られたり、親子関係をも悪化させるリスクもありますので、躊躇してしまいますよね。

まず、テレビで葬式やお墓、医療シーンなどが話題になっている時は、「死」について意識しやすい状況です。さりげなく、「こういうのって、どうしたらいいのかわからないよね・・・」と、あくまでも第三者の目線で親に話を振ってみましょう。テレビなどのきっかけがあれば「私のお葬式は派手じゃなくていいわ」など、素直な望みを言い出しやすくなります。

次に、親の誕生日や記念日などの祝い事の時の親の振り返りの心理を利用してみましょう。誕生日や記念日のお祝いの場で「今日まで健康でよかった、これからも元気でいてね」というやりとりの中だと、親もこれまでを振り返りやすい状況にあると思います。そこで、「今まで元気で本当によかったけど、もしもの時は、私たちはどうしたらいい?」と問いかければ、唐突感もなく、親も前向きに考えられるでしょう。
死についての話は非常に繊細でデリケートです。そのため、生前に死について話す時は、タイミングと話し方に十分注意し、上手に会話に持って行くことが大切です。一回の会話で結論を出すのではなく、少しずつ話を進めていくとよいでしょう。何回か話をすると、死に対する気持ちも変化する場合があります。大事なのは、そのプロセスであり、それが親子の絆を深めるものです。親にとって最高の終わり方を一緒に考え叶えてあげることで、より良い親子関係を築くこともできるでしょう。
besuri0410
田中智恵子 先生
ベスリクリニック マネージングディレクター
保健師、看護師、心理相談員。経営コンサルタント、大学教員(MBA)の経験を活かし、クリニックの経営、マネジメントを実施している。
 
糸井佑紀子 先生
ベスリクリニック 保健師、看護師
医療専門職としてからだとこころの双方からアプローチを目指し、心理療法を学ぶ。医学と心理学を融合させ、健康産業保健分野やクリニックでの健康相談も実施している
慶応義塾大学看護医療学部卒業。

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