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大事なことだから、今から考えておきたい!考えよう!親とのこと

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2017.05.17

遠方の親にしてあげられること

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親との同居中なら、その変化に気付いて世話できたであろうことも、遠方に離れて暮らすとなると、何かあってもすぐ駆け付けられない不安があります。また親が定年を迎え、社会から退いた後に感じる疎外感や意欲の低下といった心の変化についてもメールや電話だけでは察しにくい場合もあります。そんな遠方の高齢の親に対して私たちができることとはどのようなことでしょうか。
今回は、遠方の親にしてあげられることについて、べスリクリニックの田中先生と葛原先生にアドバイスしていただきました。
身体変化に伴う改善を支援する 
帰省した際、実家の中を高齢者目線で見回してみましょう。安全性に配慮することにより、防げる怪我や負担があることに気づくかと思います。例えば、つまづきやすい段差に絨毯やマットを敷くことや、毎日使う水回りや階段、畳の部屋など、滑りやすい箇所に手すりを設置することなどです。また、風呂場の椅子を脚の長いタイプに替えたり、コンセントの位置を数10㎝上に設置し直し、腰への負担を少なくすることもできます。こうした日常生活で怪我しやすい、また負担のある箇所を改善することは、親の生活しやすさと怪我のリスクに備えることができます。ただ、長年親はその環境に慣れ親しんでいますので、むやみに変えると返って変化に適応出来なくなってしまいます。親の行動の導線を見て、一緒に改善策を考えていくとよいでしょう。
周囲の人との連絡を密にしましょう
親によっては、一見元気でいるように思えても、離れた都会などで働く子どもに心配をかけたくないとの親心から、自分の身体の衰えに関する悩みや持病、気分の落ち込みなどを隠す方もいます。仕事の都合で実家から遠方への引っ越しを余儀なくされた30代の一人っ子Aさんは、父親が数か月前に他界し、未だショックを抱え、さらに喘息持ちであった母親と離れて暮らすことが心配になりました。そこで、親のかかりつけの医療機関や連絡を取り合っている友達に自分の連絡先を伝え、親に何か変わったことがあればすぐに連絡をもらうように頼みました。こうした間接的な情報源を確保して親の様子をうかがうことは、子に気を遣う親を自然に見守れる1つの手段となります。
親との会話の仕方
一方、離れて暮らす親が心配ゆえ、親のやることについて、つい「それじゃだめ!」「もう若くないんだから」など否定的な言葉が多くなることがあるかもしれません。それでは親は気が塞いでしまいます。親の話にはまずうなずいて肯定して最後まで聴いてあげた上で、「なるほど。それでもいいかもしれないけど、こうしてみたら?」等と具体的にアドバイスしてみてください。また、高齢になると、社会の一線から外れ疎外感や自分の存在価値を見失いがちになってしまうものです。そんな時、親の得意料理や自分の好きだったメニューの作り方を訊いたり、どこかに出かけて親の得意なスポーツや趣味を教わったり、親が自分の存在価値を発揮できる場を作ってあげましょう。
ソーシャルサービスの利用とポイント
なお、遠方に離れて暮らす親を見守るサービスが増えています。警備会社では、緊急時にボタンを押せば警備員が駆け付けてくれるサービスがあります。親が持病を抱えていたり、日常生活に支障がある場合、子が留守中でも安心です。ガス会社では、親の家のガスの使われ方、食事の仕方や入浴などの状況を、子は携帯電話等から照会でき、ガスの長時間使用には確認電話が入るというサービスがあります。NTTでは、親が携帯を使うと自動で家族にメールで知らせてくれ、携帯を使わなかった日もその旨や電池残量を知らせるメールが送られ、毎日電話をかけずとも状況を把握できるサービスがあります。また、社会的な関わりが減ってしまった親に対しては、趣味やリクリエーションなどを通して老人同士が互いに集う場として地域の老人クラブやシニアカレッジ、ふれあいサロンといったサービスもあります。多くのサービスは一定料金がかかり、経済的負担もありますが、遠方の親に対してできることとして利用を考えてみてもよいでしょう。
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田中智恵子 先生
ベスリクリニック マネージングディレクター
保健師、看護師、心理相談員。経営コンサルタント、大学教員(MBA)の経験を活かし、クリニックの経営、マネジメントを実施している。
葛原史子 先生
ベスリクリニック 臨床心理士
大学を卒業後、マーケティング会社に勤務。聖徳大学臨床心理学研究科修了後、茨城県の精神科病院で研究職として勤務。臨床心理士を取得し、BESLIでは、問診やカウンセリングにて、患者様が抱える悩みに対して主体的に関わっていけるようなサポートを行っている。

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