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2017.07.19

定年で元気が無い父への対処法

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定年退職を迎えた後、元気が無くなってしまった父。皆さんでしたら、どんなアプローチをしますか?元気の無い人を見るとついつい励ましたくなり、反応が薄いと、今度は強い口調で叱咤したり、げきを飛ばしたり・・・。しかしこの対応では、逆効果になってしまうこともあります。

今回は、そういったケースの対処方法について、べスリクリニックの田中智恵子先生と関本文博先生にアドバイスしていただきました。
ネガティブな思考の繰り返しには、2分間の気分転換!
父親に話す気力すらなく、こちらから話しかけなければならないようなケースの対処を考えてみます。

退職後の父親に限らず、ネガティブな気分になることは誰にでもあります。しかし、それを誰にも話さずにいつまでも続けてしまうことは問題です。そのような状態が続くと、人は、悪い考えや思いが頭の中でグルグルと「反すう」してしまいます。例えば、父の頭の中を覗いてみると、「働いているうちに趣味の一つでも作っておけばよかったなあ」「体力もないし、足腰も痛いし、今から趣味を始めるなんて自分には無理だ」と言ったような考えが繰り返されているのです。

実際には何歳であっても新しいことを始める人はいますし、全ての趣味に体力や健康が必須なわけではありません。しかし、ネガディブ思考になっている当人には気づかないものです。さらには、人は、こうした考えが繰り返し頭の中で繰り返されると、その「反すう」そのものが癖になってしまいます。あたかも、虫刺されを搔きむしって更にかぶれさせてしまうような思考の習慣になってしまいます。

もし、「思考の反すう」が始まっているようなときには、別のことに切り替えるようなコミュニケーションをとってみましょう。別のことを2分間続けることができれば、反すうしたい気持ちのピークをやり過ごすことができます。気を逸らす方法としては、運動などで身体を動かす、スマホのゲームをする、本やテレビなどを観る、身の周りの数字から7ずつ引いていく、スーパーの陳列棚の順番を思い出す・・・などがあります。父親だけではなく家族がこのような思考で苦しんでいたら、アドバイスしてみてください。
「声かけ」でなく「問いかけ」を
次のケースは、父親から話しかけてはくるものの、その声や表情に元気がない場合。
元気がない時にどんなに励ましても、「よし、やるぞ!」とはなかなかならないものです。ちょうど、ガソリンタンクが空なのにエンジンをかけようとするようなものです。ガソリンタンクが空なだけで故障しているわけではありませんから、ハンドルを叩こうがバッテリーを蹴ろうが、エンジンがかかるはずがないのです。そこで、一旦エンジンを切るように「声かけ」をやめ、「問いかけ」を増やしてみましょう。例えば、父親がため息をついていたら、「ホラ!元気出して!」ではなく、「何か気になるの?」というような声かけです。

例えば、父親がぼんやりとニュースを眺めていたら、「これっていつのこと?(When)」、「どこで起きたの?(Where)」、「誰の話?(Who)」、「さっきのって何?(What)」、「これってどうやったんだろうね?(How)」のような「4W1H」を使って問いかけてみましょう。そうやって目の前のことを尋ねられていると、心はニュートラルな状態を取り戻し、身の回りの自然や人の営みに改めて興味をひかれやすくなります。ただし、「なんでこれ観てるの?」のようなwhyの問いかけは、個人の期待や願望が含まれることなどがあるので、使うときには注意が必要です。
不調を脱するには、やっぱり睡眠と食事!
活発さや活動量が低下すると、私たちはすぐ精神面に原因を求めたがります。しかし多くの場合、不調の原因はライフスタイルの変化に伴う食生活と睡眠時間の乱れであることが多いものです。
仕事熱心で献身的に業務や家事、育児に没頭してきた人が、あるとき突然その意欲を失う現象をバーンアウト(燃え尽き症候群)と言います。

うつ病が疑われる場合には早めに心療内科などへ受診し、充分な睡眠を取れるようにする必要があります。また、家族としては栄養バランスの取れた食事を提供することができます。具体的には、野菜や豆類、果物やナッツ類(アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ)、オリーブオイルを使い、肉類や脂肪分の多い乳製品はあまり使わない、地中海料理にトライしてみましょう。これらは気分を安定させるだけでなく、脳の老化を防止することで近年注目されています。
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田中智恵子 先生(写真左)
ベスリクリニック マネージングディレクター
保健師、看護師、心理相談員。経営コンサルタント、大学教員(MBA)の経験を活かし、クリニックの経営、マネジメントを実施している。
 
関本文博 先生(写真右)
臨床心理士、ベスリクリニック 不安外来担当
精神科・心療内科クリニックにて就労者や休職者の不安治療に従事。認知行動療法や応用行動分析など最先端の心理療法を駆使し、子育てから大人の発達障害まで幅広く社会適応の改善に取り組んでいる。

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