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大事なことだから、今から考えておきたい!考えよう!親とのこと

気になるコト 専門家に聞いてみました

介護のコト

2016.06.15

介護を多く負担したら、相続も多くなる?

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親の介護については、それぞれ子供の暮らしている場所やライフスタイル、経済的な背景などで分担できる割合が違うことも多いでしょう。介護負担度合いは相続財産の配分の違いで折り合いをつけようという話が出ることもあります。

今回は、介護の分担の際に併せて焦点になることが多い「相続財産の分け方」について、1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP®認定者の風呂内亜矢先生に教えていただきました。
介護の負担を考慮する?「寄与分」について
介護負担割合が高かった子供としてはその大変さを加味して財産の分配を高くしてもらいたい気持ちになります。一方、あまり介護に参加できなかった子供は、介護をしている兄弟(姉妹)が親の財産から恩恵をたくさん受けたのではないかという気持ちがよぎることもあります。

相続財産は両者の納得する配分を探すことになりますが、相続人(今回のテーマだと主に子供)同士で決められない場合、どのような考え方が基本になるでしょうか。

親子間での介護については民法上の扶養義務の範囲とみなされることも多く、介護をしたことで相続財産を増やすことができないことも多くあります。なお民法上、扶養義務を負うのは直系血族及び兄弟姉妹なので、実態として介護に携わることが多い長男の嫁は、実は法的には親に対する扶養義務はありません。夫の代理として参画せざるを得ないことも多いでしょうが、外部サービスの利用を併用できないか等、兄弟(姉妹)間で話し合う機会を持てると良いですね。

親への貢献が評価を得て相続財産が増額される可能性としては「寄与分」という概念があります。「寄与分」は被相続人(今回のテーマでは親など)の「財産の維持や増加に貢献した度合い」のことを指します。

通常は親の事業を子が手伝い、財産形成に貢献した場合などで加算されます。介護が加算される場合だと、子供が介護に携わることで、かかるはずだった費用が抑えられ、財産を守ることに貢献できたとみなされれば「寄与分」が認められることもあります。扶養義務の範囲内の介護だったのか、財産を守る「寄与分」に数えられる介護だったのかという判断が案件ごとに異なります。
遺言書で親の意思を反映させる
扶養義務範囲内の介護だったのか、寄与分に当たる介護だったのか、切り分けをして相続財産の割合が増える可能性はあるものの、介護に係った費用の全てが相続財産に上乗せされるわけではないことがほとんどです。

そのため、親が介護に手を尽くしてくれた子供に多く相続させたい、子供同士でのわだかまりを作らないようにしたい、と願うのであれば、やはり遺言書の作成が有効です。

以前、法定相続人と遺留分についてお伝えしました。遺留分を侵害しない範囲であれば、遺言書の内容が最も優先されて相続財産の配分を決めることになります。

例えば、子供3人を遺して配偶者のいない親がなくなった場合、法定相続分は財産を1/3ずつ、3人の子供が分け合います。遺留分は法定相続分の半分です。遺留分を侵害しないように配分する場合、介護をしてくれたAに2/3,介護ができなかったBとCには1/6ずつという配分までは遺言で指定することができます。

一方、親の死後、初めて遺言書が出てきた場合、AとB,Cの間で言い争いになることや、Aが親の遺言書に口出しをしたのではないかと疑われてしまう恐れもあります。遺言書の存在は親が存命中に告げておくことや、親の考えていることを日頃から伝えておくことも大切です。

親と対話ができる間に考えを確認しておくことや、介護期間中も兄弟(姉妹)間で情報を共有しておくことも有効でしょう。情報が共有できていることで介護中の苦労や実際にかかっている費用など、事情があって介護に参加できていない兄弟(姉妹)にも理解してもらえる効果もあります。
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風呂内 亜矢 先生
CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
1978年生まれ。岡山出身。26歳の時にマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強と貯蓄をスタート。現在は夫婦で4件の物件を保有。購入体験と不動産営業職の経験を元にテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、セミナーなどでお金に関する情報を発信している。
新刊「その節約はキケンです-お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか」、監修「最新版 届け出ひとつでお金がもらえる本」など多数

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