子どもの感染症対策!今の子どもにたりていないものは?

さまざまなウイルスや病原菌に囲まれて暮らしている私たち。そんな中、お口の健康はこれまで以上に注目されています。とくに重要なのが、今の子どもたちにたりていないといわれる「唾液(だえき)」と「かむ力」です。これらはどのように私たちの体を守ってくれるのか、こどもと女性の歯科クリニック 院長 岡井有子先生に話を聞きました。

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すごい!唾液がウイルスや細菌から体を守るしくみ

お答えいただいたのは
こどもと女性の歯科クリニック 院長
岡井有子先生
私たちが日ごろ出している唾液には、すごい力があります。その一部を紹介しましょう。

●口の汚れを洗い流す洗浄作用
食事をしたあと、ついた口の中の汚れは、たくさんの唾液によって洗い流され、清潔を保つことができます。

●口内を中性に保ち、むし歯を防ぐ“緩衝能(かんしょうのう)”作用
食べ物を食べると、口の中は酸性に傾き、歯が溶けてむし歯になりやすい口内環境になります。唾液は、口の中を酸性から中性へと戻す作用でむし歯を防いでくれます。

●食べたものを分解する消化作用
唾液には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれており、ごはんなどに含まれるでんぷんを胃の中で消化しやすくするはたらきがあります。

●殺菌・抗ウイルス作用
唾液には「免疫グロブリンA」という免疫物質や、「リゾチーム」という酵素など殺菌・抗ウイルス成分が含まれているため、口の中に入ってきた菌やウイルスを退治することができます。

どれも大切な役割ですが、とくに感染症対策として唾液の殺菌・抗ウイルス作用が注目されています。空気や食べ物を取り込む口は、菌やウイルスが入り込みやすい場所でもありますが、唾液に含まれる免疫物質によって体内への侵入をブロックすることができます。昔の人はよく「傷口につばをつけておきなさい」などと言っていましたが、これは唾液の殺菌・抗ウイルス作用について述べたもので、理にかなったことだったのです。

唾液を促すために「かむ力」をつけよう

唾液の分泌を促すことは、口や体の健康にとってとても大切です。さまざまな感染症を防ぐためにも、次のことを心がけてみてください。

1.歯ごたえのあるものをかむ
かむ力を鍛えてたくさん唾液を出すために、野菜をちょっと大きめに切るなどかみごたえのあるものを食べさせてあげましょう。細長く切った昆布やするめ、フランスパンのかたい皮の部分などをおやつにあげてもいいですね。
2.食事中に水を飲まない
食事中はあまり水やお茶を飲ませないことをおすすめします。水分で食べ物を流し込んだり、せっかくの唾液も流してしまいがちに。よくかんでたくさん唾液を出せば、消化酵素のアミラーゼが分泌されて消化吸収を促しますし、口の中に入り込んだウイルスや菌をブロックする力も働きます。みそ汁やスープは具だくさんでかみごたえがあるものにするといいですね。

3.首の後ろをマッサージする
赤ちゃんのころから抱っこやおんぶをされているとき、寝ているときに首が反っていた子どもは、かむ力が弱い傾向があります。首の後ろが緊張していて、あごが後ろに下がってしまい、かみ合わせが悪くなっているのです。緊張をほぐすために、首の後ろを下から上になであげるようにやさしくさすってあげましょう。夜寝る前や、テレビを見ている時などにおひざの上で親子のスキンシップも兼ねてやってあげるといいでしょう。

4.口の中のマッサージをする
歯ぐきやほっぺの裏側には「小唾液腺」という唾液が出る場所がたくさんあります。ここをマッサージして刺激すると、唾液がたくさん出てきて口内環境がよくなります。大人の人さし指の腹の部分でやさしく、子どもの歯ぐき全体を奥から手前へとマッサージ。ほっぺの裏側もやさしくマッサージしてあげましょう。唾液にはカルシウムやフッ素などのミネラルが含まれているので、マッサージして出た唾液を歯ブラシで歯に塗り込んでいってあげると、歯がつやつやになります。このとき、歯磨き粉は使いません。

5.キシリトール入りのタブレットやガムをかむ
おやつ代わりにキシリトールガムやタブレットを食べるのもいいですね。唾液の量を増やし、かむ力がつくだけでなく、キシリトールの効果でむし歯の菌の活性を下げるので、むし歯予防にもなります。

今の子どもには唾液がたりない…口呼吸に要注意!

最近、口をポカンと開けて呼吸する「口呼吸」の子どもが増えています。また、マスクをしていると、息苦しさから口呼吸になりがちです。口呼吸がくせになると、常に口に唾液が少ない状態になり、むし歯や歯肉炎、感染症、さらには歯並びなど、さまざまなお口のトラブルを抱えやすくなります。
できるだけ乳幼児期から口をしっかり閉じて、舌が上あごにつくようにすることが大切です。そのためには、先ほどの首の後ろのマッサージをするほか、外遊びで全身の筋肉を使うことも大切になります。また、おふろに入ったときに口を手で隠して、「舌を上あごにつけて、ゆっくり鼻で呼吸する」練習をしてみましょう。おふろのあたたかい湯気の効果で、それほど息苦しさを感じずに鼻呼吸の訓練ができるのでおすすめです。


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