親子時間をもっと豊かに! ママ・パパも子どもも自信UPで毎日をよりHAPPYにする4つのコツ

今までとは違う新しい生活様式に慣れてきてはいるものの、自分でも気づかないうちに、心身が疲れているママ・パパ&子どもたちも増えています。不安感の解決の糸口には自己肯定感を高めることが大切だとか。子どもの発達心理学の専門家である沢井佳子先生に、親子一緒にできる自己肯定感UPのコツを伺いました。

 

沢井佳子先生

チャイルド・ラボ所長、一般社団法人 日本こども成育協会理事
認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。お茶の水女子大学大学院修了。専攻は発達心理学。幼児教育番組「ひらけ!ポンキッキ」(フジテレビ系列)制作の心理学スタッフ、静岡大学情報学部客員教授などを歴任。「こどもちゃれんじ」(ベネッセコーポレーション)の「考える力」プログラム監修。幼児教育番組「しまじろうのわお!」(テレビ東京系列)監修。人工知能学会「コモンセンスと感情研究会」幹事。日本子ども学会常任理事。

コツその① 失敗を怖がらずに自由に遊ばせよう

沢井先生の考える自己肯定感とは「自分が一番!」ということではなく、自分の考えや行動に自信を持ち、失敗してもくじけずに、気持ちを回復し、自分で調整する力を指します。

「日本に限らず、すべての子どもにおいて尊重されるべきものは、自由に遊ぶ権利です。子どもは遊びから実に多くを学びます。親が計画した遊びではなく、子どもが自由に遊びを選択できることが大切なのです。

たとえば、ある幼稚園では、2時間徹底的に自由に遊んでいい時間を設けています。園の中にはわざとデコボコになっている庭があり、子どもはときどき転びます。小さなけがなら転んでもいい。子どもたちは転んだり、立ち上がったりを繰り返し、どうしたら転ばないかを、遊びながら考えるようになり、体幹も強くなります。少し不便な環境が、子どもに多様な問題を与え続け、周囲の環境を読み取る認知能力、その先の出来事を思い浮かべる想像力など、さまざまな力が育まれるのです」

「失敗を知らない、不安のない子どもが自信を持つというわけではないのです。転んで痛みを知った子は、次にどうするでしょうか? 不安や恐れもある中で、自分で考えて行動を変え、その結果に注意をはらうでしょう。『ちょっとバランスを崩したけど、立ち直った!乗り越えたよ!』という実感を経験した子どもが、本当の意味での自信を持つことができます。それがレジリエンス(ストレスを受けとめ、跳ね返す力)をはぐくみます。

親が子どもに『できたね!すごい!』とほめ続けたり、『大丈夫?』を連発したりするのは、本当に子どものためになるでしょうか…。『できたときだけほめられるんだ。失敗すると親を心配させてしまう』と、子どもがとらえてしまうと、失敗がこわくなって、自由にふるまえなくなります。親が、子どもの失敗に不安な顔をせずに『転んじゃったね。何がいけなかったのかな? 次はどうしたらいいかな?』など、自身の経験や失敗もオープンに話せる大人であってほしいと思います」

コツその② 年齢別の子どもの発達段階と自己肯定感を高める遊びと接し方

子どもの年齢や性別によって、自信を与える遊びや興味の対象、そして大人の接し方などに違いはあるのでしょうか?
「ポイントは、遊びのやりとりの中で、『どっちがいい?』『どうしたい?』と常に子どもに問いかけて、大人が答えを待ってあげること。それが選択の自由と、自分で考えて判断する機会を与えます。男女の違いよりは個性の違いのほうが大きいでしょうが、形を組み立てる遊びや推理するゲームなどは男の子が興味をもつ傾向にありますね。女の子は、大人の作業や話し方をマネする『ごっこ遊び』や人のお世話をする作業を好むようです」

コツその③ 他人の力も借りて「頼みの綱」を増やそう

子どもに何かを質問されたり、相談されたりして、親自身もわからなかったとき、スマホで検索して終わりにしてしまうことも多いかもしれません。そういうときは親がすべて引き受けようとせず、もっと周囲の力を借りていいと沢井先生は言います。

「自信というのは、自分ひとりのものではありません。この人はすごいぞ、この人に聞けばわかるかもしれない!と、人につながりを求めていく…という自信もあります。親が何でも知っていて、自信満々に答える…というのは、子どもにとって、決してプラスとはいえません。むしろ、『これは、わからないな。よく知っている人は、だれかな?』と子どもと一緒に考えて、近所の博識なおじいさん、植物に詳しいおばさんなどに声をかけて教えを請いましょう。親子で周囲の助けを借りて、頼みの綱を増やしてください。

自信がない人、自己肯定感が低い人というのは、まわりのリアルな社会の中に、コミュニケーションのチャンネルが少ないことがほとんどです。家や学校以外にも居場所がたくさんあって、頼みの綱がたくさんある人は、何か困った問題に直面したときも、あきらめず、強くいられます。

親が周囲とコミュニケーションして、まわりの知恵を取り入れて問題解決するモデルを見せれば、子どもも自分が行きづまったときに、自分で相談相手を選んで、解決の選択肢を増やすことができるはずです。他者とつながり、よく見て、聞いて、そして、自分で判断する…そういう過程を見せることも親の大切な役割です」

コツその④ 好きを決めつけずに子どもを観察しよう

「『この子はこれが好きだから伸ばさなきゃ!』とあまり思い込まなくていいんですよ」と沢井先生。

「子どもの興味が向く領域を畑にたとえると、論理や数字が好きな『推理名人の畑』、電車やカブトムシの種類をたくさん知っている…というように、社会や自然について博識な『物知り博士の畑』、おしゃべりや物語に夢中になる『お話大好きの畑』、猫でも親でもお世話したくなる『お世話大好きの畑』など、いろいろな興味の畑、領域があります。
子どもの発達を見るときに、『進んでいる』とか、『遅れている』という一本のものさしで測るのではなく、『この子は今、何が好きか(どんな畑で遊ぶのが好きか)』を観察することが大切です。昨日まで熱中していた畑に、今日は飽きちゃう…ということも発達上、大事なことなのです。興味を広げるには、キョロキョロすることも必要だからです。

子どもの興味や関心の領域を、客観的に観察して、この子は『お話大好きの畑』にいることが多いなと思ったとき、別の畑にも興味を持つような遊びや経験をさせてあげるのもいいかもしれません。とはいえ、親が無理に別の畑に連れて行く必要はありません。どこから遊んでもいいし、まわり道をしてもいいんです。必要なのは、子どもが今何才であっても、その子に自信を持たせるには『自分で選択し、自分で考える』経験と達成感を与えることです」
「『選択の交差点』を与えることが解放感ある自信をもたらし、『私はこの道を行く。これでいいんだ』という自己肯定感となってゆきます。失敗してもいいんです。失敗したということは、選択肢があって自分で考えた結果ですから…。失敗は自分の畑の肥料です。好きな畑で存分に遊び、多くの交差点で道を選んで進む。そういう環境をつくることが、子どもの自己肯定感をはぐくむ土台になっていきます。『うちの子は、こういう子』というレッテルを貼らず、失敗を恐れず、親子でたくさん遊んでくださいね!」