第5回 メンタルトレーニングでもっと強くなる! - スポーツキッズの体と心を応援!

第5回 メンタルトレーニングでもっと強くなる!

練習を頑張っているのに、本番でなかなか実力が出せず、試合に負けたあとに落ち込んでいる子どもを前にしたとき、親はどんな言葉をかけたらいいのでしょう? トップアスリートにとっては当たり前といわれるメンタルトレーニングは、子どもにも必要なのか、家庭でもできるのかなどを、東海大学の高妻容一先生に伺いました。

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心技体の一つ「メンタル」トレーニングの重要性

スポーツ中継などでよく耳にする「メンタルの強さ」。トップアスリートに必要なことかと思いきや、「子どもにも重要」と高妻先生。まずは、メンタルトレーニングとは何かを教えてもらいました。

お話を伺った先生

高妻容一先生(東海大学体育学部教授)

1955年宮崎県生まれ。福岡大学体育学部体育学科卒業。中京大学大学院修士課程体育学研究科修了後、フロリダ州立大学へ留学し、スポーツ心理学を学ぶ。近畿大学教養部を経て現職。スポーツメンタルトレーニング上級指導士。スポーツ心理学コンサルタント。著書に『基礎から学ぶ!メンタルトレーニング』(ベースボールマガジン社)、『子どもの本番力を120%引き出す方法』(PHP研究所)など多数。

メンタルも毎日のトレーニングが必要

スポーツの世界では、常に「心技体」の大切さが語られますが、「技」の訓練と、「体」づくりしかしていないチームが多いのが日本の現状です。同様に「心」もトレーニングすることで、実力を発揮できるようになります。本番で緊張しないように「手のひらに人という字を3回書いて飲む」なんておまじないだけではダメ。気持ちの弱さは「性格」の問題と思われがちですが、性格も関係ありません。素振りやノックを毎日やるように、メンタル面も毎日のトレーニングが必要なのです。

トレーニングとは、考え方をポジティブにするトレーニング。考え方がプラスに変わると、いい結果が出ます。海外ではすでにメジャーリーグのほとんどのチームがメンタルの専門家をつけていますし、国内でも僕ら「スポーツメンタルトレーニング指導士」が入って、メンタルトレーニングをしているチームは確実に結果を出しています。

メンタルトレーニングで強化する8つのスキル

メンタルトレーニングは、正確にはサイコロジカル(心理的)スキルトレーニングといいます。基本的に8つのスキルを強化します。

  1. 1)プラン作成や練習日誌などをつけて、やる気を高めるスキル=目標設定
  2. 2)プレッシャーのかかる場面で気持ちをセルフコントロールする=リラクセーションと、試合での気持ちののりや闘志を高める=サイキングアップ
  3. 3)最高のプレーや、新しい技やフォーメーションを身につけるために、イメージを使って準備をする=イメージトレーニング
  4. 4)試合など、ここ一番で力を発揮する、または、いい練習をするために気持ちを集中する=集中力
  5. 5)苦しい練習をいかにして楽しくするか、また、逆境に立っても前向きに考える力=ポジティブシンキング
  6. 6)気持ちを高めたり、ミスをしたあとに気持ちを切り替えたりするための自己会話、声の出し方など=セルフトーク
  7. 7)チームメイトと協力し合い人間関係を向上させる=コミュニケーションスキル
  8. 8)試合で勝つための徹底した心理的な備え=心理的準備

これらの心理的スキルは、オリンピックなどで金メダルをとるトップレベルの選手が共通してトレーニングを実施しているものです。

マイナス思考が多い日本はメンタルトレーニング後進国

日本では「心」の訓練というと、「気合を入れる」「根性を出す」などの精神論で語られることが多いです。しかし、それだけではダメだと高妻先生。マイナス思考をプラス思考に変えるスキルとは?

メンタルが弱いのでなく、強化していないだけ

練習に行きたがらない、本番でいつもの実力を発揮できない、負けを引きずって立ち直れないといった様子を見たとき、「うちの子はメンタルが弱いから」とあきらめていませんか? 繰り返しになりますが、メンタルは弱いのでなく、強化するものです。

1984年のロサンゼルスオリンピックで、アメリカの選手はメンタルトレーニングを受けて、大きく結果を伸ばしました。私がアメリカでメンタルトレーニングを学び、日本へ帰ってきたのは85年。それから30年余り、日本でメンタルトレーニングを広げるために活動していますが、相変わらず根性論でスポーツを語る現場が多く、学校教育の場もまだ「怒って矯正させる」指導が多いですね。そのため、子どもたちはメンタルを強化できる機会がなく、思考を変えられないでいるようです。

親もコーチも一丸となってトレーニングすることが必要

メンタルトレーニングは、子どもだけに実施しても意味がありません。子どもだけにポジティブな考え方やコミュニケーションスキルを伝授しても、指導をする監督やコーチが怒ってばかりで、応援する保護者もダメ出しや批判ばかりしていたら、元も子もありません。子どもがニコニコ笑顔で練習していても、「何をニヤけてるんだ! 気持ちがゆるんでる!」なんて大人が怒っていては、子どもには逆効果。同じことを伝えるにしても、子どもが前向きになれる言い方に変えてみましょう。たとえば、ミスをしたときに、「何をやってるんだ!」ではなく、「OK! 今のミスいいよー。それを直したら、うまくなるよー」と、伝えます。すると、子どもも「すみません」でなく、「ありがとうございます」と返事ができます。

マイナス思考をプラス思考に変えると、いい結果が出る

「心技体」の「心」を訓練して強化すると、試合や記録など、結果に結びつくと高妻先生。それは、スポーツの世界だけでなく学習面でも共通するそうです。まずは家庭でもできる簡単な方法を教えてもらいました。

プラス思考になると結果に結びつく

野球をやっている子どもたちに「野球は好き?」と聞くと、みんながうなずきますが、「練習は好き?」と聞くと、固まってしまう子が多い(笑)。野球は好きなのに、怒られて怒鳴られて、練習が楽しくなくなり挫折していく子が多いのです。プラス思考とは、「やる気がある」「積極的」「のっている」「自信がある」「余裕がある」「楽しい」「面白い」などと思えること。たとえば、きつい練習で筋肉痛になったとき、「痛みは筋肉が強くつくられている証拠!やったね!」など、思考をプラスに変えることで、やる気が高まり、練習も楽しくなっていきます。自分の限界まで挑む、チャレンジすることにワクワクする、そんなプラス思考が積み重なることで、きつい練習も前向きにこなせるようになり、試合や記録などのいい結果や成績が出せるようになるのです。

毎日のあいさつを、語尾を上げて元気よく!

メンタルトレーニングで、家庭ですぐにできるのが毎日のあいさつです。野球少年少女たちは、グランドに入るときに帽子を取り一礼して「お願いします!」とあいさつします。このとき、語尾が上がっています。語尾を下げると元気がなくなり、語尾を上げるとスイッチが入り集中力が高まります。家でも「おはよう」「いただきます」「行ってきます」「行ってらっしゃい」「お帰り」などのあいさつを、語尾を上げて言ってみてください。自然と笑顔になり、姿勢もよくなります。あいさつを元気よく交わすことを心がけるだけで、気持ちが前向きになってきます。

マイナス思考には「プラス思考ビーム」を浴びせよう

子どもに声をかけるときに、「忘れ物はしてない?」「ちゃんと聞いてる?」「何をモタモタしてるの!」などとマイナスチェックばかりをしていませんか? 子どもも「えー、だりー」「きつい」「やだ、あとで」。そんなときにはお互いに、ウルトラマンがビームを浴びせるときのように「プラス思考ビーム」を浴びせましょう。やられた側は、「あーー、プラス!」と両手を広げて体で+(プラス)を作ります。親が子どもに、子どもが親に、互いに気分を切り替えさせるのがミソ。ある学校の野球チームは試合が始まる前に、応援席の保護者とグランドの子どもたちが、「プラス思考ビーム」「あーー、プラス!」をやります。もちろんほかのトレーニングの成果もありますが、この学校は4年連続で県大会優勝を果たしています。ぜひ、やってみてください。マイナスな気持ちが吹き飛びますよ。

次回、高妻先生のアドバイスの後編では具体的な言葉かけの例などを紹介します。

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マクドナルドはスポーツキッズを応援しています

マクドナルドは、子どもたちの心とからだの健全な成長を願って、さまざまなスポーツ支援活動を行っています。

小学生の甲子園、「マクドナルド・トーナメント」を知っていますか?

公益財団法人全日本軟式野球連盟では、小学生チームのクラスを「学童部」としています。登録しているチームは全国で約1万2000チーム。一般に「学童野球」とよばれ、日本マクドナルド株式会社協賛のもと、毎年全国規模の大会「マクドナルド・トーナメント」が開催されています。各地区予選を勝ち抜いてきた強豪が出場する大会は、「小学生の甲子園」として全国の野球少年のあこがれの大会となっています。

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