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毎日が忙しく健康に気が回らない方に役立つ簡単な健康維持の情報や、いつも健康に気を使っている方でも知らなかった健康のコツなど、生活の中で役立つ健康情報をご紹介します!
監修:馬場 直子 先生
ばば・なおこ 神奈川県立こども医療センター皮膚科部長。1983年滋賀医科大学医学部卒業。1985年横浜市立大学医学部皮膚科入局、1986年横須賀共済病院皮膚科勤務などを経て1994年より神奈川県立こども医療センター皮膚科医長。2002年より現職。
紫外線から肌を守る対策は、子どもにこそ必要なことです。人は18歳くらいまでの間に、生涯浴びる紫外線の約半分を浴びるといわれているからです。UVケアのやり方は大人と同じです。ママと一緒に子どももケアしてあげましょう。
紫外線とは、地表に届く太陽光線の中で最も波長が短く、目に見えない光のこと。波長の長さによってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。このうち肌にダメージを引き起こすのは、地表に届くUV-AとUV-Bです。
UV-Aは浴びると一時的に肌を黒くする「即時黒化」と呼ばれる反応を引き起こすほか、長期的にはシミやシワ、たるみなどの「光老化」を引き起こすもとになります。
一方、UV-BはUV-Aよりも光エネルギーが高く、肌が熱を持って赤くなる「サンバーン」と呼ばれる日焼けを引き起こす主役です。サンバーンは肌がダメージを受けたというサイン。そのため、ひどい日焼けを繰り返すと将来、皮膚がんにかかるリスクが高まります。
紫外線の害は長年にわたって蓄積します。幼いうちから浴びすぎないように、注意することが大切なのです。
紫外線対策は誰にとっても重要ですが、特に注意が必要な人は、日焼けしても赤くなるだけで黒くならない色白タイプ。黒くなりにくいのは、紫外線に対する防御力が弱いことを示しているもので、すぐに黒くなる人に比べて、皮膚がんにかかるリスクが数倍高いといわれています。特に色白の子どもは、大人に比べて紫外線から肌を守るバリア機能が未熟な分、ダメージを受けやすいので、しっかりUVケアしてあげましょう。
紫外線の量は4月頃から急増し、7~8月にピークを迎えます。UV-Bは冬と夏ではその強さに大きな差がありますが、UV-Aは季節による変動が比較的少なく、1年を通じて相当な量があります。同じ気象条件の場合、太陽が真上に来るほど紫外線が強くなるので、1日のうちでは正午の前後2時間くらいが要注意の時間帯です。
紫外線対策の基本は、紫外線量の多い正午前後の時間帯の外出をなるべく避けるとともに、外出した場合でも、外にいる時間を短くすることです。次に重要なのが、日陰に入る、日傘や帽子を使う、長袖の服や長ズボンを着る、UVカットシールを車の窓に貼るなどの方法で、物理的に紫外線を防ぐことが大切。ベビーカーで出かけるときも、必ずほろやUVカットカバーをかぶせましょう。
それでも、照り返しなどで浴びてしまう紫外線は「サンスクリーン剤(日焼け止め)」を肌に塗って防ぎます。サンスクリーン剤はいわばゴールキーパー。つまり最後の砦です。これだけに頼らず、体の周りを幾重にもガードすることが大切です。
紫外線を防ぐ5つのポイント