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ちゃんと理解すれば、子どもも保護者もラクに! ADHDの子育て(2)

ADHDの子にはどう接したらいいの?育て方のポイントは?

「○○をしたら良いことがあるよ!」などご褒美を提示する

ADHDの子は、ご飯を食べたら歯を磨いて・・・といったルーティンの日課がなかなかできません。「歯を磨いたらシール1枚ね」など、目に見えるご褒美を提示してあげると、“歯を磨こう!”という動機につながり、ルーティンの日課をこなせるようになることが多いです。
しかし1度できるようになっても、数日(あるいは1~2週間)するとまたできなくなることも。根気よくご褒美作戦を行いながら、繰り返し、繰り返し教えていくことが大切です。

良いところ、できたところを見つけてコメントしていく

5歳ぐらいの女の子。お母さんが「歯磨き、ちゃんとできたね〜」とほめながら、壁に貼った表にシールを貼っている。

どうしてもできないことに目が向きがちですが、できたときには、「頑張ったね!」「ちゃんとできたね!」とほめてあげることが大切です。ADHDの子に叱責や体罰をすることは、症状が悪化してしまうので逆効果です。できるだけ良い面に目を向け、親子の心地良い関係を築くようにしていきましょう。

★ ADHDの子の子育て“これだけは守ろう!4カ条”

(1) 体罰をしない
たたかれて育った子は、たたく子になってしまいます。また親を憎むようになることも。大人への信頼感や親子の絆、のびのびとした心を壊さないためにも、体罰はやめましょう。

(2) 注意する回数を減らす
良い面に目を向け、まずはしかる回数を減らしましょう。何かに夢中になっていると聞こえてないことも多いので、まずは子どもの注意をこちらに向けてから、叱ることがポイントです。

(3) 言葉の暴力やどなるのをやめる
「あなたにはもううんざり」「いい加減にして」などの暴言は、子どもの心を深く傷つけ、望ましくない方向へと行動をエスカレートさせてしまいます。ネガティブな言葉はできるだけ控えてください。

(4) 「わざとなの?」と思わない
すぐばれるようなウソをつくのは、叱られることを避けるためであり、親を困らせようとしてやっているのではありません。どのような行動や言動も「こんな不器用なふうにしかできないんだわ」と考えてあげると、保護者の心もラクになり、対応方法も見つかります。

のび太型とジャイアン型、それぞれにあわせた接し方のコツは?

☆『のび太型』には・・・

自分に自信がなく依存心の強い子が多いので、ゆっくりと自信を持たせ、励ましていくことが大切です。
(1) 取り組みやすい目標を立てる、(2) できた!という経験を繰り返すことで、子どもは自信を持てるようになります。「失敗してもいいよ」「またがんばろうね」などの言葉をかけてあげることも忘れないでください。

☆『ジャイアン型』には・・・

このタイプの子は、言葉の能力が未熟なことが多いため、外からの刺激に対して頭で考えず、反射的に対応してしまうことがよくあります。気にくわないことがあると、怒りをぶちまけたり、乱暴なふるまいをしがちですので、言葉で対応したり、話し合いで解決する訓練をする必要があります。家族みんなが「ありがとう」「いいよ」「ごめんなさい」という言葉を使って、コミュニケーションをするようにしましょう。

子どもの成長(年代)にあわせた、上手な接し方を教えて!

☆幼児期
外につれていき運動で発散。自由に遊ぶ時間をつくる

3歳くらいの男の子が、飼っている犬と一緒に公園の中を元気に走り回って遊んでいる。ママは笑顔で見守っている。

外につれだし、体を使って“しっかり遊ばせる”ことが大切です。運動をして発散をさせないと、家の中で走り回る傾向に拍車がかかってしまいます。そして、子どもがどんなことに興味を持っているか、好きなのかを把握して、自由に遊ばせる時間を作りましょう。お稽古事は数をしぼって、ほどほどに。

☆小学生
良好な親子関係をキープするため、ポジティブな言葉がけを!

宿題がなかなかできない、学校で配られるプリントを持って帰ってこないなどの様子から、「うちの子、ひょっとしてADHD?」と勉強が始まる小学生になってから気づく人は多いかもしれません。先生や祖父母からは「本当に困る経験をすれば、忘れ物や遅刻をしなくなる」と言われるかもしれませんが、ADHDの子は成長を待っているだけではできるようになりません。宿題に集中できる環境を作ったり、忘れ物をしないように翌日の準備を一緒にしたり、伴走しながら苦手を補うことが大切です。

☆中学生
急に子ども任せにせず、命令口調はやめてアドバイスを

中学生になり思春期に入ると、保護者の言うことを聞かなくなり、母親からも離れようとします。その反面、定期テストに向けて地道に勉強したり、期限内に提出物を出したり、教科ごとに先生がかわったりといった、ADHDの子が苦手なことが増えていきます。子どもが反抗的な態度をとっても急に手を放さず、命令口調はやめてアドバイスをするような話し方に変えていきましょう。また同じクラスのママと仲良くなって、部活や行事の予定をメールなどで知らせてもらうと良いですね。学校の役員を引き受けたりして、先生と仲良くなっておくのもオススメです。

どんなとき、受診を考えてみるといいの?

いろいろ努力してみたけど、子どもも保護者もつらいときには受診を

本などを読んだりして自分なりにいろいろ工夫もしてみたけど、子どもも保護者もつらいと感じるときには、受診を考えてみても良いかもしれません。医療機関だけじゃなく、学校や園の先生、スクールカウンセラーなどに相談してみるのもオススメです。ADHDを診てもらえる医療機関を探すときには、かかりつけの小児科の先生に、良いドクターを知らないか尋ねてみるのもひとつの手です。医師との相性もありますから、場合によっては何件か訪ねてみるのも良いかもしれません。

受診をすると、子どもの状況を確認しながら、家庭での環境を整えていく

まず問診票へ記入をしてもらい、臨床心理士による聞き取りを30分ほど行います。そして知能検査が済むと、医師による診察です。お子さんが一緒の場合は状態を診ながら、保護者から普段の様子を伺います。その後、医師から家庭での接し方、改善点などをお話し、必要があればペアレントトレーニングなどの講習会に通ってもらいます。それでもなかなか改善しない場合は、薬での治療を行うこともあります。ADHDの治療は、“家庭での工夫があってこそ”ですので、子どもに対してどのように接していくのかを保護者自身が学んでいくことになります。

【コラム:ADHDの子の子育てに自信をなくしてしまったら・・・】

親の理想と、子の望みは違うことも。
この子に何をしてあげられるか?と考えてみる

何度叱っても言うことをきかないわが子を前に、途方にくれている保護者は多いかもしれません。でも少し引いて考えてみると、子どもが望むことと、親が押しつけている理想は違うのかもしれません。「子どもは親の所有物ではなく、天から預かった存在」くらいに考え、この子にとって、どんな人生が幸せなのかな? どんなことを保護者はしてあげられるのかな?と、ちょっと広い視点で考えると、心が楽になるかもしれません。
“玄関で靴が揃えられなくて散らかっていても、笑顔で過ごせる家庭のほうが大切!”と発想を切り替えることも大切ですよ。

あなたの思い込みは都市伝説かも
ADHD <ホント・ウソQ&A>

Q.大人になると症状が落ち着くことが多いってホント?

A.半分ホントです。保護者の接し方によっては良くなることが多いというのは事実です(年齢が上がるにつれ放っておいても自然に良くなるということではありません)。接し方を変えることで悪くなることを防ぐこともできます。あきらめないで、お子さんとの上手なつきあい方・接し方を見つけてください。

Q.アスペルガー症候群とADHD、併せ持っている人もいるってホント?

A.ホントです。2013年にアメリカ精神医学会において、診断基準の改定が行われました。それまではアスペルガー症候群とADHDを併せ持っているのでは?と疑われるケースでも、診断ではアスペルガー症候群となりました(アスペルガーのほうを優位に扱うという基準があったため)。しかし2013年以降、両方持っている場合は2つとも診断名が併記されるようになりました。もちろん、アスペルガーのみ、ADHDのみという患者さんもいらっしゃいますが、両方持っているかたは多いと推測されます。
同じ“落ち着きのなさ”でも、ADHDの場合は歩き回ったり、体を動かしたりといった多動的な傾向がありますが、アスペルガーの場合は、初めての場所や場面で不安になり落ち着かないということもあります。また家の中と外とでは様子が違うこともありますので、ADHDなのか、アスペルガーなのか、それとも併存しているのかは、専門家の助けを借りて見極めることが大切です。

教えてDr.
娘が中1になりました。ADHDのため精神年齢が同学年の子より幼いのですが、思春期になると性的なことに関心が向き、トラブルを起こしやすいと聞きます。母親としてどんなことに注意をしたらいいでしょうか。

ADHDをもつ女の子は、性的なことに関心をもつ時期が早く、衝動性を抑えるのも苦手な傾向にあります。異性のことを好きになったら一直線。気がついたら家出をしていた・・・ということも。そして先のことを考えることが苦手なので、目先の楽しさを優先した結果、避妊もせずに性行為をしてしまい妊娠してしまった・・・ということが起きる可能性もあります。
このようなことを防ぐためには、思春期に入る前に“何でも話せる母娘関係”を築いておくことが大切です。幼児期や小学生の頃から、娘と一緒に買い物に出かけたりして話を聞いてあげる習慣をもつと良いですね。
学校生活もうまくいかず、家庭も息苦しいと、子どもはどんどん袋小路に追い込まれてしまいます。「なんだかんだいってもお母さんは頼りになるし、家は居心地が良いな」と思ってもらえることが重要ですよ。

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