トップページ > 女性と子どもの健康コーナー ここからげんき > 健康カレンダー > 子宮筋腫、どう治すか悩み中・・・。治療方法選びはここがポイント!(2)

健康カレンダー

毎日が忙しく健康に気が回らない方に役立つ簡単な健康維持の情報や、いつも健康に気を使っている方でも知らなかった健康のコツなど、生活の中で役立つ健康情報をご紹介します!

バックナンバー一覧

子宮筋腫、どう治すか悩み中・・・。
治療方法選びはここがポイント!(2)

筋腫の治療にはどんな方法があるの?

薬物療法と手術があり、患者さんにとってもっとも良い方法を選ぶ

経膣超音波エコー検査をすることで、子宮筋腫の有無や大きさなどはだいたいわかります。その上で、患者さんの希望や、症状、筋腫の大きさと数、子どもを望むかどうかなどを総合的に考えて、治療方法を選択します。

薬物療法

薬により閉経状態をつくりだし、筋腫を縮小させる

子宮筋腫がそれほど大きくなく、症状もあまりない場合、痛みがあれば鎮痛剤を用います。貧血があれば、貧血の治療も行います。
こうした対症療法では十分でない場合、「ホルモン療法」を行います。その1つの方法に「疑閉経療法」があります。閉経すると子宮筋腫は少しずつ小さくなっていくので、薬によって閉経状態をつくる(エストロゲンの分泌を大幅に抑える)ことで筋腫を縮小させます。
しかし薬は連続して6カ月しか使えないため、休薬期間を設けねばなりません。休薬するとまた筋腫がもとの状態に戻ることが多いため、閉経するまで逃げ切る(時間稼ぎをする)ための対症療法として、あるいは手術をする前に筋腫を小さくするために行うことが多くなっています※。
またこの治療方法は、副作用として更年期症状(発汗やのぼせ、骨密度の低下など)が生じることがあります。

※手術をする前にホルモン療法を行うと、筋腫が小さくなるので術中の出血量が減る反面、小さい筋腫は肉眼で見た限りでは消えるので、取り残しにつながる場合があります。

手術

筋腫の大きさで決めるのではなく、手術が適応かどうかを見極めることが大切!

「筋腫がこれくらいの大きさなら腹腔鏡下で手術ができますよ」と、医師が患者さんに勧める場合があるようですがこれは違います。以下の条件をよく吟味することが大切です。

1.本当に手術が必要か

2.子宮を取るのか、残すのか(温存するのか)

3.開腹手術か、腹腔鏡下手術か

という3点を考えることが大切です。筋腫の大きさだけで手術をするか否かを決めるわけではありません。1~3を順にご説明します。

1.本当に手術が必要か

一般的に、患者さんに手術をすすめるケースは以下のとおりです。

  • 筋腫の大きさが握りこぶし大を超えている
  • 筋腫があることで、子宮の大きさが握りこぶし2つ分(双手拳大)くらいある
    ※多発筋腫の場合
  • 子宮筋腫の大きさにかかわらず症状が強いとき
  • 子宮筋腫以外に原因が見あたらないが赤ちゃんができないとき(不妊症)

本当に手術が必要か

2.子宮を取るのか、残すのか(温存するのか)

手術をすることになったら、子宮を残して筋腫だけを摘出するのか、子宮自体を取ってしまうのかの選択になります。ここには子どもを望むか望まないかというファクターも入ってきます。しかし40歳を超えていて出産を望まない方でも子宮を残したいという希望があれば、筋腫だけをくりぬく手術を行います。手術にあたっては、患者さんの意志が最大限尊重されます。

<子宮を取った場合のメリット・デメリット>

女性にとって子宮を取るのは非常に勇気がいることですが、子宮自体を摘出する場合の長所と短所は以下のようになります。

メリットとしては

  • 子宮筋腫があることで生じている症状がすべてなくなる
  • 卵巣を残せば更年期症状は現れない
  • 再発の心配がない
  • 子宮ガンにかかるリスクがなくなる
  • 子宮頸部(子宮の入り口)のみ残す術式で手術を行えば、性交渉時の感覚に変化がない

デメリットとしては

  • 子宮を失うことでの喪失感
  • 性交渉時の感覚に変化がある
    (子宮頸部を残す術式でなかった場合)

3.開腹手術か、腹腔鏡下手術か

子宮自体を摘出する場合と、子宮は残して筋腫のみを摘出する場合のどちらでも、手術の方法には、開腹手術、腹腔鏡下手術、腟式手術の3タイプがあります。ここでは開腹手術と腹腔鏡下手術についてご説明します。

開腹手術のメリットとしては、お腹を開くので執刀医にとってはお腹全体を観察できます。反面デメリットとしては、術後の体への負担が大きく、お腹に大きな傷ができるので、患者さんの身体的・精神的負担が大きくなります。

一方の腹腔鏡下手術(全腹腔鏡下子宮筋腫核出術)は、お腹に5~10mmほどの穴を3~4カ所開け、腹腔鏡と操作用の鉗子を入れて子宮、あるいは筋腫を摘出します。筋腫の大きさは10cm程度まで、数は5個くらいまでが手術適用となります。

メリットとしては

  • 傷口が小さくてすむ
  • 痛みが少なく、手術の翌日には歩くことができる
  • 4~5日で退院できる

デメリットとしては

  • 技術的にとても難しいため、執刀医には熟練した技術が求められる
  • 手術時間が長くなることが多い
  • 開腹手術では起きない重篤な合併症がまれに起こることもある

などが挙げられます。

また、全腹腔鏡下子宮筋腫核出術に加え、「腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術」という最新の術式があります。

★「腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術」とは?

腹腔鏡および3~5cm程度の小切開を組み合わせた手術です。腹腔鏡補助下では、取り出せる筋腫の大きさや数に制限がありません。全腹腔鏡下の手術では取り出せない10cmを超えるような大きな筋腫や、数十、数百個など多数ある筋腫にも適用できます。

メリットとしては

  • 全腹腔鏡下では無理と診断された大きな筋腫や多数(多発的)の筋腫を、開腹手術よりは小さな切開で取り出すことができる
  • 全腹腔鏡下よりも手術時間が短くてすむ
  • 医師が子宮を手で触れる&子宮壁に超音波をあてて見ることができるので、ごま粒のような小さな筋腫も見逃さずに摘出することができ、取り残しが無い
  • 現在できている筋腫をすべて摘出することができるので、再発までの期間を長くすることができる

デメリットとしては

  • 腹腔鏡のみで行うより傷が大きくなる
  • 術後の痛みがやや強い(開腹手術と比べれば軽度)

※上記以外の治療方法として、子どもは希望しないが子宮を残したい場合には、筋腫自体はなくならないけれど小さくする方法として、子宮動脈塞栓術(UAE)や集束超音波治療(FUS)があります。筋腫のタイプによって効果が違いますし、適応とならないケースもあります。(UAEとFUSの治療を受けても、妊娠はできますが、妊娠期間の安全性は確立されていません)

手術、特に腹腔鏡下手術を考えている際、どのように医療機関を選べばいいの?

治療方法の選択肢を示してくれ、セカンドオピニオンをとることを快くOKしてくれる医師を選ぶ

腹腔鏡を使った手術は、いずれも熟練した高度な技術が必要です。開腹手術と同じ内容の手術を、腹腔鏡下で再現できることが求められます。「今だったら、筋腫が小さいから腹腔鏡下で手術ができますよ」と説明された場合は、用心する必要があります。その医師が熟練した技術と専門知識を有しているかは、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医一覧に掲載されているかどうかも1つの目安になります。

技術認定医一覧はこちら

さらには様々な治療方法と、それらのメリット・デメリットなどを提示してくれた上で、「この筋腫だったらこの方法が良いかもしれません。でも選ぶのは患者さんですよ」というように、患者さんに選択肢を提示してくれる医師(医療機関)を選ぶことも大切です。

また医師に対して「セカンドオピニオンを求めたいのですが・・・」と申し出た際に、快く検査データやカルテの写しなどを渡してくれるかどうかも判断ポイントです。そこで渋ったり、“今すぐ手術をすることを決めないと後悔しますよ”などのように威圧するような言動をとられたら、転院することも視野に入れたほうが良いかもしれません。

医師に言われるがままその場で決断をせず、ひと呼吸、ひと手間を!

多くの場合、子宮筋腫は一刻を争うような病気ではありません。すぐに治療方法を決めてしまうのではなく、ひと呼吸おいて、セカンドオピニオンをとるなどひと手間かけることが大切です。納得するまで治療方法について考え、自分にもっともふさわしい治療法を選択してください。

医師に言われるがままその場で決断をせず、ひと呼吸、ひと手間を!

赤ちゃんを望んでいますが、筋腫があるので心配です

努力しても妊娠できなかった人が、筋腫を取ることで授かることも

不妊につながる決定的な因子はないけれど、なかなか妊娠できなかった人が、筋腫を取ることであっさり妊娠できることがあります。特に粘膜下筋腫は、子宮の内腔(内側)に向かって発育するので着床障害を招きやすくなります。またあるケースでは、妊娠できなかった人が、筋層内にある3cmほどの筋腫を摘出したら妊娠できたこともあります。
さまざまな努力をしたけれどなかなか妊娠しない場合は、筋腫の摘出も考えてみるといいかもしれません。(しかし筋腫が存在していても妊娠する人は大勢いるので、「筋腫=不妊」に、必ずしもつながるわけではありません)

妊娠する前に筋腫を摘出するか、そのままにするかはケースバイケース

筋腫が妊娠中や分娩時に与える影響はいろいろあります。
まず妊娠中の影響ですが、子宮筋腫が多いと切迫流・早産になりやすいことが知られています。また胎盤の付着部位と筋腫のある場所によっては、低体重児や、まれに常位胎盤早期剥離を起こすこともあります。そして分娩時の影響としては、微弱陣痛になったり、場合によっては経腟分娩ができなくなったりするケースもあります。
反対に妊娠が筋腫に与える影響としては、筋腫が変性※し、腹痛を起こす場合もあります。
筋腫を妊娠前に摘出するか、そのまま様子をみるかはケースバイケースですので、担当の先生としっかり相談をして、どうするかを決めることが大切です。

※変性とは、栄養や酸素不足で細胞や組織が壊死し、筋腫の状態が変わること。

あなたの思い込みは都市伝説かも?
子宮筋腫 <ホント・ウソQ&A>

Q.子宮筋腫ができやすい体質は遺伝するってホント?

A.ウソです、遺伝はしません。しかし体質は似る傾向があります。子どもは、小さい頃から食生活や生活スタイルなどが親と同じ環境で育つので、体質が似るのだと考えられます。

Q.子宮筋腫は、ガンにならないってホント?

A.ホントです。子宮筋腫はガンにはなりません。子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、悪性の腫瘍に「子宮肉腫」というものがあります。子宮筋腫と子宮肉腫は形や発生場所がよく似ており、筋腫の手術をして腫瘍の細胞を調べてみたら肉腫だったということはありますが、筋腫が肉腫に変化することはありません。子宮肉腫は、最初から肉腫として発生します。

教えてDr.!

現在40代半ばで、10cmほどの子宮筋腫があると診断を受けています。手術は怖いので閉経までホルモン療法で逃げ切ろうと考えていますが、骨量の減少や更年期症状に悩まされると聞き揺れています。ベストなのはやはり手術でしょうか。

40代半ばというと、閉経まであと7~8年はあります。この長丁場をホルモン療法で逃げ切るのは難しいと思います。
閉経前になると月経周期が次第に延び、周期が長くなることで次の月経時にドカーンと大量出血することがあります。そして次第に月経の間隔が短くなってきて、ダラダラとした出血が続いた後、閉経を迎えることになります(もちろん個人差はあります)。場合によっては、大量出血により生命の危険を伴うこともありますし、ダラダラとした出血で貧血になることもあります。
また、閉経したらすぐに筋腫が小さくなるわけではなく、何年かかかって小さくなっていきますから、筋腫に伴う症状は閉経後も続く可能性があります。
手術を受けることで、QOL(生活の質)があがり、幸せになる人は多いですよ。ぜひ前向きに手術を受けることも検討してみてください。

バックナンバー一覧

ご利用にあたっての注意・お願い

本コーナーに掲載する情報は、健康をテーマに、日々の暮らしのヒントとなる情報の提供を目的としているものであり、治療・診療行為を意図するものではありません。また、内容の正確性や、何らかの医療効果が得られることを保証するものではありません。
このことを充分ご認識の上、あくまで参考情報として本コーナーをご利用いただき、必要に応じ適切な医療機関の診察を受けるようお願いします。
本コーナーに掲載された情報、それに基づく行為により、何らかの不都合、不利益が発生し、また、損害を被った場合でも株式会社ベネッセコーポレーションは責任を負いかねますので予めご了承ください。