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ひょっとしてこの人、発達障害? 身近に戸惑う人がいる場合の対処法を教えて!(2)

周りはASDの人(かもしれない人)には、どう対応したらいいの?

指示は口頭でなく“文字情報で”伝える。曖昧な表現は避け、説明は“具体的に”

ASDの人には曖昧な表現は通じません。たとえば「ゆっくり仕事をしてください」→「1日に1時間休憩をとってください」、「普段より休む感じで仕事をしたら」→「3時から4時までは仕事をやめて休憩をしてください」、「少し離れて座ってください」→「隣の人と30センチ離れて座ってください」、「昨晩は眠れた?」→「昨晩は何時間眠れましたか?」、「適当にやっといて」→『今日中に終わらせておいて』などです。
“これくらいは分かってもらえるだろう”とこちらが思っても、すれ違っていることが多いので、何かを頼んだり説明したりする時は、「何を、どのような手順で、いつまでに仕上げて欲しい」など、きわめて“具体的に”数字なども織り交ぜながら伝えてください。

また言葉で伝えるよりも、紙に書いたり、メールで送ったり、できれば文字情報で伝えたほうがより正確に伝わるかもしれません。

ASDの人は想像を共有するのが難しいので、できるだけビジュアル的に説明をする

ASDの人は想像を共有するのが難しいので、できるだけビジュアル的に説明をする

ASDの人(特に積極奇異型と呼ばれるタイプ)は、自分の思考や行動を客観的に意識する“メタ認知”の力が弱く、相手に合わせて(相手をモニターしながら)、自分のふるまいをオートレグレーション(自動調節)することができないので、周りの状況などはおかまいなしに、自分の主張を大声で喋り続けたりします。
そんな時に、「そんな大きな声で話さないで!」と怒ってもASDの人には伝わりません。紙にスケールを書き、「今あなたの声は10だから6ぐらいまで落として」というように、ビジュアルで具体的に説明することが必要です。また写真などを見せながら説明するのもオススメです。

夫がASDなら…

ASDの夫はちゃんと妻に愛情はあるけど、“察することができない”ので愛を感じにくい。具体的な指示でヘルプを求めて!

ASDの夫は、妻が調子悪そうにしていても、髪型を変えても気づかないことがあります。それで妻は、“この人、私に関心がないの?”と思いがちです。しかしASDの人は、相手のことを察したり、共感したりする能力が弱かったり、共感する部分がずれていたりするので、妻にちゃんと愛情は持っているけど、それを表現することができないのです。
少し寂しいですが、妻は自分の調子が悪いようなときには、「薬を買ってきて」「今晩、料理はできないからご飯は外で食べてきて」など具体的にヘルプを求める必要があります。
また「大丈夫」と答えると、ASDの夫はそのまま言葉通りに捉えて「あ、そう。大丈夫なんだね」と理解してしまうことが多いので、正直に自分の状態を話すことも大切です。

問題行動がある場合は、「そんなことをするとあなたにとってこんな結果になり、相手はこのように思うから」と行動の結果についての見通しを説明する

ASDの夫に向かって妻が言いがちなフレーズに「あなたは人の気持ちがわからない!」「相手の立場に立ってみてよ!」というものがあります。しかし前述したように想像力やメタ認知力が乏しい相手に対して、そのような言葉を投げつけてもあまり効果がないこともあります。
それよりも「ずっと一緒に暮らさなければいけないのに、こういうことをしたらこういう結果になるよ」とか、「そんなことをしてもいいことはないんだから、少し我慢してよ」など、善悪より“結果の見通しを話す”ほうが伝わりやすいかもしれません。
妻や家族、周囲の人に対して「太ってるね」など問題発言などをしてしまう場合も、「そんなことを言うと相手は不快だし、相手はあなたのことを嫌な人だと思うよ」「あなたが生活しづらくなるから」と説明すると、「じゃあ、やめようかな」となるかもしれません。
いずれにしても、ASDをもつ本人は、相手が嫌がるということが分からずにやっていることはほとんどですので、“私のことが嫌いなのかな・・・”など、変に深読みしないことが大切です。

周りはADHDの人(かもしれない人)には、どう対応したらいいの?

徹底的に「見える化」をしてスケジュールを共有。締め切りから逆算して計画を立ててもらう

ADHDの人は仕事や物事の優先順位を考えるのが苦手です。目につくもの、興味あるものから手を付けてしまい、大事な仕事が後回しになりやすいという特性があります。
ADHDの人が同僚や部下にいる場合には、無理なスケジュールを与えないようにし、進捗状況をこまめに共有してください。また本人には、締め切りから逆算してスケジュールを立てるように指示をしてください。立てたスケジュールは、web上やスケジュール帳などで「見える化」して、チーム全員で共有しましょう。

メモや携帯のリマインダーを活用してうっかり忘れを防ぐ

ADHDの人は前頭葉の前頭前野に機能障害があることが多く、計画が苦手だったり、短期間記憶していることが苦手な場合が多々見られます。
そのため本人には、大切なことはメモに残し、携帯電話のアラームやリマインダーを活用することを勧めてください。
周囲の人は、口で伝えると本人が忘れてしまうことがあるので、メールやFAXなど、形に残る物で指示を出すようにしてください。

片付けられない場合は、「今日はこの引き出しね」など細かく区切る

片付けられないのもADHDの人の特徴ですが、本人は捨てる決心がつかなかったり、片付けている最中に他に関心が移ってしまったりすることが原因です。
本人に「片付けなさい!」と言っても片付けは進みません。「今日はこの引き出しを片付けよう」「今から10分間は足元にある書類を整理しよう」など、周囲の人がスケジュールを区切ってあげるといいかもしれません。
また捨てられない様子が見られたら、「保留ボックス」を作って、入れてもらうといいかもしれません。

人に対して攻撃的な時は落ち着くまで放っておく

ADHDの中には、すぐカッとなって人に対して攻撃的になり、人を怒らせてしまうようなケースがあります。周囲の人にとっては「えっ?そんな些細なことで怒るの?」と感じるようなことで怒り出すことが多いかもしれません。
罵声を浴びせた後は、数分で怒りが収まり、その後は何事もなかったようにふるまうことも。ADHDの人は、うまく欲求をコントロールすることができず、怒りを爆発させてしまうのです。
特に妻など親しい人ほど被害をうけやすいかもしれません。怒りをぶつけられた側はたまったものではありませんが、まともに相手をしても火に油を注ぐだけです。長くても15~20分で怒りがおさまることも多いので、相手が冷静になってから話し合うようにしてください。
またどんな時に怒りやすいのか、激昂しやすいのかを分析してみるのもオススメです。怒りのスイッチを押さないように、プライドを傷つけるような言い方を避け、なるべく肯定的な言い方を心がけてください。

人に対して攻撃的な時は落ち着くまで放っておく

どんなとき、受診を考えてみるといいの?

家族や周囲の人が不利益を感じたら医療機関などに相談を

ASDやADHDの同僚や夫がいることで、周りの人が不利益を被っていると感じたら、本人に受診を勧めてください。
大人の発達障害を扱う医療機関は、どこも予約がとりにくい状況が続いています。そんな時は、各県にある「発達障害支援センター」に問い合わせてみてください。様々な相談に乗ってもらえます。

発達障害支援センター・全国の相談窓口一覧

あなたの思い込みは都市伝説かも?
大人の発達障害 <ホント・ウソQ&A>

Q.大人になってから発達障害が出てくる人もいるってホント?

A.ある意味でホントです。発達障害のほとんどは遅くとも小学生までに明らかになるとされています。しかし過去の既往がないのに、大人になってから(アメリカでは16歳以降)ADHDが明らかになる例もあるとされていたり、ASDで子どもの頃は気付かれないで大人になってから診断がつく人が増えています

Q.ASDもADHDも、治らないってホント?

A.「治る、治らない」というのは病気に対して使う用語です。どちらも発達上の特性なので、治る、治らないという視点でなく、どの程度の支援がいつまで必要かという視点で考えてください。生涯にわたって特性が継続し、支援が必要な人もいますし、大人になってからは特に支援が必要なく社会生活をしている方もいます。

教えてDr. !

息子はADDグレー、若干のアスペルガーで療育中です。母である私もADDなのではとずっと思ってきましたが、きちんと診断していただいて、ADDなら治療やアドバイスを受けたいと、思いきって昼過ぎに専門病院に電話しました。てっきり「こちらにいらしてください」と言われるかと思いきや、息子が発達専門の病院で療育中と話したので、『まずは、次のお子さんの療育のときに、お子さんの主治医に相談なさってください。』と言われました。来週、息子の療育がありますが、なんて切り出したら良いものかと、電話を切ってからずっと悩んでいます。息子の病院は、3カ月待ちの診察です。7年間お世話になっていますが、患者さんはみなお子さんで、大人は見かけたことがありません。息子の診察なのに私のことを相談して大丈夫なのでしょうか?

確かに発達障害を扱うほとんどの医療機関はお子さんしか診ないことが多く、児童精神科医の多くは16歳までを診療の対象にしていることが多くなっています。保護者を診察するか否かは、医療機関ごとに方針が違うのでなんともいえません。
しかし、お母さんにADHDやADDがあることはマレではなく、親子一緒に診察をしたほうが良いケースはたくさんあります。親の悩みがお子さんのことから来ていることは多いですし、お母さんのことも、お子さんのこともわかっているドクターが親子セットで診た方がいいというのは事実です。
親御さんにADHDやADDがあるということは、一見するとネガティブなことだと考えてしまうかもしれませんが、お子さんにとっては自分の特性を理解してもらえるので実は良いことでもあるのです。例えばお子さんが忘れ物をしてしまったときに、普通の親でしたら「努力すればなんとかなる」など、無理な要求をしがちですから。
夫婦の場合も、親和性があるので発達障害のある人同士が結婚している例をとてもよく見かけます。お子さんに対しても、特性を理解してあげられるお母さんとして、お子さんに寄り添ってあげてください。

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