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若年性白内障、スマホ老眼…若い人を襲う目のトラブル。
正しい目のケアって?(1)

監修:赤星 隆幸 先生

赤星 隆幸 先生

あかほし・たかゆき 三井記念病院・前眼科部長。自治医科大学卒業。患者への負担が少ない白内障手術の新しい術式「フェイコ・プレチョップ法」の考案者。白内障治療の世界的権威で、現在も年間1万件以上の白内障手術を自ら執刀している(秋葉原アイクリニック、日本橋白内障クリニック)。これまで世界66カ国で白内障手術に関する学術講演や公開手術を行い、現在でも海外の学会からの招聘を受けて、術式の普及と実地指導を行うため世界中を飛び回っている。近書に『最新版 白内障のひみつ』(2018年4月・朝日出版社)など。

花粉症やアトピー性皮膚炎のかゆみで目をこすってしまったり、間違った眼鏡選びで目に負担をかけてしまったり…。知らず知らずにやっていることで、目にダメージを与えてしまっていることはたくさんいます。また30~40代という若い世代でも、早期発見をしないと取り返しのつかないことになる疾患(白内障や緑内障など)を発症する場合もあります。正しい目のケアと若い世代でも気をつけたい疾患を特集します。

知らず知らずにやっている、目に悪い習慣は?

目に良いと信じて行っていたり、知らないうちにやってしまっていたりする“目に悪い習慣”をご紹介します。

■目を動かす体操

目を動かすための筋肉は6本ありますが、トレーニングをしたからといって筋力がアップしたり、視力が良くなったりするわけではありません。目は休めたほうがいいので、目の体操はほどほどにしておきましょう。

■電車の中でスマホを見る

目は、近くの物をみるとき、毛様体という筋肉をぎゅっと収縮させて、レンズ(水晶体)を厚くします(※下図参照)。スマホの画面は小さく、揺れる車内で見ることで、目の毛様体は緊張しっぱなしで疲れてしまいます。
もちろん電車の中以外でも、通常の生活の中でスマホを至近距離で長時間見続けると、若い人でも老眼のような状態になることがあります。俗にいう“スマホ老眼”で、毛様体が酷使されて凝り固まった状態になり、ピントがうまく合いづらくなります。
次のページで紹介する目のケアを行い、毛様体の緊張を解くことが大切です。

近くを見るとき

近くの物を見るとき、毛様体がぎゅっと収縮(緊張)して水晶体を厚くする。そのため近くのものを長時間見続けると、毛様体は疲れてしまう。

■かゆくて目をゴシゴシこする

花粉症やアトピー性皮膚炎などがあると、目がとてもかゆくなってゴシゴシこすってしまいがちです。目を強くこすると、レンズ(水晶体)を支えている“チン小帯(しょうたい)”という組織が弱って切れてしまいます。イメージとしてはトランポリンの飛ぶ面を支えているスプリングがチン小帯です(上図を参照)。
チン小帯が弱ると、将来白内障の手術を受けるときに、眼内レンズ(水晶体の代わりになる人工のレンズ)を移植しても、レンズが支えられずに目の中に落ちてしまうことにもなりかねません。
また目をこすると、網膜に穴があく網膜剥離も起こしやすいので、絶対に目はこすったり叩いたりしないでください。

目をこすると将来大変な事になるの?!

■充血用の目薬を頻繁に差す

市販されている充血用目薬の乱用はNGです。充血用目薬には血管収縮剤が入っているので、差すとスッとして白目が美しくなります。しかし頻繁に使うことで血管が膨張したり、収縮したり“筋トレ状態”に陥ります。目薬を使わないと目が充血した状態になり、また目薬を差すという負のスパイラルになってしまうのです。市販の充血用目薬は、あまり使わないようにしましょう。

■洗眼薬を使いすぎる

目を洗うための洗眼薬は使いすぎると、目に必要な成分も一緒に洗い流してしまいます。
ドライアイを招いてしまうことにもなりかねないので、頻繁に使うのは避けてください。

■老眼になっても老眼鏡をかけない

老眼鏡を使うと、さらに目が悪くなるのでは!?と信じている人がたくさんいます。老眼とは手元が見づらくなる症状を指し、毛様体ががんばってもレンズ(水晶体)が厚くなりにくく、手元のピントが合いにくい状態です。老眼鏡をかけることで毛様体への負荷が減りますから、手元が見えにくくなったら早めに老眼鏡を使いましょう。老眼鏡をかけることで目が悪くなることはありません。

30~40代でも気をつけないといけない目の病気は?

■若年性白内障

明るい場所に出ると真っ白になって見えなくなる

あ~まぶち~!

白内障とは、レンズの役割を果たす水晶体に濁りが生じ、光が通りにくくなる病気です。
白内障には大きくわけて4つのタイプがあり、30~40代に多いのが「若年性白内障」という種類。たいていの場合、片方の目だけ、水晶体の中心部がヒトデの形状に濁ります。原因はよく分かっていません。
多く見られる症状としは、“明るい場所に出ると真っ白になり、見えなくなる”、“昼間に映画館から外に出たり、朝起きてカーテンを開けたりすると窓の外がまぶしくて見えなくなる”というもの。明るい所に出ると瞳孔が縮むため、水晶体の中心部が濁っていることで物が見えにくくなります。

■後嚢下(こうのうか)白内障

アトピー性皮膚炎や、長期間ステロイドを使っていた人に多い

また、アトピー性皮膚炎や糖尿病、ステロイドホルモンを長期間使用していた人に多いのが「後嚢下白内障」です。水晶体の後ろ側がすりガラス状に濁ります。
症状としては、すりガラスを通したように後ろがぼんやりと見え、まぶしさを感じるのも特徴です。
視力低下が急激に進むため(ケースによっては数週間)、早期に手術をする必要があります。

■正常眼圧緑内障

視力も眼圧も正常なのに、気づかないうちに進行する

健康診断などで視力測定や眼圧検査を毎年受けている人は多いかもしれません。
通常の緑内障は、眼圧が上がって視神経が圧迫され、知らないうちに視野が欠けていき、失明に至る病気です。日本人の失明原因の第一位で、40歳以上の17.5人に1人が発症するとされています。
しかし最近は、視力も眼圧も正常な「正常眼圧緑内障」が増えています。一般的な検査では発見するのが難しいので、40歳を過ぎたら、視野の欠けがないかチェックする「視野検査」と、眼底を3次元画像で見る「OCT検査」をすることが大切です。眼科ドックを設けているクリニックも増えているので、年に1度はチェックしておきましょう。

近視の人が気をつけないといけない、目の病気は?

近視の人は、40代以降、飛蚊症(ひぶんしょう)や網膜剥離、緑内障などに注意が必要

近視の原因には、眼球が大きいことが挙げられます。眼球の大きさは遺伝することが多いので、両親のうちどちらかが近視だと、子どもも近視になりやすいといわれています。
近視の人は眼球が大きいため、網膜が薄くなりやすく、網膜に穴があいて、そこから網膜剥離を起こしやすいのです。また物を見るときに、視界の中に黒い点やごみのようなものが見える飛蚊症にも注意が必要です(飛蚊症が起こる原因のひとつに網膜剥離があります)。
そして眼球が大きいことで、網膜が薄くなり、視神経もひっぱられます。そのため近視の人は、正視の人より3倍程度緑内障になりやすいとされています。
近視の人は40代に入ったら、年に一度は眼科ドックを受けるなど、眼の健康に気をつけていきましょう。

次のページでは、目の正しいケア方法や、眼鏡・コンタクトレンズの正しい使い方などをご紹介します。

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