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健康カレンダー

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どんな人が乳がんになりやすいの?
乳がん検診の正しい受け方を教えて!<前編>(1)

監修:山内英子 先生

山内英子 先生

やまうち・ひでこ 聖路加国際病院乳腺外科部長。聖路加国際病院外科レジデント、ハーバード大学ダナファーバー癌研究所、ジョージタウン大学ロンバーディ癌研究所、南フロリダ大学などを経て、2010年、聖路加国際病院乳腺外科部長・ブレストセンター長に就任。

女性ホルモンが関係するの!?乳がんの発症リスクを高める要因とは

エストロゲンにさらされる期間が長いと乳がんの発症リスクを高める

乳がんの発生・増殖には、卵巣で作られる女性ホルモン(エストロゲン)が関係しており、特に排卵時期に分泌されるエストロゲン(エストラジオール;E2)にさらされる時間が長いほど、発症リスクを高めるとされます。そのため、初潮が早い、閉経が遅い、未出産という人は、エストロゲンにさらされる期間が長いため発症リスクが高くなります。

食生活の変化も乳がん増加の要因になっています。1960年には1日の摂取カロリーのうちおよそ半分を穀物で摂っていましたが、現在、穀物の割合は2割程度に減少。一方で脂肪や油脂類の摂取量は4倍になっています。実際、高脂肪食を摂ってきた世代の乳がんが増えており、従来の罹患ピークであった40~50代に加え、60~70代の罹患者が非常に増えています。
ライフスタイルの欧米化も乳がん発症リスクを高めているといえそうです。

飲酒、喫煙、閉経後の肥満、糖尿病なども発症リスクを高める要因に

そして喫煙(受動喫煙を含む)、飲酒も発症リスクを高める可能性があるとされています。アルコールは、摂取量が増えるほど発症リスクも高まります。

閉経後の肥満も注意が必要です。閉経後は、卵巣で作られるエストロゲンが大幅に減少するため、その埋め合わせをしようと体内の脂肪細胞でエストロゲンに似た物質が作られるようになります。そのため本来ならエストロゲンの分泌がほとんどなくなる閉経後も、体脂肪が多い場合にはエストロゲンにさらされてしまうのです。
BMI(肥満指数)が25を超える肥満の場合、血液中の女性ホルモンが増加することで、乳がんの発症リスクが高くなってしまいます。閉経後は特に、体脂肪のコントロールをすることが大切になります。

閉経後太らないようにしないと

あまり知られていませんが、糖尿病は乳がんの発症リスクを高める可能性があることが指摘されています。糖尿病がある人は、ない人にくらべて1.2~1.3倍の発症率であり、糖尿病がある人は定期的に乳がん検診を受けることが大切です。

更年期のホルモン補充療法(HRT)は、リスクとベネフィットをよく考えて

HRTは、わずかだが乳がんの発症リスクを高める

女性ホルモンの急激な減少により生じる更年期症状の軽減のために、ホルモン補充療法(HRT)が行われることがあります。
ホルモン補充療法にはさまざまな方法がありますが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)を併用する方法では、わずかながら乳がんの発症リスクを高めることが分かっています。
しかしエストロゲンだけを短期間の服用では、乳がんの発症リスクは高くならないとされています。

更年期障害と乳がんのリスクとバランスを考えて

エストロゲンとプロゲスチンを用いるHRTを受けることで高まる乳がんの発症率は、1000人のうち1人未満とされています。
仕事や家事がままならないほど酷い更年期障害で悩まされているのに、乳がんの発症リスクを恐れてHRTを受けず、長年続けていた仕事を手放したり、家事ができずに寝込んだりしているのも困ります。
どんな治療にも、リスクとベネフィットがあります。婦人科の先生とよく相談しながら、HRTを受けるかどうかを考えてください。またHRTを受けることになったら、治療前はもちろん、治療スタート後も乳がん検診を定期的に受けるようにしましょう。

更年期とホルモン補充療法について詳しくはこちら

次のページでは、遺伝的背景のある乳がんについて詳しくご紹介します。

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